御神楽少女探偵団その28
--------------------------------
生き人形後編で捜査中の所からである。
■生き人形後編 捜査編2続き
舞踏会場で吉和泉佳世に、内倉貴子のことを聞くと、そのような個人の情報は話せないと断れた。
会員になるには、既存の会員の紹介によってのみ、新たな会員になることが出来るそうである。
つまり、内倉貴子が仮面舞踏会の会場を知っていたのは、あの不良三人娘の紹介だったということだろう。
そして、その三人を紹介したのは、吉和泉が日頃から世話になっている人物らしい。
岸辺音楽院の女子寮で、内倉貴子と話すと確かにフーテン三人組から誘われたそうだ。
しかしそれは断ったとのことで、他の人物に舞踏会を紹介されたそうだが、それは言えないとのことだった。
そしてその代わりにと、楽譜をくれた。
事務局の女性に三井のことを聞くと、物凄い美人だという噂だが、事務局の人間ですら一人も彼女の顔を見た事がないそうである。
これもまた妙な話ではある。
■生き人形後編 捜査編3
事務所に戻ると美和が表れ、時人が蘭丸を発見したと伝えられた。
あっと驚く巴ちゃん!
そこへ時人と蘭丸が現れた。
ご心配をかけてすみませんと神妙な蘭丸。
時人は蘭丸発見は連絡するのを忘れていたと、いつもの調子である。
蘭丸は、国井家の地下に閉じ込められていたそうだ。
時人は、真犯人と大輔は、それぞれ別の目的を持ちながら協力していたのではないか、と、自分の推理を話す。
大輔は時人に復讐することが目的、真犯人は理由は不明だが、女子寮15号室の4人を殺すことが目的ということである。
真犯人の目的は、事務所のスタッフとは別の所にあったのである。
そして母親の志保美によく似た千鶴が、ひとりで大輔と話すことになった。
千鶴が病院に行くと、大輔は完全に回復し退院するところだった。
大輔は千鶴にこれまでのことを詫び、事務所の人たちにも謝りたいというのである。
大城家には、既に巴と滋乃が到着していて、時江と話し込んでいた。
千鶴と大輔は大城家の2階にある書斎に入ろうとするが、鍵がかかっていて入れない。
すると大輔はちょっと待ってと言って階下に降りていった。
待つ程もなく扉が開いて、大輔が千鶴を招き入れる。
書斎の下は大輔の部屋なので、ロープを使って1階から書斎の窓に登り、鍵を開けたのだった。
そこの書斎に立ち込める古い本の匂いが、病院に現れた本を抱えた幽霊志保美の匂いと同じだと大輔は言うのだ。
しかし、千鶴が大輔に聞くと、志保美は写真機一筋で本には興味が無かったとのことである。
書斎の右の本棚には、英語の辞典がある。
岸辺音楽院で事務局の女性に聞くと、生徒は三井の事を「アードゥア」と呼んでいたそうだ。
河村須美子にその意味を聞くと、アードゥアとはシャープが3つついた、「イ長調」のことだと教えてくれた。
三つの♯、つまり「三井」である。
女子寮に入り、貴子はいないので窓を調べると、学長室の中には学長ともう一人、黒い光沢を放つシゾール素材の帽子をかぶった女性が見えた。
よく見ようと千鶴が身を乗り出すと、「見てはだめっ!」と声がかかった。
内倉貴子が戻ってきていたのだ。
そして「不正入試や単位の売買・・・この学院の裏ではそんな事が横行してるんです!」と言う。
殺された三人は成績が良くなかったのだが、そんな三人に三井が単位の売買を持ちかけている場面を、貴子は目撃していたそうだ。
貴子は三人は舞踏会会場で単位の売買を他の参加者に喋ってしまい、そのために三井に殺されたのではないかと言う。
千鶴は、舞踏会場で美和の仮面を被って死んだ女性は、貴子の身代わりに死んだのではなく、三人から単位の売買を聞いていたために殺されたのだ、と推理したのである。
浅草署で諸星警部にその後の進展を聞くと、今の所は特にないとのことだ。
しかし、裏社会では生き人形仮面は変装用としてよく使われているそうである。
2年前の事件でも、葉山紀夫が使っていたとのことだ。
栗山刑事は国井の家は、迷路のように入り組んだ作りになっていたと言う。
刑務所では葉山紀夫に話を聞いてみた。
暢は紀夫に跡を継がせたかったらしく、彼が志保美と結婚する為に家を出たことには激怒して怒鳴りまくったそうだ。
ただ、紀夫は秘書の三井という人物については何も知らないと言う。
事務所に戻り蘭丸の自室へ入ると、蘭丸はすっかり回復したようだ。
大輔が時人を殺そうと決意したのは、志保美が死んだ翌朝、彼を迎えに来たという偽志保美に、「お父さんの敵を取りましょう」と何度も言われて、ついその気になったそうだ。
その偽志保美は、笑いもせず泣きもせず、無表情だったそうだ。
これは、真犯人は生き人形仮面を被っていたということになるのだろう。
その後、千鶴は大輔を大城家に送り届けるのだが、巴と滋乃、時江、千賀子がソファーで眠りこんでいた。
幸い毒などではなくて睡眠薬らしく、暫くすると皆起き上がってきた。
巴など「ああ! よくねたぁ!」と、相変わらず能天気そのものの反応だったのである。
千鶴は四人を病院に連れて行き、大したことは無いとの診断を受けた後、事務所に戻った。
御神楽少女探偵団その29へ続く
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます