羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

野口体操「tomodachi 作戦」

2011年03月27日 08時22分57秒 | Weblog
 私に何ができるのか。私たちに何ができるのか。
 野口体操に集ってくださる方に、直接この問いを発した事はない。
 しかし、昨日のレッスンにはこの言葉を胸に秘めて私は出かけた。結果としてバランスの悪い時間配分の二時間となってしまった。だとしても後悔はしていない。
 どのような内容だったのか。
 最後の40分ほど、「おへそのまたたき」も「腕立てバウンド」も「逆立ち」もせずに、マッサージの仕方のフルコースに費やした。
 実は、先週のレッスンでのことだったが、「足のマッサージ法」で、やってもらう人もマッサージする人もとても楽な姿勢の取り方、および手当てのし方を整体治療師のMさんに指導してもらった。
 そうしたこともふまえて、従来の野口体操の方法+没後に探り当てた方法+最近の方法、等々を確認することにかなりの時間を当てたのだった。

 図らずも昨日のブログに草間さんからコメントをもらった。その中に「兵站(へいたん)」つまり、戦場での後方支援(軍備品・食料等々の供給、補充、後方連絡の確保などを任務とする機関)に関する心配が綴られていた。
 今、東京に住まう私たちも自然な心情として被曝への漠然とした不安を持ちはじめている。被災地とは比べ物にならない安定した暮らしを営むことができるにもかかわらず、水の買いだめに走ったり、関西や外国に疎開することを考える人も出始めている。
 しかし、この時、周辺に住まう私たちは、パニックを起こさないということも後方支援のうち、という意識を持って暮らすことが大切なのではないか、とふと思った。

 そこで最初の問いに戻る事になる。
 じわりじわりと意識下でもストレスが増大している二週間の暮らしのなかで、家族やごく近しい友人や知人との間で、身体を接触させることで互いの安定をはかることが可能だ。だからといって日本人の間では、キスをしたり抱擁したりする習慣は一般的ではない。
 そこで思いついたのが、60年以上の時間をかけて培ってきた「野口体操のマッサージ法」を、まとめて確認しておくことだった。
 治療を目的とした行為ではない。そうではなくて、さきほどの愛情を伝える行為であり、慈しみ労る具体的な方法としてである。
 後方に控える私たちの心身の安定を担保することで、小さなパニックを引き起こさないひとつの有効な手だてだと思うからだ。

 実際に体験している方々には、この深い意味をお分かりいただけると思う。言葉の上としてではなく、身体の実感として得られている事に違いない。
 野口体操の「後方安定 tomodachi 作戦」と名付けたいくらだ。
 独断をお許しいただきたい。これは新しい時代の「兵站」のひとつと位置づけてみてはいかがだろう。
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