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電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形交響楽団第281回定期演奏会でヴァンハル、モーツァルト、 ブロウセック、ドヴォルザークを聴く

2019年12月16日 06時05分54秒 | -オーケストラ
師走も半分まで来た15日、山形交響楽団第281回定期演奏会にでかけました。早めに出かけたはずがお目当ての駐車場はもう満車で、少し離れた別のパーキングへ。駅周辺のパーキング事情はさらに競争が激化している模様です。とりあえず、ロビーコンサートには間に合い、金管五重奏によるルロイ・アンダーソン「クリスマス・フェスティヴァル」を聴きました。

Tp:井上直樹、松岡恒介、Hrn:梅島洸立、関谷智洋、Tb:太田涼平、篠崎唯、髙橋智広、Tuba:久保和憲


「もろびとこぞりて」に始まり、「ジングルベル」や「きよしこの夜」「神の御子は今宵しも」などを含むクリスマスソング集。中には「メサイア」の「Trumpet shall sound」あたりが響いていたところもあったみたい。気分は早くもクリスマスです。
そうそう、演奏に続く西濱事務局長の話で、山響の「モーツァルト交響曲全集」に追加盤が出たそうで、交響曲第40番のクラリネットの入った稿を含むCDを、会場で先行発売するとのこと。これはぜひ購入しなければと、脳味噌にしっかりインプット。

さて、本日のプログラムは、

  1. ヴァンハル/交響曲 ニ短調 Bryan D1
  2. モーツァルト/ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K.417
  3. オンジェイ・ブロウセック/ラ・プティット・ジョワ(小さな喜び) (山響委嘱新作・世界初演)
  4. ドヴォルザーク/交響曲 第8番 ト長調 作品88
     指揮・Hrn:ラデク・バボラーク、ピアノ:菊池洋子、演奏:山形交響楽団

というものです。

第1曲め、ヨハン・バプティスト・ヴァンハルは、1739年にボヘミアに生まれ、ウィーンで活動し、1813年に没していますので、チェコゆかりのウィーン古典派の作曲家と言えます。楽器編成と配置は、ステージ左から第1ヴァイオリン(8)、第2ヴァイオリン(7)、ヴィオラ(5)、チェロ(5)、その右端にコントラバス(3)、中央奥にフルート(2)、オーボエ(2)、右奥にホルン(4)となります。第1楽章:アレグロ。どこか切迫した焦燥感を感じさせるような音楽です。第2楽章:アンダンテ、アリオーソ。優雅でのどかな音楽です。第3楽章:メヌエット〜トリオ。短調で始まり、途中の明るい中間部をはさみ、再び短調に戻って終わります。第4楽章:プレスト。速いテンポで、激しさのある音楽です。うーむ、初めて聴く作曲家、音楽です。モーツァルトやハイドンと同時代。没年が1813年といえば、ベートーヴェンもすでにデビューしていた頃だったことでしょう。

第2曲、バボラークさんのホルン独奏とともに、モーツァルトのホルン協奏曲第2番です。楽器編成は、独奏ホルンに加えて Hrn(2)、Ob(2)、8-7-5-5-3 の弦楽5部。第1楽章:アレグロ、第2楽章:アンダンテ、第3楽章:ロンドの三楽章形式です。冗談好きなモーツァルトが、年上の友人であるホルン奏者ロイトゲープに、「とんまで間抜けでバカのロイトゲープを憐れんで」と自筆譜に書き残したというエピソードはこの曲らしい。なんとなくユーモラスな曲想が頻出するのはそのせいかも。バボラークさんの素晴らしい演奏には、とてもそんな冗談は言えそうにないのですが(^o^)/

