ランス9 ヘルマン革命 その2
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■第3章続き
そして4軍の副将の、いや元副将のクリームは、パットンに革命軍への参加を申し出た。
パットンは王家の証しである自分の指輪を、クリームに貸し与え、何かの時にはそれを見せろと言うのだ。
初見の者に王家の証しを貸し与えるという、パットンの大度に、クリームは身が震える程の感動を覚えた。
このヘルマン革命でのパットンは、ランス3などの時代と比べて精神的に大きく成長し、まさに大度の人となっているのだ。
まるで成長しないランスと比べて、人物としてのスケールの大きさは、パットンが数百倍大きいようである。
ゲームでも小説でも、主人公への感情移入は、その作品をより楽しむための大きな要素である。
「通常は」、感情移入しやすい主人公の方が、その作品をより多く深く楽しめる場合が多い。
しかし、ランスシリーズでの主人公ランスは、それには全く当てはまらない。
「こんなしょうもない奴が・・・」という印象しか残らないからである。
だが、恐らくはそれも作者の意図の一つだと思う。
プレイヤーに「けっ! この屑が!」と感じさせ、嘲笑しながらプレイさせる、という所が作者の狙いだったのではないか?
パットンと話していると、フリークが現れた。
あの浮遊都市イラーピュで出会った、金属人間である。
そして、コサックに逃げたネロは放置して、まず先に魔法砦である兵器を回収してきて欲しいと頼まれたのだ。
今回の無法者の戦いを一変させうる兵器だそうだ。
その後は、ルシアンの回想となる。
ラングバウでの無為な生活と、ステッセルの横暴に嫌気がさした皇帝シーラは、メイドのペルエレに相談し、城を脱走したが、奴隷商人に捕らえられる。
ペルエレにも騙されていたのである。
ペルエレは皇帝シーラとして、城に残った。
以後シーラはルシアンとして生きることになった。
ヘルメットをとったリックの素顔は、穏やかを通り越して頼りない位の美青年だが、パットンらの問に答えて、自らのことを語り出した。
リックはリーザスでのトーナメントで、1回戦で敗退した。
なのに、師であり養父でもある当時の赤の将軍は、リックの将来性を高く評価していたそうだ。
そしてリックは、数年後には世界最強の剣士となった・・・
■第4章
秘密兵器の保管場所についたが、完璧に防御システムが作動しており、近づくと強烈な電撃が飛んでくる。
しかも防御システムの解除システムが、故障していると、フリークがいうのだ。
これでは近づけない。
そこでクルックーが迷案を出した。
体力のあるパットンが猪突猛進、ダメージを喰らったらクルクルの回復魔法、その繰り返しで防御システムに接近、破壊する、という神風とっこーちゃん、パットンバージョンである。
ところが・・・
パットンがぱっとんとっこーする前に、黄金の鎧に身を包んだ男が、防御装置に近づいて行く。
電撃は激しいが、その男は一向にダメージを受ける様子はない。
そして防御装置を破壊したのである。
その男の名はピッテン・チャオ、ハランチョ王国の王の兄で、かつ将軍である。
彼も又パットンの応援に来たのだ。
しかし、ランスはピッテンが気に入らない。
理由は簡単明瞭で、ランスよりイケメンだから、ということにつきる。
こんなイケメンに入られたら、ランスはかすんでしまう。
で、気に入らんというわけである。
フリークの秘密兵器とは、不要菜、いや浮要塞である。
空とぶ要塞ではなく、地面からは精々3メートル程浮き上がるだけで、速度も人が走る程度だが、多数の人間と装備を乗せて移動できる、画期的な兵器であることは間違いない。
一方ステッセルは、数百年の眠りから闘将パステトを呼び覚ます。
身長は3メートルの鉄の塊で、魔法も効かないという、闘いのための将である。
ランス9 ヘルマン革命 その3へ続く