羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

群馬の旅のこと

2015年12月07日 08時50分13秒 | Weblog
 5日、6日、土曜日と日曜日の朝日カルチャー「野口体操講座」では、野口先生のご実家を中心に歩いた群馬の旅の報告を行った。
 前回のブログには書けなかったことなども含めて話をするうちに、野口先生の身体哲学が、生まれ・育った養蚕農家での暮らしが深く関わっていたことがはっきりした輪郭を描きはじめている。
 とりわけ1996年に岩波同時代ライブラリーから再刊された『原初生命体としての人間』に付録としてつけられた「インタビュー 感覚こそ力ー今なぜ原初生命体か」に載っている最後の質問に答えた言葉が、当時とは全く違って読めるようになっていたことに、嬉しさと驚きを感じている。

『天地自然に直に習う「自然直伝」、すなわち「自然に貞(聞・聴・問)く」ということではないでしょうか』
 その言葉が導きだされる小見出し「自然に貞く」(305~306頁)およそ19行に記されている野口の言葉の重さの実体が見えたきたといいたいのだが。

 そこは北が上の地図を見ると右側に利根川、左斜め上に榛名山に囲まれた緩やかな傾斜地の町。榛名山麓の洪積台地にあって標高190・20メートルという土地が持つ風土や気候や養蚕文化といった自然と文化の狭間で、育まれた野口の感性や価値観に思いをはせると、なるほど「野口体操」として集約されて行く必然性が見えてくる。

 NHKスペシャル「新・映像の世紀 第一集 100年の悲劇はここから始まった」で描き出された第一次世界大戦の年に生まれた意味や、昭和2年日本、昭和4年のアメリカにおける大恐慌、そして第二次世界大戦と日本の敗戦。ここまでの野口の生きたおよそ31年間、幼年期・少年期・青年期の歩みが少しずつ私のなかで明確な輪郭を描いてくれるようになってきた。

 レッスンでは、前提となる話を省いてしまったり、伝えたいことが多すぎて話を上手くまとめられなかったが、これから勉強をし直して、文章に起こしていきたいと思っている。
 
 さて、先生の故郷へは、季節をかえて通い、空気を思い切り吸ってみたい。
 群馬県が身近になって、愛着がわいてきた実感を確かなものにできた初めての旅だった。
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