第3曲め、ブロウセックの新作、山響からの委嘱作品の世界初演となります。これが良かった〜! 「小さな喜び」と題した作品は、作曲者自身の説明によれば、1920年代のパリを想定し、無調音楽と十二音技法に疲れた耳に、フランス六人組がユーモアや日常生活の感動を取り入れたように、マルティヌーの故郷から七人目のメンバーとして書いたものだそうです。実際、Fl(Picc持ち替え)、Ob、Cl(2:BassCl持ち替え)、Fg、Hrn(2)、Tp、Tb、Timp、Perc(トライアングル、シンバル、グロッケンシュピール、タンバリン、シロフォン、スネアドラム、クラベス)、Harp、Pf に弦5部という多彩な編成ですが響きが混濁することはなく、フランス音楽風の透明な響きを堪能しました。

ここで前半が終わり、15分の休憩です。さっそくロビーに移動、西濱事務局長の話していた山響「モーツァルト交響曲全集」追加盤を購入しました。



4曲め、ドヴォルザークの交響曲第8番です。これまで、どちらかといえば快速系の演奏を好んで聴いてきましたので、バボラークさんの表現が実に印象的でした。一言で表せば「気宇の大きな演奏表現」とでも言いましょうか。特に第2楽章は充分にテンポを落として、大きな音、強い音で壮大さを表すのではなく、例えばじっくりと聴かせるクラリネットのppにおいて、気宇の大きな表現がすごかった。久々に、違うタイプの「ドヴォルザークの8番」を聴きました。楽器編成や作曲者による楽章ごとの指示などは省略して一言だけ言えば、「良かった〜」これに尽きます。

そうそう、今回の演奏会は東北電力の協賛を得ているとのこと、こういう応援は嬉しいことです。以前のように、山響だけでなく東北のオーケストラを積極的に応援していってほしいものです。

日曜のマチネとは言え、終演後はすでにとっぷりと暗く、車中で山響による全集CDから、モーツァルトの「ジュピター」交響曲を聴きながら帰りました。こういう精神的な贅沢を、できるだけ長く楽しみたいものだと思いながら。

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山響定期会員の年会費を振り込む

2019年12月15日 06時01分00秒 | 季節と行事
13日の金曜日という縁起でもない日に(^o^)/、所用があり、某市役所に行ったついでに某銀行に立ち寄り、山響こと山形交響楽団の定期会員の年会費を振り込んで来ました。来年度から1,000円の値上げとはいえ、年額22,000円也。これで毎回チケット購入の手間が要らず、年間の定期演奏会をぜんぶ聴けるのですから、たいへんお得でありがたい制度です。

もう一つ、ATMではできない振り込みを窓口で手続きしましたが、ATM以外で振り込むのは数年ぶりくらいじゃなかろうか? たぶん、自宅のリビング等リフォーム工事のとき以来かも? ガチャガチャした機械が相手じゃなくて、妙齢の女性が親切に対応してくれるのはたいへんありがたい貴重な機会です(^o^)/

さて、本日15日の日曜日は、山響第281回定期演奏会の予定。プログラムは、

ヴァンハル/交響曲 ニ短調 Bryan D1
モーツァルト/ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K.417
オンジェイ・ブロウセック/ラ・プティット・ジョワ(小さな喜び) (山響委嘱新作・世界初演)
ドヴォルザーク/交響曲 第8番 ト長調 作品88
 指揮・Hrn:ラデク・バボラーク、ピアノ:菊池洋子、演奏:山形交響楽団

となっています。楽しみです。


フン! アタシは暖かいところで丸くなってるほうがいいわ!
この寒い中、出かけていく人の気がしれないワ!
ちゃんとエサを置いていってね!

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白地図があるなら白地球儀はあるか?あった!

2019年12月14日 06時03分49秒 | 手帳文具書斎
プレートテクトニクスの解説を読んでいて、ふと気になる事実がありました。日本列島、とくに東北地方の太平洋岸に、太平洋プレートが沈み込み、これが地震の発生の理由になっていることはわかりましたが、日本海側の地震の理由としては不適当でしょう。では、どんな説明がなされているかというと、ユーラシア・プレートと北米プレートの境界で起こる地震とのこと。

ん? 北米プレートが日本海に? 東北・北海道は北米プレート上にある?

