電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

夢は夢のままである方がよい面もある

2013年01月10日 06時04分23秒 | クラシック音楽
昔は、10号リールのかかるオープンデッキを用いて、年末に放送されるバイロイト音楽祭の「指環」四部作を全曲エアチェックする、というのが夢でした。モノクロ写真は、1971年の FM-fan に掲載された、Technics のオープンデッキです。それに対して、次のカラー写真の方は、1977年の別冊 FM-fan に掲載された Technics のオープンデッキ。



大型のオープンデッキは高価なものでしたし、10号リールが回る中でワーグナーの長大な楽劇に浸るというのは、学生時代には夢のまた夢、社会人になり結婚してからは、それどころではない生活(*1)を送ってきました。そうしているうちに、時代はオープンリールからカセット、さらにMDを経てハードディスクやシリコンディスクに記録するように変化してきています。

ところで、先年MDミニコンポを購入した際に、4倍速で長時間録音ができる(*2)ことを知り、その年の暮れに「指環」四部作の全曲録音を試みました。結局、予約録音機能をいかして、いとも簡単に全曲エアチェックができてしまったものの、その後一度も耳にしておりません(^o^;)>poripori

まとまった時間がとれない、気力が続かないなど、様々な理由はありますが、どうも「いとも簡単に実現してしまうと、今まですごい夢だと思っていたことが、実はたったこれだけの、大したことはないものだったのだ」と幻滅する気分も、若干混じっているようです。

そうなのです。実はMDにエアチェックした「指環」四部作よりも、ヴェルディやプッチーニなどのイタリアオペラをDVDで観る方がずっと「すごい」ことに気づいてしまっているのです。

うーむ。実は夢は夢のままであった方が良かったのかもしれないと思ってしまう今日この頃です(^o^;)>poripori

(*1):マーラー「交響曲第4番」を子守唄がわりにした子が~「電網郊外散歩道」2005年6月
(*2):ミニコンポを購入して一年。~「電網郊外散歩道」2009年7月
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