ミッシングパーツその22
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陣堂はるーくんの中に、なにかを隠したらしいとわかった所からである。
■第4話 傷ついたテディベア 第7日
そしてそれは、ルークンの中にある筈である。
成美がるーくんを探すと、背中の縫い目になにか小さいものが入っている。
それはマイクロフィルムだった。
ともあれまどかにも話を聞かなければと、友凜病院へ警察の車は走る。
車の中で森川は、あの死体は所長の可能性が高い、京香に無駄な期待を持たすなと言い張る。
森川の最近の不機嫌の理由はこれだったのだ。
恭介はピンと来た。
森川は京香に本気で惚れているようなのだ。
二人が言い争っていると、無線で氷室の声が響いた。
「あの死体の歯形は、所長のものではなかったぞ」
そしてまどかに陣堂と話した時のことを聞くと、どうも陣堂はまどかの父親に関心があったらしいことがわかった。
更に推理を進めて行くと、あのようなスプラッター状態で死体を放置せざるを得ない状態が、恭介の頭に浮かんできた。
あの時は急患が3人も担ぎ込まれ、外科医がどうしても必要だったのだ。
この病院での外科医は、陣堂と院長のみである。
その時森川が現れて、院長は院長室にいないと言う。
京香も表れ、あのフィルムの内容は、この病院の臓器故買の記録だったと言うのだ。
森川と手分けしてまどかを探していると、3階の踊り場で院長とまどかを発見した。
院長はまどかの喉に擬している。
そこへ森川が駆けつけ、拳銃を院長に向けた。
しかし・・・ 森川は署内随一の拳銃の「不名人」として有名なのだ。
恭介は森川に銃を降ろせという。
森川は銃を捨てたが、その隙に恭介はまとかを奪い返した。
エエカッコしいの見本ですな。
院長は身を魔オ、窓に体当たりして飛び降りた。
■エピローグ
院長は一命はとりとめたが、頭部を強打したためか、自分の名前すら覚えていないようだ。
その後友凜病院からは退職、転院が後を絶たず、存続さえ危ぶまれているらしい。
そしてまどかが転院する日、恭介と京香は病院を訪れた。
完治したるーくんを携えて・・・
まどかは「おおきくなったらおにいちゃんのお嫁さんになる!」と言ってくれたのだ。
そして氷室からの連絡では、上遠羽山中の死体は、元毎朝新聞の柴田という男なのだとのことである。
「それはおかしい、柴田さんには先日会っていますよ」と言うと、氷室は不思議そうだった。
これにて第4話 傷ついたテディベアは全巻の終わりである。
■第5話 迷いの懐中時計 第1日
平穏無事な日常・・・
テレビでは解体した木原グループの後継企業、不思議ビバレーツのニュースをやっていた。
不思議ビバレーツは福祉団体コンティニューの支援をしており、所有している豪華客船アニバーサリー号でチャリティコンサートを開くとのことである。
あの事件で知り合った盲目の少女とその兄は、音楽留学のため海外に旅だっていったが、その後どうしているのだろうか?
事務所に出所(監獄から釈放されたわけではない)すると、京香が一通の海外便を見せてくれた。
なんとあの兄妹、嘉納浩司と潤からのものである。
潤はイベントでピアノを弾くため、一時帰国するとのことなのだ。
ミッシングパーツその23へ続く