羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

○○のようで○○でない!?

2005年09月22日 07時31分44秒 | Weblog
 憮明亭のご亭主から“植物育て”と“子育て”はよく似ているというコメントを戴きました。
 このことは野口先生の体操指導にも共通だったと思いいたります。
 指導は細やかでありながら押し付けがましくなく、構いながらも構わないというぎりぎりのバランス感覚に支えられていたように記憶しています。
 時に構いすぎて、いたたまれない方もおられましたが。その方は決まって魅力的な方でしたね。

「やらないということも行為の選択です。無理やり動こうとしなくていいですよ」
 私は、先生のこの言葉を真に受けて、教室でおこなわれている動きをひたすら長い期間見続けていました。注意しようにも、どうにもならないという珍しい生徒でした。
 よく言えば、その場にいて観ること、つまり「見取り稽古」を積んだといえます。正直言えば「不器用」で動けなかった、というわけです。
 
 余談になりますが、昨今、トライアルで参加される方が、動ける方が多くて、これはどうしたことかと思うことがあります。皆さん、何かしら身体にかかわって何かをされていて、野口体操においでになるようです。 
 ジャズダンスありコンテンポラリーダンスあり太極拳ありヨガあり新しい身体訓練ありと、さまざまです。
 
 さて、自分自身が野口体操を身につけるには、植物育ての呼吸が大事そうです。意識しすぎないで意識もする。構いすぎないで構ってみる。手をかけないようでいて手をかける。この匙加減が、微妙! もしや、これが生きる極意かも。

 さぁ、今日から大学の後期授業のはじまりです。
 子育ての極意を思い出して、いざ、出陣。
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3 コメント

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Unknown (com)
2005-09-22 10:28:09
はじめから、やり方とか細かく言ってくれると、ウルサイけど、まあ言われた通りやってれば出来るっていうか、出来るようになったような気がするじゃないですか。でも野口体操って、そういうの言ってくれない。自分で感じて…なんて。わかんないからフテクサレて…いや、ふてくされたわけじゃないんだけど、しょうがないからカッコウになってないの承知で腕とか振り回してたら、「あなた…」とか声かけられてアドバイスもらっちゃって、「あれ~見てたんだ」と思いました。

要点だけ教わって半年くらいでクリアして、また別のとこ行こうと思ってたんだけど…植物育て?…子育て?…ウウム
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Unknown (古々米)
2005-09-22 11:11:43
昔々、場所は芸大の体育小屋。正座して話される野口先生を囲んで、これまた正座した学生が三十人ほど。十八才の少女の私はその中の一人、息を詰めて一生懸命お話を聴いていました。

お話が終ったとたんです。つかつかと立ってこられた先生が、私の真正面に正座されました。マッチョな肩の上の謹厳実直なお顔、じっと私の目を見て「あなたね…そんなに一生懸命聴いていると、体がもちませんよ」とおっしゃる。お声は柔らかで、ふわっとした優しい言い方でした。

「良い子の形」を保つのに全力を使い果たして、でも自分ではそれに全く気がつかないで、もっと努力しなければ、もっと努力しなければと、努力の出来ない自分を責めていた「その時の私」を、まっすぐに、けれど温かく言い当てた先生のお言葉は、その時は理解できず、私の心に謎となって残りました。

大学を出て関西に行きました。東京に戻って野口体操に再会するまでの四十年余り、私はその謎を解き、その先を考え、あのとき私の真正面に正座された野口先生と、対話しながら生きてきた気がします。

芸大での受講、サボリサボリの一年間の中で、「いたたまれないほど」ではなく構って頂いた想い出です。

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Unknown (spoonful)
2005-09-22 21:03:17
この我が身・生身のからだって、まったくもって複雑極まりない存在。体と心は切れ目無くて・・・野口体操も同じで、うごきだけとことん追求しても何か到達できない世界を感じ、頭でっかちではからだがいうことを聞いてくれない。

時に内側を見つめイメージのチカラが大切なときもあれば、醒めた目で外から見つめることも又必要・・・と、振り子の様にあっちこっちと揺れ動く中でバランスをとるのがこの体操か?な、と此処まで来た20年を振り返る。
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