ふだんメルカトル図法の地図を見慣れており、太平洋の向こうに北米大陸があるという思い込みがありますので、太平洋プレートの西側に北米プレートがあるというところがどうしても違和感があります。

東日本大震災の記憶が強烈なため、今まで東北地方の太平洋岸だけを意識していて曖昧になっていましたが、北米プレートはどのような分布になっているのだろう? 調べてみると(*1)、どうも大陸とサハリンの間、間宮海峡は北米プレートとユーラシア・プレートの境界になっているみたい。たしかに、日本海に北米プレートの西端が来ているようです。ふーむ、メルカトル図法の地図を見慣れているせいで、アラスカと日本海がずいぶん離れていると思っていましたが、地球儀で見ると、けっこう近いのですね。

これは、白地図ならぬ白地球儀にプレートのおおよその形を描いて眺めてみるのが良いのではなかろうか。そもそも白地球儀って、あるのだろうか? 売っているのだろうか?

困ったときの Google 頼みです。調べてみたら、某密林で売っているようです。さっそくポチッとしてしまいました。いや、こういうものは行きつけの書店や文具店で入手できるわけではありませんので、そんなときは通販に頼ります(^o^)/

で、過日、依頼の品が届いたところです。

(*1):日本海東縁変動帯〜Wikipediの解説

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プラチナ#3776ブルゴーニュに古典BBインクを補給〜今年の実績は

2019年12月13日 06時03分25秒 | 手帳文具書斎
もっぱら手帳用に愛用している細字の万年筆、プラチナ#3776ブルゴーニュ(F)のインクが切れましたので、同社の古典ブルーブラック(BB)インクを補給しました。何度も書いていますが、このインクはたいていのノート、用紙で裏抜けせず、たいへん優秀な特性を持つものです。酸性のため弱い金属だと腐食するとか、放置すると詰まりやすいとか、色々な理由で最近は敬遠されがちですが、私自身は多くのノートや紙で裏抜けしにくい汎用性を高く評価し、メインのインクとして採用しています。




備忘録ノートの方は、くっきりハッキリ見やすい中字の万年筆を中心に使っていますが、手帳用には限られたスペースに多くの情報を書き込まなければいけないため、細字の万年筆を用いています。

記録によれば、前回のインク補給は9月上旬ですので、おおよそ3ヶ月ぶりです。ついでに同じ細字のプレジール(0.3)のインク残量を調べてみたら、やはりインク切れに近い状態で、インクが酸化されてずいぶん黒っぽくなっていました。こちらはカートリッジにスポイトで補給するという荒業を敢行! おかげで少々指が汚れましたが、これでしばらくは大丈夫でしょう。プラチナのコンバータを追加購入しておかなければ。



細字よりも中字や太字のほうがインクを多く消費するのは確かですが、今年のインク補給のペースから、各ペンの使用頻度がだいたい把握できます。



それによれば、

  1. TWSBI VacMini(M) 途中で「紺碧」から Pilot BB に変更した。計6回
  2. プロシオンと白軸カクノ(M) プラチナ古典BB 各5回
  3. カスタム・グランディ(M) 「紺碧」 4回
  4. ブルゴーニュ(F)、プレジール(M) プラチナ古典BB 各3回
  5. TWSBI ダイヤモンド580AL(M):モンブラン・ロイヤルブルー、モンブラン・マイスターシュテュック149(M):プラチナ古典BB 各2回

というような傾向になっています。本当は、VacMini で古典BBが使えれば良かったのですが、ペンの内部でインクの色が薄くなるという問題があり、使用するインクを変更せざるを得なかったのでした。
カヴェコのクリップを付けた白軸カクノが意外に健闘しています。CON-70 を付けてインク容量を多くしたのが良かったのかな?
マイスターシュテュック149は、中字(M)とはいうものの、線幅が太すぎてタイトル行の強調表示くらいの利用になってしまいます。それでも、乾きもせずすぐ書き出せるのは立派なものです。
ダイヤモンド580ALは、本来はもっと利用頻度が多いのですが、プランジャー式のVacMini のギミックに一時的に座を譲った感じです。

