電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

『こちら北国、山の中』を読む

2007年07月29日 05時40分37秒 | 読書
人気ブログ「農家の嫁の事件簿(*)」を初めて訪れたのはいつだったでしょうか。たしか、@niftyに移行する前の、2005~6年頃だと思います。ほのぼのとしたイラスト中心の内容で、当時すでに大変な人気でした。
このブログ記事がもとになり、『こちら北国、山の中』(三上亜希子著、小学館)という本になって出版されていることは知っていましたが、実際に書店で実物を手に取って見たのはごく最近のことです。実は、イラスト中に時折かいま見える誤字脱字がほほえましく、本書の前書きや著者略歴を読むまで、まさか「筑波大学大学院環境科学研究科修了」などという経歴の才媛とは思ってもみませんでした(^_^;)>sumankotte

本書に掲載されているイラストは、ほのぼのムードで描かれていますが、実はけっこう大変なことばかりです。牛舎から逃げ出した巨大な成牛を目の前で見たら、ふつうの都会のお嬢さんは、たぶん夢に出てきてうなされるはず。生活に慣れて、ある程度客観的に楽しめるようになったから、ほほえましいイラストに描けるのだろうと思います。
岩手県岩泉町釡津田というところはどこか、地図で確認してみました。なるほど、たしかに山の中です。そういえば、同じく山の中にある、山形県尾花沢市の銀山温泉には藤ジニーさんという著名なお女将さんがいますが、彼女もダニエル・カールさんと同様、英語指導助手として来日し、蔵王でスキー指導をしてくれた藤屋旅館の若旦那と恋をして今の立場になったはず。アメリカ合衆国と日本の間と、埼玉県の都会と岩手県の山の中では、言葉も通じ食文化や生活習慣の共通点が多い分だけ、苦労も少ないと言えるとは思いますが、しかしえらいもんです。勇気ある決断、若いからできることかも。

(*):「農家の嫁の事件簿」
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