御神楽少女探偵団その26
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三人の死体が見つかった場所にある桜の木は、赤桜という呪いの桜として有名と聞いた所からである。
■生き人形 捜査編2 続き
浅草署で、三人の詳しい検視報告を諸星警部に尋ねると、「九割方は他殺だろ。だから、こっちも他殺って事で捜査を進めてるよ。」とのことだった。
だが三人からは毒物は一切検出されなかったそうだ。
三人は直接の死因は、急性肺水腫による呼吸不全ということだった。
胃から検出されたのは睡眠薬だが、それは致死量には及んでいないそうである。
栗山刑事は、三人の服は無名メーカーによって作られた安ものだったと言う。
三人娘が工場跡へ入ると、昨日彼女たちを救ってくれた仮面の女性がいた。
三人娘が自分達は探偵だと明かすと、捜査に協力してくれるそうだ。
ただし、舞踏会のことは決して外部に洩らさないことが条件である。
女性は、舞踏会内では吉和泉佳世と名乗り、この会の主催者だと言う。
この事件は穏便に処理したし、遺体の方ももう警察の方へ渡っているそうだ。
■生き人形 捜査編3
翌朝、三人は時人と赤桜の話をしながら、諸星からの報告を待っていた。
待つ程もなく諸星が現れ、赤桜の死体は自殺ではなく他殺らしいと言う。
死因は急性肺水腫、遺体に外傷は無く毒物も検出されないし、顔は皮膚炎を起こしていることなど、あの三人と同じなのだ。
続けて、大城時江が暴漢に襲われたが、時江はかすり傷ですんだとのことである。
なにはともあれ大城家に行ってみよう。
当主の暢の部屋では、暢と時江が話していて、立ち聞きができる。
「大城家の者が警察の世話になるとは何事じゃ!これが大城家にとってどういう事を意味するのか、分かっておるはずだろう?」と、暢は怒っている。
それにしても、通常娘が襲われたら、親はまず怪我などを心配するものだが、それより先に世間体を気にするとは、この大城家はやはり異常だ。
長男の直己は、またまた車の玩具をしこたま仕入れたらしい。
お父上に叱られませんかと聞くと、「怒ったりするもんか。これがぼくの仕事だからね。」と平然としている。
彼は自分で遊ぶというより、ヨーロッパの新しい玩具で売れそうな物をいち早く仕入れ、それを玩具の商店に売っているそうだ。
台所では、時江が千賀子に怒っている。
警察からかかってきた電話を、千賀子が暢に告げたことに怒っているらしい。
千賀子によると、時江は家の中では片意地張っているが、恋人にはとても優しいそうである。
恋人の家は本所区にあるのだが、庭にはリンゴの木があり、庭には常に桧の材木が積んであるそうで、その恋人とは大工か職人なのかも知れない。
あの時江にもそんな一面があるのかと、恋人未体験揃いの三人娘は感心したのである。
浅草署に行くと、諸星警部は大輔の苗字は大城ではなく葉山ではないかと言うのだがり大輔本人は大城と言っていたのだ。
栗山刑事は、「犯人の男は帰宅途中の大城時江を、後ろから出刃包丁で刺そうとしたらしい。」 と言う。
舞踏会場で吉和泉佳世に聞くと、生き人形の技術は元々は浅草のパノラマ館の見せ物のために作られたものだそうだ。
「削り出した木に細かい彫刻をして、胡粉を塗り、みがきをかけて人肌にそっくりの人形を作り出す・・・しかも使用できるのは桧だけです。」とのことだった。
帰りがけに、アイテム欄で庭先の写真を調べると、千鶴がどこかの庭先みたいだが、木材が積んであるだけで、ずいぶんと殺風景などと言い出す。
しかしその庭先にはリンゴの木も植えてある。
その家は「国井」という表札があるので、本所区で国井という家が無いかどうか探してみた。。
国井の家を発見したが、住人は留守のようなので、庭に入ってみると、縁側には時人のの生き人形仮面が置いてあるのだった。
どうやら、国井が問題の生き人形仮面の職人であることは間違いなさそうだ。
さらに時人の生き人形仮面の横には手紙が置いてあり、それには「今度の仮面は剥がれない。なぜなら御神楽時人が殺されるからだ。」とあった・・・
■捜査編4
巴達が事務所で時人に仮面と手紙を見せると、時人は犯人の狙いがわかってきたと言い、そのまま所長室に篭ってしまった。
犯人の狙いは時人にあるようだが、それにしてはまるで無関係の人物を4人も殺すのは不自然である。
その時蘭丸が所長室に入って行くが、突然唐黷トしまう。
そして蘭丸のャPットからは、一枚の写真が滑り落ちた。
その写真には、眼鏡を取った千鶴にそっくりの女性が写っているが、その女性は大輔の母、葉山志保美だった。
時人は唐黷ス蘭丸の顔から生き人形仮面をはがす。
するとその少年は大輔だったのである。
大輔は病院に運びこまれたが、医者の話だと、2,3日安静にしていれば退院できるとのことだ。
とはいえ、手当がもう少し遅れれば、手遅れになっていたかもしれないそうだ。
今回の事件の犯人は、大輔も狙っていたということになる。
そこへ、千賀子が大輔の看病をしにやってきた。
大輔は千賀子に任せて、一同は事務所へと戻った。
ところが蘭丸の姿が見えないのだ。
■後編 捜査編1
翌朝巴たちは、昨日彼と行動を共にしていたらしい大輔に、蘭丸のこと聞こうと病院に行く。
南天堂病院の小児科病室では、大城千賀子が大輔を看病していた。
千賀子は、大輔はよく眠っていると、あまり心配はいらないのではと言う。
医者が出した薬も、栄養剤みたいなものらしいと言うのだ。
彼女の家は化粧品と薬を扱っているので、それなりの知識はあるらしい。
御神楽少女探偵団その27へ続く