電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

機械翻訳に適した日本語の文は

2009年10月28日 06時01分39秒 | コンピュータ
1997年刊の高橋昭男著『仕事文の書き方』を読んでいる中で、コンピュータ翻訳に言及しているところが多くありました。もともと、この分野に興味を持っておりますので、日本語をコンピュータで英語にする機械翻訳の現状を試してみました。ネット上で使える機械翻訳のサイトとして、題材としたのは「excite翻訳(*)」です。

まず、『仕事文の書き方』で実例に挙げていた、「日曜日に父と庭石を動かした」です。これは、「庭石を動かす with 父」なのか「(父 and 庭石)を動かす」なのかが不明、というサンプルなのですが、この翻訳結果は、

The garden stone was moved with father on Sunday.

このように、and でないことはきちんと認識している模様。当然、「日曜日に父といっしょに、ゴミを裏庭で燃やした」は、

Garbage was burnt with father in the backyard on Sunday.

となります。これも、「父 and ゴミ」を燃やしたわけではありません。

むしろ、単純で英語として自然なのは、I で始まる文でしょう。もとの文に「私は」を入れるだけで、翻訳結果はがらりと変わります。

私は、日曜日に父と庭石を動かした。
I moved the garden stone with father on Sunday.

私は、日曜日に父とゴミを裏庭で燃やした。
I burnt garbage with father in the backyard on Sunday.

ご覧のとおり、機械翻訳で関係が明確にわかる文にするためには、いわゆる「主語」となるものを明確にすることが大切であることがわかります。それと、直接話法で、いわゆる英語直訳ふうの単文にすること、などがコツかもしれません。

ためしに、当方の記事から、こうした配慮をまったくしていない、少し長めの文を試してみます。「excite翻訳」です。

あいにく朝から雨降りとなった連休最終日、村山市の東沢バラ公園で、山形弦楽四重奏団の演奏会を聴きました。
Unfortunately, it listened to the concert of the Yamagata string quartet group in the east swamp rose park in the Murayama city on the final day on consecutive holidays that became rainy in the morning.

あいにく朝から雨降りとなった連休最終日、「私は」村山市の東沢バラ公園で、山形弦楽四重奏団の演奏会を聴きました。
Unfortunately, I listened to the concert of the Yamagata string quartet group in the east swamp rose park in the Murayama city on the final day on consecutive holidays that became rainy in the morning.

連休の最終日は、あいにくの雨降りとなりました。私は、村山市の東沢にあるバラ公園で、山形弦楽四重奏団の演奏会を聴きました。
The final day of consecutive holidays became unfortunate rainy. I listened to the concert of the Yamagata string quartet group in the rose park in the east swamp in the Murayama city.

前二つは、演奏会を聴いたことが Unfortunately みたいですけれど、これは文末にでも移動すればよいのかな。最後の、単文に分解したものは、比較的もとの意味がわかりやすいものになっています。

ちなみに、もとの文章は Google の自動翻訳では、

Wet from the morning was the last day of holidays Unfortunately, in the park in the city rose Sawa Azuma Murayama, I listened to a concert of string quartet Yamagata.

となります。辞書に市町村の地名がきちんと登録されている分だけ、excite翻訳のほうが地名などの事実関係はわかりやすいかも。

現状を見ると、コンピュータ翻訳はかなり進歩しているようです。自然な英文になるよう、日本語の言い回しを工夫することで、コンピュータ機械翻訳は下作業に使えるレベルまで来ているのかもしれません。もちろん、最後は人間の目で確認する必要がありますが、最近の進歩を知る意味では、たいへん興味深いものです。

(*):「excite翻訳」の日英変換サイト
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