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イオンでお買い物ついでにノートとボールペンの新顔を試してみる

2019年12月12日 06時03分49秒 | 手帳文具書斎
日曜の午後、妻と買物にでかけました。手っ取り早く色々と買物を済ませるには、大型のスーパー、ショッピングモールが便利と、今回は最寄りのイオンへ。食料品や猫エサなどを買い込んだ後、文具コーナーを眺めました。目についた中から試しに購入したのが、次の二点。

  • トップバリュー・ブランドのB6判ダブルリングノート、A罫7mm、22行、80枚
  • ゼブラのボールペン「ブレン」、黒、0.7mm

帰宅してから、早速ノートを取り出し、恒例の裏抜け・裏写りテストを実施してみました。プラチナ古典ブルーブラックやモンブランのロイヤルブルーで裏抜けしないのはもちろんですが、裏抜けの常連であるパイロットのブルーブラックや色彩雫「紺碧」でも裏抜けしないようです。プライベート・ブランドといってもあなどれない、なかなか優秀な紙質のようです。



今年の「Bun2大賞」を受賞したゼブラのボールペン「ブレン」は、デザインが瀟洒なだけでなく、なるほど確かに余計なブレや振動が抑えられているようで、「制振ボールペン」みたいなものかもしれません。書きやすさの要素の一つにインクの粘度でない提案をして、認められ、受け入れられた一年だった、ということでしょう。
もう一つ、「ブレン」で好ましいと感じた点は、軸の太さと形です。握りの部分がそこだけ妙に細くなっていたりする製品もありますが、私の感覚ではある程度の太さがあるほうが書きやすいものです。その点、「ブレン」は自然なテーパーを描き、握り部が太めであるところがポイントが高いです。初めて実際に使ってみて、好印象をもちました。

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ローストチキンのガラを使い、鶏ガラ卵スープを作る

2019年12月11日 06時02分15秒 | 料理住居衣服
某日、某所でローストチキンを食べる機会があり、もったいないので残った鶏ガラをもらってきました。せっかくですから、中華風鶏ガラ卵スープを作ろうという魂胆です。材料は、

  • 鶏ガラ 1羽分
  • ネギ  2〜3本 ぶつ切り
  • 卵   3個
  • 水   1,200mL
  • 片栗粉 大さじ2
  • 醤油、塩コショウ 適量



こんなところでしょうか。作り方は、

  1. 鍋に水と鶏ガラを入れて沸騰するまで火にかけ、浮かんでくるアクを取る。
  2. ネギを加えて1時間くらい煮る。

  3. スープができたら鶏ガラを取り出し、醤油小さじ1、塩、コショウで味を調える。

  4. 水溶き片栗粉を加えてとろみをつけた後、とき卵を回し入れて少し熱し、ふわふわになったら火を止めて供する。片栗粉ととき卵を入れる順番を間違えると悲惨なことになります(^o^)/



実際に作ってみたら、スープを煮込む時間が短かった割には美味しい鶏ガラ卵スープができました。あいにく出来上がりの写真を撮り忘れましたが、味は家族にも好評でしたので、今度は出来合いの鶏ガラスープの素を使い、冷凍したタケノコやシイタケなどを入れて、また作ってみたいと思います。

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ステーショナリーフリーマガジン『Bun2』2019年12月号を読む

2019年12月10日 06時01分15秒 | 手帳文具書斎
非常勤の勤務の帰りに行きつけの文具店に立ち寄り、A4判のケースファイルとボールペンの替え芯(Jetstreamの青、1.0mm)を購入してきました。ついでに、ステーショナリー・フリーマガジン『Bun2』の2019年12月号をもらってきました。通巻87号になる今号は、恒例の「読者が選んだベスト文具30」、いわゆる「Bun2大賞」の発表が目玉です。



今年の大賞はゼブラの「ブレン」で、第2位が同じくゼブラの「クリッカート」、第3位がぺんてるの「エナージェル・インフリー」となっています。奇しくも筆記具がメダルを独占するような形になっていますが、残念ながら当方はいずれも使ったことがありません。

