羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

「私が原子力に反対するわけ」小出氏のインタビュー

2012年05月07日 07時41分53秒 | Weblog
 野口三千三先生がご存命のころ、歌人で爬虫類研究家の故高田栄一さんから、月刊誌『原子力文化』が西巣鴨のご自宅に送られていた。『自然の詩』という扉のエッセーを、高田さんが連載されていたからだった。
 野口没後、替わって私の手元に届くようになって、そのまま継続されている。
 
 ところで、2012年5月号[通巻511]特別インタビューには、とうとう原発反対の小出裕章氏が登場された。内容は、他の媒体で主張されていることなので、ここに転記することはしないでおこう。

 ただ、『「トイレのないマンション」などには人はすめません。自分が生み出す核分裂生成物を無毒化できないかぎり、原子力を使うべきではありません』小出氏の言葉は重い。
「将来、無害な核分裂反応が利用できれば、原子力を使ってもいい?」のインタビュアーの質問に、こう答える。
『……すでに私たちがつくってしまった毒物が厖大にありますし、それを将来の世代に少しでも負担にならないようにしたいです。そのための専門家、研究組織は残したいと願います』
 長期にわたってやり続けなければならない重大な問題が横たわっている。
 今あるものを、どうするのか。
 一日もはやく研究者の海外流出を止めて、ちゃんと動く組織を作って、予算をつけ、処理問題研究を継続させていかなければ、島国・日本には住めなくなるのは必定。それどころか生存そのものが脅かされる。
 
 何でも、地球上に原子力の燃料となるウランはせいぜい500万トンしかなく、そのなかで核分裂するのは0・7%。石炭に比べると数十分の一の資源しかないのが現実らしい。資源を巡る争いも起こってくるだろうし、そのような資源にエネルギー依存すること自体が、はじめから無理だし未来を託すなど間違いだ、ということがインタビューから読み取れた。
 
 このような冊子で、小出氏のインタビューを掲載することの意味を、今一度深掘りしてみよう。
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