![]() |
部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~ 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2009-02-17 |
評価
(5点/5点満点)
著者は東レ経営研究所社長の佐々木常夫さん。本書は、課長時代に奥さんが肝硬変とうつ病で入退院を繰り返していたため、毎日6時には退社して家事の一切をやり、3人のお子さんを育てる必要に迫られた佐々木さん本人の経験がベースになっています。
そのときに、課員全員が基本的に定時に帰りながら、きちんと成果を上げることができる職場に変えていったそうです。
社員個々人のワーク・ライフ・バランスを実現するためには、マネジメントが極めて重要です。社員が必死で仕事を効率的に進めても、リーダーの段取りが悪ければ台無しになってしまいかねません。チームの仕事全体を戦略的・計画的にどう仕切ればよいのか、課長クラスの方に是非読んでもらいたい1冊です。
元トリンプ社長・吉越浩一郎さんと同じくらい共感できる部分が多かったです。
<my pick-up>
「長時間労働はプロ意識・羞恥心の欠如」
①労働基準法36条に規定されているいわゆる36協定で、残業は月45時間を超えてはならない。それを超えるにはそれ相応の理由と手続きがいる。労働に対する世の基準(法の遵守)に逆らう常識の欠如を認識しているか。
②仕事はコストと成果のバランスが常に求められる。生ずる成果に比べ多くのコストを投入する採算意識、バランス感覚の欠如を認識しているか。
③プロとは限られた時間の中で、いかに効率良く成果を出すかである。成り行きにまかせ、ただやみくもに時間をかけるのはプロのやることではない。
④多くの残業を続ける結果、自分の健康を損ねたり、大切な家族とのコミュニケーション不足というマイナスが生ずるリスクを考えない想像力の欠如を認識しているか。
⑤仕事以外の活動が、その人の人格形成に役立ち、幅広い仕事に繋がるはずなのに、そのことに目を向けない向上心の欠落を認識しているか。
⑥自ら所定の時間内では仕事ができないということを表明していることに、羞恥心の欠如を認識しているか。
⑦以上のような部下を目の前にしながら、注意もせず、仕事の指導もせず、相談にも乗らない管理職に責任意識の希薄さを感じる。