裏抜けしにくいプラチナ古典ブルーブラック・インクを中心に万年筆を愛用し、ボールペンは加圧式で上向き筆記が可能なパワータンクか、滑らかインクで筆記音の少ないジェットストリームか、という固定した顔ぶれになっていますので、少々変化に乏しいとは感じています。これは、物は試しに、ブレンやインフリーなどを一本購入して使ってみなければ、と思い直したところです。

変わらないラインを保ちながら、時代や流行に少しは協調するところもないと、本当に取り残された独善的な存在になりかねないと反省しつつ、フリーマガジンを隅々まで読み終えました(^o^;)>poripori

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坪倉優介『ぼくらはみんな生きている』を読む

2019年12月09日 06時04分52秒 | -ノンフィクション
2001年に幻冬舎から刊行された単行本で、坪倉優介著『ぼくらはみんな生きている』を読みました。「18歳ですべての記憶を失くした青年の手記」と副題にあるように、高校を卒業し大学に入学したばかりの一年生のとき、乗っていたスクーターが停車中のトラックに激突して救急病院で一命を取り留めたものの、すべての記憶を失ってしまいます。おそらくは、記憶を保存する脳機能の一部に障碍が発生し、家も家族も自分の名前も、いや、寝ること、食べることなど身の回りのことも、すべて忘れて覚えていないという状態で、これは大変な事態です。水は冷たくお湯は温かいということもわかりませんので、冷たい水風呂に入り、お金の使い方もわからないため買物もできません。

それでも、家族の協力で一つ一つ覚えなおしていきますが、これは大変なストレスでしょう。夜、家を抜けだしたはいいものの、帰れなくなったりすることは何度もあったようで、同世代の仲間たちも、助けてくれる者もあれば、遠ざかるもの、邪魔にするものもあり。お母さんの無謀なほどの強い意思で大学に行き、一年留年はしましたが、染色の道を選び、職人としての修行が始まるあたりは、むしろ新鮮な、無垢な感覚がプラスしたのかもしれないとも思えます。

家庭が経済的にしっかりしていたことと、はじめは自宅から通える距離の大学だったことが、復学当初にはプラスにはたらいたようで、条件に恵まれていた面もあったろうと感じます。視力を失うこともたいへんなことですが、記憶を失うということも、大変な事態だということがよくわかりました。ただただ運が良かったねと言うしかありません。



我が家では、私自身が高校生の時に交通事故(ぶつけられる方)に遭い、また親戚にやはりスクーターでダンプに追突して全身麻痺となり、新婚の奥さんも去り、その後、長く療養生活をおくった人がいましたので、結局オートバイには見向きもせずに今に至りました。モトクロスやモータースポーツの楽しさも理解はできますが、長く続いた家庭の不幸を思うと、「起こる可能性のあることは起こる」、「起こってほしくない事態は、最悪のタイミングで起こる」というマーフィーの法則のほうを信じたくなります。もっとも、剣岳で岩登りの訓練中に宙吊りになった経験もあり、人畜無害、危険回避の姿勢で一貫していたわけではないのですが(^o^;)>poripori

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チャップリンの映画「街の灯」を観て昔の記憶違いを知る

2019年12月08日 06時01分40秒 | 映画TVドラマ
DVDで、チャップリンの無声映画「街の灯」を観ました。学生時代以来、約半世紀ぶりです。あらためて、実に濃密な名作と感じました。あらすじは今さら説明も不要でしょうが、要するに浮浪者チャーリーが盲目の花売り娘と知り会い、やや人格破綻の金持ちの知遇を得て、娘のために一肌脱ごうと奮闘するドタバタ喜劇が、強盗と間違われて刑務所に入るはめになります。チャーリーが出所したところで、彼からもらったお金で貧困を脱し、手術で視力も回復した娘と再会する話です。

YouTube にあった音楽付き超ダイジェスト版で全編をおさらい;
街の灯 チャップリン/愛のテーマ ニューシネマパラダイス(サントラ完全版)


