羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

螺旋状の根に命の形を見た日

2005年09月16日 07時52分51秒 | Weblog
 衆議院選挙日、夕方のこと。
 一点にわかに掻き曇り、一陣の風が東京地方に吹き荒れました。
 ガチャーンという音に、思わず飛び出すと、初雪鬘(ハツユキカズラ)の鉢が割れていました。どうやら鬘を絡めた3本の棒が、後ろ側にあった簾に引っかかって落ちたようでした。
 空は黒い。
「降り出す前に、植え替えてやらなくちゃ」
 みると鉢の形にびっしり根が張っています。欅などもそうですが、盆栽仕立ての根は、いちばん元になる太い根を中心に、たくさんの根が円を描き渦を巻き螺旋状で成長していきます。
 あいにく大きめの鉢しかなく、まず小石を敷き、その上にとりあえず中玉の赤玉土とそのまた上に小玉の赤玉土を乗せて、根をいじらずにそっと植え込みました。
 今日で、6日目。どうやらついてくれたらしい。
 
 野口三千三先生のご自慢の庭を囲むフェンスに張り巡らされていた初雪鬘。生前、わざわざ先生が、鉢植えにして届けてくださった鬘は、もう10年近い年月が過ぎました。今年は春に植え替えができなくて、ほとんど土もなくなっていました。この螺旋形の根に、再び土の栄養がいきわたるかと思うと、鉢が割れたのも何かの采配に違いない、と思うことしきり。
 白と撫子色と緑の濃淡と牡丹色が混ざり合った鬘の葉に、その3倍も嵩のある螺旋形の根。
 思いがけず命の形を見た、9・11でした。
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