御神楽少女探偵団その10
--------------------------------
夢男後編にてどす黒い人間関係に閉口しつつ、捜査を進めている所からである。
■第三話『夢男』後編 捜査編1
令息室で多岐川刑事と話すと、彼も真相の究明を望んでいるようだ。
財部にぺこぺこしていたのは、その方が話が進みそうだから、という理由かららしい。
死因は絞殺で、背中の傷は死後のものということだ。
弥生子が重光に持って行ったおにぎりは、三つとも手付かずだった。
さらには、倉賀が届けたという酒饅頭は、包み紙すら残されていない。
酒饅頭はどこに消えたのだろう?
■捜査編2
管理人の安倍に話を聞くと、住職の言う山林を奪われたのは安倍のこととわかった。
塚原浄光寺では蔵賀のアリバイを聞くことができた。
それによると彼は、小弥太と一緒に別宅に戻って十二時までいたそうだ。
住職は、光太郎はこの寺の境内で生まれたのだという。
しかも芙美子は初産ではなく、蔵賀との間に二人の子があったそうだ。
つまり、蔵賀のみならず、二人の子どもも捨てて、財部の妻となったのである。
石段で長田と出会い、鍵のことを聞くと、重光の部屋の鍵は誰でも保管場所から持ち出すことが出来たが、八時過ぎには鍵は間違いなく保管場所にあったというのだ。
天子は「どいつもこいつも、なんであんな女がいいって言うのかわからない」と、苛々した口調で言う。
小弥太が芙美子に惹かれているので、心穏やかではないのだろう。
倉賀に再度聞くと、息子の一人は一座で子役を務めているそうで、左門という子役を紹介してくれた。
尚、もう一人の息子は五年前に結核で他界したとのことである。
■捜査編3
長田定吉に暗室と重光の部屋の行き来はできるのか聞いてみると、直接の行き来はできず、鍵は重光のもの一つだけだったそうだ。
弥生子にも一応アリバイ確認をすると、彼女は昨晩は小学校教師の下宿に泊まっていたという。
衝撃の告白に衝撃の蘭丸君(蘭子ちゃんに非ず)。
どうやら小さなナイトのつもりでいたらしい。
弥生子の重光に対する優しさは、愛情ではなく同情から来るものだったようだ。
別宅の客間で小弥太を見かけたが、彼は逃げるように走り去ってしまった。
その部屋に残されたのはオペラグラス・・・
そのオペラグラスで小弥太の見ていた方角を見ると、本宅・和館のあたりに、軒先に釣り下げられた文鳥のかごが見える。
これは小弥太と芙美子の逢い引きの合図らしい。
そうこうする内に、ようやく時人がやってきた。
■捜査編4
その夜、芙美子と小弥太の逢い引き・・・
小弥太は甘い言葉を囁きながら芙美子を抱こうとすると、背負い投げ一本!
その「芙美子」は仮装をした滋乃だったのだ。
多岐川刑事に重光の遺品を見せて貰ったが、部屋の鍵とタンスの鍵しかない。
鍵はこれで全部だそうだ。
はて、暗室の鍵はどこに?
石段で、長田定吉が何者かと言い争いながら、隠居所の方へ歩いて行くのを見かけた。
隠居所の千代の部屋に入ると、長田と電気屋がいる。
そして、数日前に定吉は、千代の部屋のシャンデリアを修理するよう、その電気屋に依頼したそうだ。
しかし、その電気屋は、その時修理に人をよこした覚えは無い、というのである。
そして、長田はその電気屋がシャンデリアの修理に来たのは、千代が死んだ日の昼だったことを思い出した。
倉賀に酒饅頭について聞くと、饅頭は間違いなく重光の部屋で渡したという。
ただ、饅頭を渡した後すぐ扉を閉められてしまったので、それが本当に重光だったのかどうかはわからない、とも言うのである。
その時には、写真機の手入れをしている時には邪魔をするな、と叱られたそうだ。
重光は、当日は「写真機の組み立てをする」と言っていたが?
そこへ時人が戻ってきたが、巴の話を聞くと、それで犯人もトリックも全てわかったと言うのである。
御神楽少女探偵団その11へ続く