今回、あらためて感じたことをいくつか挙げてみると:

  • 若い娘が花を売っていると、チャーリーのように買ってくれる人もいるけれど、交代してくれたおばあさんには誰もふりむいてさえくれないという残酷な真実。うーむ、中高年になると、こういう短いシーンが突き刺さるようです。このへんが、「ライムライト」につながっていくのかな。
  • 刑務所から出てきたチャーリーが街を歩き、ショーウィンドウを眺めていたお店は、「Music Store」でした。チャップリンがまだ若く、貧困にあえいでいた頃の、楽器や楽器店への憧れを表しているシーンでしょうか。その後、チェロをたしなみ、音楽の才能を示したことなどから、つい、そんな想像をしてしまいます。
  • 最後の有名なシーン、「You ?」(チャーリーがうなずき)、「You can see now ?」「Yes, I can see now.」 これは、なんとも絶妙のシーンです。ペーソスがただよいます。そうだよね〜、人生って、こんな感じだよね〜、って(^o^;)>


学生時代にはじめてこの映画を観たときは、祖母が30代で失明し、全盲の困難な生活をおくる中で子供時代を過ごしましたので、絵空事と思えず感動した記憶があります。たぶんそのせいだと思いますが、花売り娘が手術後に目が見えるようになる場面で、モノクロの画面がカラーになるというシーンがあったような気がしたのでした。全編を見通しましたが、残念ながらそんなシーンはなく、おそらくは「そういう場面があったら良いのに」という願望が、そのような誤った記憶になって残ってしまったのでしょう。でも、ほんとに味がある、いい映画です。

最後はまた音楽で。マンドリン・オーケストラの演奏です。
映画「街の灯」よりラ・ヴィオレテラ (すみれの花売り娘) La Violetera : ホセ・パディーヤ・サンチェス José Padilla Sanchez


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ピアノ連弾でドヴォルザークの「スラブ舞曲集」を聴く

2019年12月07日 06時03分10秒 | -独奏曲
先週の後半、11月末から、以前に勤めたことのある職場に、病休者の助っ人に行っています。週三回、約一ヶ月、非常勤ですので気分的には楽ですが、以前は単身赴任した土地で、通勤時間はけっこうかかります。その分、通勤の音楽がたっぷり楽しめるという「恩恵」も(^o^)/

で、選んだのがドヴォルザークの「スラブ舞曲集」Op.46とOp.72の計16曲をピアノ連弾で演奏したCDです。演奏しているのはチェコのおしどり夫婦、ヴラスティミル・レイモクとヴィエラ・レイスコヴァの二人で、1972年、チェコのスプラフォン・スタジオで収録されたアナログ録音のようです。(COCO-73043)

作曲当時は、CDはもちろんレコードもないわけで、楽譜を入手してピアノ連弾という形で楽しむのが主流であったろうと思われます。家庭で、サロンで、少々腕に覚えのある二人が連弾で楽しむには、ちょうどよい曲集だったのでしょう。「ハンガリー舞曲」が大ヒットしたブラームスに紹介された出版社ジムロックから発売された楽譜は、たぶん、だいぶ売れたのではないかと思います。まだ若かった(36歳)ドヴォルザークにとっては、貴重な収入源となったことでしょう。

LPやCD等の恩恵を受けている現代の私にとっては、いささか事情が異なります。ふだんオーケストラで聴き慣れた音楽がピアノの連弾で奏されるとき、同じリズムと旋律であっても、ピアノの音色、響きですので、歯切れよく跳ねまわるような活発な音楽ですが、ふんわりとした柔らかさや華やかな色彩感には乏しくなります。特に、冒頭のフォルティッシモで始まる出だしの音が、言葉は悪いですが、少々違和感を感じました。オーケストラ版では全奏の充実した響きが感じられるのに、木琴を力任せにぶっ叩いたみたいな音で始まってしまいます。私の車のカーステレオのスピーカの限界かとも思えますが、どうも自宅のステレオ装置で聴いてもその傾向は否めないようで、スタジオ録音のせいもあるのかもしれないと思いつつ、もしかしたらピアノ連弾では表現しきれない、オーケストラの能力をもってはじめて表現できるふんわり柔らかで多彩な世界なのかなと思い至った次第です。

