この所野田昌宏宇宙軍大元帥閣下の名作「銀河乞食軍団」シリーズを何読(何回読んだか覚えていないので)している。 文庫本で全17巻、未完のままとなっている大長編である。
最初に買った早川文庫版はとうに散逸して手元にないので、アマゾンで中古を探したところ「合本版」というのが出ていた。 残念ながら全17巻を通してのものではなく、合本版1は文庫1-6、合本版2は文庫7-11迄で、その後は刊行されていないようだ。
早速合本版1.2と文庫版12-17を購入した。
着いた合本版を見て驚愕・・・ 私は通常の文庫版又はそれより一回り大きい単行本版位のサイズとばかり思っていたのだが・・・ なんとおよそ縦30センチ×横20センチ、つまりA4版という、書籍としては異例の巨大さだ。
懐かしさに駆られて読み始めると、懐かしき大元帥節に酔いしれるのだが、とにかく疲れる。 目も疲れるがそれ以上に腕が疲れる。 なにせA4数百ページの分厚く持ちにくい本なのだ。 とんでもない重さなので、書見台でもないと腕が震えてくる。
銀河乞食軍団を読んでいない方のために、ざっと内容に触れると、時は現在から数百年後の未来、人類は既に恒星に進出していて広く植民が行われている。 そんな宇宙での冒険談である。 いわゆるスペオペという奴。
普通スペオペというと、やたら科学用語が出てきたりするが、こちらはべらんめえの江戸弁とうら若きオトメのキャピキャピ語が飛び交ういなせな世界なのだ。
若い女の子の表現が、全て同じく「きれいな顔をしていて」などなっているのは、まあご愛敬。 ブンガク的表現がどうのこうのとかいう詮索をしてはいけないのだよ。
銀河乞食軍団という別名を持つとある宇宙運送企業が、権力亡者の軍隊やら警察やらと渡り合うという波瀾万丈の物語。 事件頻発、しかしいつも必ず乞食軍団が突飛な方法で裏をかき勝利するという、ご都合主義の見本みたいなお話しだが、野田節の冴えのおかげで一気に読めるのがgood。
私は、その江戸趣味のために野田さんは東京生まれの東京育ちとばかり思っていたのだが、福岡県の生まれだそうだ。 氏は日本SFの大先達今日泊亜蘭(光の塔・我が月は緑なりきなどなど)に私淑して江戸趣味に耽溺したらしい。
縁者親戚には政治家(麻生太郎)だの旧帝大教授だのがうようよしているという、世が世ならええしのお坊ちゃま、我ら貧民下層階級は気安く名前も呼べない存在なのだ。 それがミンス杉とかいうもののおかげで、気安く「大元帥閣下」などと呼べる。 ありがたや。
今日泊亜蘭には、無名の若き日に宝塚の大スター明日待子に憧れていたのだが、到底手が届かないということで、「今日止まりにてあらん」というペンネームにしたという逸話がある。
ほんとかどうかはわしゃ知らん。 半村良の由来はイーデス・ハンソンに憧れてというのは小松左京のジョーク(私は本気で信じていた)だそうだが、こちらもそんなものかも知れない。 尚、光の塔は戦後日本で刊行された最初の長編SFだと思う。
台本を犬の鎖で腰にブラ下げ、力任せに袖を破りとったスタジャン姿に野球帽を後ろ前にかぶってスタジオをのし歩く。 その極端に眉の下がった漫画にしやすい容貌と、全くの初見の人からの質問にも懇切丁寧に返答するという律儀さで、若いSFファンには深く慕われていたという。
その野田さんも、大先達今日泊亜蘭氏も、半村良も小松左京も北杜夫も、懐かしい人々はみんなみんな幽明境を異にしてしまった。 ああ・・・
最初に買った早川文庫版はとうに散逸して手元にないので、アマゾンで中古を探したところ「合本版」というのが出ていた。 残念ながら全17巻を通してのものではなく、合本版1は文庫1-6、合本版2は文庫7-11迄で、その後は刊行されていないようだ。
早速合本版1.2と文庫版12-17を購入した。
着いた合本版を見て驚愕・・・ 私は通常の文庫版又はそれより一回り大きい単行本版位のサイズとばかり思っていたのだが・・・ なんとおよそ縦30センチ×横20センチ、つまりA4版という、書籍としては異例の巨大さだ。
懐かしさに駆られて読み始めると、懐かしき大元帥節に酔いしれるのだが、とにかく疲れる。 目も疲れるがそれ以上に腕が疲れる。 なにせA4数百ページの分厚く持ちにくい本なのだ。 とんでもない重さなので、書見台でもないと腕が震えてくる。
銀河乞食軍団を読んでいない方のために、ざっと内容に触れると、時は現在から数百年後の未来、人類は既に恒星に進出していて広く植民が行われている。 そんな宇宙での冒険談である。 いわゆるスペオペという奴。
普通スペオペというと、やたら科学用語が出てきたりするが、こちらはべらんめえの江戸弁とうら若きオトメのキャピキャピ語が飛び交ういなせな世界なのだ。
若い女の子の表現が、全て同じく「きれいな顔をしていて」などなっているのは、まあご愛敬。 ブンガク的表現がどうのこうのとかいう詮索をしてはいけないのだよ。
銀河乞食軍団という別名を持つとある宇宙運送企業が、権力亡者の軍隊やら警察やらと渡り合うという波瀾万丈の物語。 事件頻発、しかしいつも必ず乞食軍団が突飛な方法で裏をかき勝利するという、ご都合主義の見本みたいなお話しだが、野田節の冴えのおかげで一気に読めるのがgood。
私は、その江戸趣味のために野田さんは東京生まれの東京育ちとばかり思っていたのだが、福岡県の生まれだそうだ。 氏は日本SFの大先達今日泊亜蘭(光の塔・我が月は緑なりきなどなど)に私淑して江戸趣味に耽溺したらしい。
縁者親戚には政治家(麻生太郎)だの旧帝大教授だのがうようよしているという、世が世ならええしのお坊ちゃま、我ら貧民下層階級は気安く名前も呼べない存在なのだ。 それがミンス杉とかいうもののおかげで、気安く「大元帥閣下」などと呼べる。 ありがたや。
今日泊亜蘭には、無名の若き日に宝塚の大スター明日待子に憧れていたのだが、到底手が届かないということで、「今日止まりにてあらん」というペンネームにしたという逸話がある。
ほんとかどうかはわしゃ知らん。 半村良の由来はイーデス・ハンソンに憧れてというのは小松左京のジョーク(私は本気で信じていた)だそうだが、こちらもそんなものかも知れない。 尚、光の塔は戦後日本で刊行された最初の長編SFだと思う。
台本を犬の鎖で腰にブラ下げ、力任せに袖を破りとったスタジャン姿に野球帽を後ろ前にかぶってスタジオをのし歩く。 その極端に眉の下がった漫画にしやすい容貌と、全くの初見の人からの質問にも懇切丁寧に返答するという律儀さで、若いSFファンには深く慕われていたという。
その野田さんも、大先達今日泊亜蘭氏も、半村良も小松左京も北杜夫も、懐かしい人々はみんなみんな幽明境を異にしてしまった。 ああ・・・