ギスギスした職場はなぜ変わらないのか たった一人からでも始められる「職場活性化」の方法 (Nanaブックス) 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2009-03-15 |
評価 (4点/5点満点)
昨年『不機嫌な職場』がベストセラーになったように、最近ギスギスした職場が増えていると感じている方も多いと思います。
本書は、勤務していたいすゞ自動車の風土改革の推進担当に自ら手を挙げるとともに、退職後はコンサルタントとして数多くの企業における風土改革の支援を行っている手塚利男さんが、個人レベルで職場改革を行うために必要なことを、可能な限り具体的に方法として記したものです。
ギスギスした職場の空気の正体は会社の風土にあり、以下の10個の原因と風土改革の7つのフレームワークを紹介しています。
この本の特徴は、「いすゞの風土改革の話をすると、全社員が一丸となってというイメージを抱く方が多いのですが、決してそうではありません。無理に全員を巻き込まず、やりたい人だけでやったことが結果的にはよかった」とあるように、たった一人の社員の働きかけで職場の雰囲気を変えることができるという主張です。
一社員では職場の空気を変えられないと端から諦めるのではなく、自分の小さな行動が職場ひいては全社に波及していく”快感”を味わってみましょう。
◎職場がギスギスした10の原因
1.成果主義の反動で、全社員みな競争相手
2.わかり合えない世代間ギャップ
3.仕事のスピード化・効率化で中間管理職が消失
4.ゴールの見えない競争を強いられる
5.一方的に通告するメールで、コミュニケーション不足
6.管理・人材育成のコスト削減で管理職不在に
7.目立つ人材ほど切られる大量リストラや人員施策
8.協力より自らのスキルを磨く「プロ化」が加速
9.変わる風土がないのに、強引に進めた過去の改革
10.仕組み作りが先行し、運用できていない
◎風土改革の7つのフレームワーク
1.「カベ」を低くする
2.「情報」の流れと中身を変える
3.人の「見方」を変える
4.思いをネットワークで「共有」する
5.やり取りの「方向」を変える
6.「制約条件」を疑ってみる
7.「個の主体性」を高める
【my pick-up】
・書類やお知らせは「配布」しない
書類やお知らせなど、社員に配布していたものを配るのをやめて、「お知らせ類はここに設置しておくので、各自で取りにいきましょう」というルールを作るのも一つの手です。
情報は自分で取りに行くものだという習慣が身につき、さらに自分から情報を発信することの重要性にも気づくようになります。
・プレゼンする人が資料を作る
「資料作りは部下の仕事。発表は上司」ということが当たり前になっている職場は多いものですが、私は悪しき慣習だと思っています。
不毛なやり取りや感情の行き違いを起こさないためにも、資料作りは自分でやる。パソコンの操作が苦手ならば、手書きでもいいのでたたき台を作ってから、部下に清書してもらえばいいのです。
・1日30分でも「ブラブラ社員」になってみる
kakiharaは、打合せの際は自分から相手の部署に行くようにしています。
ほかの部署の様子を肌で感じられるし、思わぬ情報を得られることも多々あります。