母の高齢者施設の窓越し面会は、年始の希望者が多く、予約が取れなかった。
昨日、1月7日にようやく面会することができた。
しばらくぶりなので、どのような状態なのか、少々不安な気持ちを抱えて出かけていった。
まさに杞憂。
エレベーターから出て、私を認めると大きく手を振ってくれた。
最初からテンションが高かった。
いつもの通りスケッチブックを掲げて、話しかけた。
最初から大きな声で文字を読み、私が手元で次の言葉を書いていると、それをちゃんと待ってくれる。
簡単な質問だが、はっきりと答えてくれた。
この反応は初めてのことだった。
さて、次回は緊急事態発出を想定して、予約をしていなかったが、その予想が当たってしまった。
8日、本日から再び窓越し面会は停止となる。
次はいつになるのか。娘である私を認識して喜んでいたかは、定かではない。
それでも喜んでくれた母に会えないのは残念で仕方ないのだが、それは贅沢な思いかもしれない。
実は、お正月に久しぶりにあった70代の方。一人で妻の介護しておられる。
ある日のこと、入浴中に低血圧で意識が朦朧となった妻を、お湯の中から引き上げることの困難。
その時は必死で、動かなくなって重くなった身体を力を振り絞って引き上げたそうだ。
後から知ったことだが、お風呂栓を抜いて水を捨てると引き上げやすくなるという。
また、入浴させるときに、相撲のまわしのように晒しを巻いておくとそこに手がかかるという。
我が家でも母を入浴させるとき、共倒れになりそうになった経験がある。
自宅で介護をされる方々の苦労は、経験があるだけに身につまされる話だ。
このコロナ禍にあって、母との面会が叶わなくても、心配しないで日常をおくることができるありがたさを身にしみた2021年正月2日のことだった。