今日は乱れた。
呼吸を数え始めて、10回にもならないときから、胸が締め付けられ涙が溢れた。
今週に入ってからの「なつぞら」から、思い出される様々なことが、呼吸を乱れさせる。
昭和30年代の始め、私は小学校低学年だった。
あの頃はまだまだ戦争の傷が、いたるところにあって、それは痕迹ではなく、血が出るような生々しさがあった。
親族同士、赤の他人同士、ご近所の人同士の中には、何気無く気遣う人情があったように思う。
戦後、生き残った男も女も皆傷ついていた。人の傷の痛みが、自分の痛みとして感じられるところからの人情だった。
子供であっても、それはわかった。
何だが溢れて止まらない、もう一つのわけは、不幸な結婚をした妹への母の思いが、主人公なつと重なった。
その母を包み死ぬまで優しかった父のことを思い出した。
そのほかにも、戦争によって境遇が変わったことで、よからぬ道に走った人も、真面目に生きようとした人も、絶望のままの人も、様々な人がいたことを思いだした。
座りながら、呼吸が乱れた。
それでも回数を数え続けた。
そして、最後の10回だけは、気持ちを落ち着けるように、ゆっくり静かにただひたすら、数えて終えた。
こういう日もあるのだ。
久しぶりに私自身が受けてきた、人の情のあたたかさがからだのうちに溢れるのを感じていた。
生きるって切ない・・・・・
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