でも、曲が進むにつれて、耳に馴染んだ親しみ深い音楽(*1)に引きこまれていき、そうか、この曲はこういう要素を多彩な楽器に割り当てることで、あのような響き(*2)を実現しているのだなと、オーケストレーションの面白さに気付かされます。ドヴォルザークの「スラブ舞曲集」、やっぱりいいなあ!

(*1):ドヴォルザーク「スラブ舞曲」を聴く〜「電網郊外散歩道」2008年12月
(*2):例えばジョージ・セル指揮クリーヴランド管の録音で、第2集(Op.72)の第2番。YouTube より。
George Szell "Slavonic Dance op 72 No 2" Dvorak


第1集Op.42の旧録音(1956年)は、こんなふうです。YouTube より。
Dvořák: Slavonic Dances, Op.46; Szell & ClevelandO (1956) ドヴォルザーク スラヴ舞曲集第1集 セル


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老母もうすぐ93歳、来年の日記帳を購入する

2019年12月06日 06時03分31秒 | 季節と行事
先日、老母に頼まれて、来年(2020年)の日記帳を購入してきました。高橋書店の「横線当用新日記」というもので、もう何十年もこの製品を使い続けているようです。昨年末には、もう書き続けることはできないかとも思った(*1)けれど、今年ももうすぐ書き終えるようで、感慨深げです。現在満92歳、もうすぐ93歳になるのですが、同級生も少なくなり「どこまで書けるか」と言いながら、来年の日記帳にも挑戦しようと前向きな気持ちになっているようです。

(*1):老母、新しい日記帳を購入する〜「電網郊外散歩道」2018年12月
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手帳を一冊だけ使っていてもダブルブッキングをやらかすことはある

2019年12月05日 06時02分44秒 | 手帳文具書斎
スケジュールを一冊の手帳で管理し、他に書き込むことはしない、と決めていた若い頃に、それでもダブルブッキングをやらかしたことがあります。それは、手帳のマンスリーとウィークリーの使い分けがよくわかっていなかったからでした。

マンスリーには、あらかじめ決まっている年間の行事予定を書き込んでおきますが、あるとき、電話等で突発的に入ってきた用事をウィークリーに5W1H(*1)で細かく書き込んだのです。ところが、さらに突発で別の予定の打診が入り、マンスリーを見て空白なので何もないと考え、こんどはマンスリーに予定を書き込みながら、受諾してしまったのでした。後でウィークリーを見て真っ青になったのは言うまでもなく、見事なまでの典型的ダブルブッキングです(^o^)/

この事件は、なんとか事前に気がついて、各所に謝って調整してもらい、結果的には事なきを得たのですが、以後、マンスリーとウィークリーと両方を備えるタイプの手帳の場合は、どちらか一方だけを使うことに決め、使わないページがあるのは無駄だと考えてマンスリーだけの薄い手帳を使うようになり、どうせならとシステム手帳に移行するという経過を辿ったのでした。



現在は、システム手帳の重さと図体の大きさを敬遠して薄手の綴じ手帳を愛用するようになりましたが、綴じ手帳にあるマンスリーとウィークリー・ページの使い分けの基本を理解し習熟することはないまま、現在に至っています。

結局は、業務やスケジュールの密度等の内容に応じて手帳・ダイアリーの形式は決まる(*2)のであって、たんにデザインや好みで選ぶべきものではない、と感じた事件でした。若かったなあ…(^o^;)>poripori

