羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

漢字の造字および運用の原理「六書」

2019年08月10日 09時39分40秒 | Weblog

最近の朝日カルチャー「野口体操講座」では、漢字の問題をテーマにしています。

毎回、書籍を持参してご覧に入れていますが、様々な辞書があることを見ていただいています。

野口三千三著『野口体操 からだに貞く』『野口体操 おもさに貞く』に書かれている、漢字の字源についての内容を理解するための準備です。

藤堂明保と白川静の漢字解釈の違い、漢字について知っておきたいことなど、(私自身にとっても)復習と確認のために取り上げています。

本日は、次のテーマを選びました。

漢字の造語・運用の原理である「六書」

◆  「六書」とは、漢字の造字および運用の原理を6数類に分類したもの。

1、「象形」とは、必ずしも絵文字ではないから、形象と意味との関連を捉えるには、その意味体系の世界にまで踏み込まなければならない。形と義、と形象と意味の結合として存在する。象形はことばを示すものであるから、象形文字といっても「音」を持つもの。しかし、形義を主として音は従とする。例:日・月・耳・鼻・・・・

2、「指事」とは、上下・本末のような場所的な関係を示す方法。上下は掌の上下を、本末は樹木の本末をそれぞれ点によって表す。

  例:上・下・本・末・・・・

3、「会意」とは、複雑な事象や観念を表すときには、既成の象形文字を組み合わせる。帰る(歸)の初文は、シ師のつくりをとった部分+ソウ帚。シ  は、師の初文で出陣の時の祭肉の象。ソウ帚は、祖霊を祀るとき、その祭肉であるシを酒で清める。凱旋のとき、祭肉である。シを寝廟におさめるので、シとソウ帚とを合わせて、軍の帰還をしめす字。信・武・林・炎・・・ 

   記述の注:「シ」は「師」の作りをとった文字ですが、打ち出すことができませんでした。

文字が作られたとき、今でいう象形・指事・会意というような構造上の原則があったわけではない。古代文字を研究するために、のちに設けられた区別であるにすぎない。それらの境界は明らかではない。

4、「形声」とは、類型的な意味を表す音符と音を表す音符とを組み合わせて字を作ること。江・河

5、「転注」とは、用事法の一つとする説が有力であるが、定説はない。例えば「  」りんは、部首ではない。「複数の相対立するものの、統一体」という基本義である。そこから、人間関係においては「人倫」、言議の上では「論」、波紋の広がり「淪」、糸を縒りあわせる「綸」、両輪相対する「輪」。そのほか、呪術に関連して、悦・説・税・競など一系の文字である。

6、「仮借」とは、代名詞・助詞など具体性を持たない語の表記に、既存の象形文字の音を借りて用いる。他の同音・類字音の字を借用すること。「わたし」の意味に「我」、「そうだ」の意味に「然」、「くる」の意味に「来」など。

 以上です。

参考文献:『漢字類編』白川静 監修 小林博 編 木耳社

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