電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

往年の名演奏と今の若い演奏家の録音とを楽しむことの意味

2013年01月09日 06時02分51秒 | クラシック音楽
すでにパブリック・ドメインとなった往年の名演奏を、PCオーディオで聴いていることが多くなりました。すると、かつてのドル箱スター演奏家のCDが売れなくなるわけですので、それではCD自体の販売も落ちて音楽産業が成り立たず、若い演奏家も困るのではないかと考えることがあります。かつてのドル箱スター演奏家ではずいぶん稼いだのでしょうから、それはいいけれど、これからの若手演奏家はぜひ応援したい。そのためにも、往年の名演奏とともに、地元のオーケストラの演奏会録音や、客演した若手演奏家のものを中心に、新しいCDをレギュラー価格で買い求め、応援するように心がけています。

こういう流儀は、別の面でも長所があります。すでにバブリックドメインとなったLP初期の時代には標準的であった演奏スタイルと、現代の演奏スタイルの違いを、明瞭に意識することになるからです。楽譜の版や音楽史的な研究成果も裏付けにあると思いますが、素人音楽愛好家にもわかりやすい違いが、ハッキリ感じ取れます。

また、無料のダウンロードとレギュラープライスの音盤の価格を平均すれば、激安輸入盤のお値段に近づきます。であれば、個人生活を維持できる範囲の支出に抑えながら、往年の名演奏はダウンロードで楽しみ、今の若い演奏家の録音はレギュラー盤を購入するというスタイルも、あってよいのではと思います。本来、著作権とはそういう趣旨であったはずです。

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