(*1):ダイアリーと5W1H〜「電網郊外散歩道」2017年3月
(*2):形式は内容によって決まる〜「電網郊外散歩道」2013年9月

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映画「決算! 忠臣蔵」を観る

2019年12月04日 06時03分22秒 | 映画TVドラマ
月末の土曜の午後、買物がてら妻と一緒に映画を観て来ました。話題の『決算!忠臣蔵』です。もう師走、タイムリーな時節柄、しかし内容は仇討とは程遠いものです。女好きでお調子者で「でくのぼう」と名高い大石内蔵助、幼なじみの勘定方・矢頭長助の奮闘で赤穂城を明け渡し、主戦論者たちを抑えながら主君の一周忌を済ませますが、事態は「そんな馬鹿な!」の方向に転がり、ついに仇討ちを決意します。ですが、その頃には資金は底が見えてきていました。赤穂浪士の生活費、討ち入りの武具の費用など、一回限りのチャンスを活かさなければなりません。大高源吾のもたらした吉良の在宅日の情報は、予算内で決行できる、重要なものでした。



忠臣蔵といえば「情の世界」になるのが定番で、そこに予算や経理をもってきたところが新鮮です。むしろ、主知主義的すぎるほどにクールな視点を貫きます。根っからの経理マンから見ると、「忠臣蔵」はこんなふうに見えるのかも。ゲラゲラ笑うような場面はあまりなかったみたいで、むしろ呆れてしまう場面が多かったように思います。何時の時代も、威勢のいい主戦論者たちは、予算や経理なんぞを考えていないものなのかもしれません。

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山本一力『ジョン・マン』第7巻「邂逅編」を読む

2019年12月03日 06時02分47秒 | 読書
1849年8月、ジョン・マンが乗り組む捕鯨船フランクリン号は、太平洋におけるクジラ漁を終えて、インド洋から大西洋を越え、アメリカ合衆国東海岸、ニューベッドフォードに帰還します。デイヴィッド船長が精神を病み、死去してはいましたが、その後は大成果をあげての帰港でした。ジョン・マンは、新船長エーキンの下で一等航海士に昇進していました。船主組合で理事長らに報告をした後に、対岸のフェアヘブンに渡り、馬車でスコンチカットネックのホイットフィールド船長の家に戻ります。そこで、ハワイに残した土佐の難船仲間と共に日本に帰る決意をあらためて表明します。

帰国のための資金作りとして考えたのは、斜陽になりつつある捕鯨船ではなく、ゴールドラッシュにわく西海岸への片道航海の船に乗り組むことでした。軍隊経験のあるチャンスに射撃を教わり、拳銃とライフル、銃弾を購入、デイジーには丈夫なガンケースを縫ってもらいます。乗り組んだスティグリッツ号はついにサンフランシスコ湾に到着します。



ジョン・マンが日本に帰国したいという意思が固いことをしったホイットフィールド船長夫妻。心情としては行かせたくないけれど、あえて賛成せざるをえない、複雑な心境でしょう。まさに大恩人なのですね。

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コンビニでトイレ休憩したついでに

2019年12月02日 06時04分50秒 | 散歩外出ドライブ
用事があって車で出かけた際に、途中のコンビニでトイレ休憩を入れました。時間調整の意味もあり、コンビニ内をぐるっと回って、以前とは違う(*1)メモ帳を発見。今までは、横罫線か方眼のメモ帳が主でしたが、今回はチェックリスト形式のものです。



そんなもの、自分で行頭に□を書けばすむ話ではありますが、例えば買物の際のチェックリストとして使うのもありでしょう。コンビニの店主へ、トイレをお借りしたお礼の気持ちをこめて(^o^)、ポケット・メモ帳をお買い上げ。今年の手帳の罫線メモページを開き、並べてみるとこんな感じです。



もう雪の季節です。いつ降ってもおかしくない。田舎の雪道ノロノロ走行の休憩時には、コンビニの存在が本当にありがたいものです。人手不足の時代、加えてフランチャイズ料も相当の負担になるでしょうに、雪道にぽつんと灯りのともるコンビニ店に感謝しつつ、トイレ休憩のたびに何かしら買物をしてくるのです。

(*1):コンビニでトイレ休憩をして新しいメモ帳を購入する〜「電網郊外散歩道」2015年11月

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