気ままな思いを

何気ない日々のこと 感想 思いなどを
綴る雑日記です 

「橋をかける」を再読して

2010-02-16 | 読書


皇后 美智子さまが1998年9月20日から、インドのニューデリーで
開かれた、国際児童図書評議会(IBBY)第26回世界大会において、
ビデオテープによって、上映された基調講演を収録したものです。


子供時代の読書の思い出

いま振り返って、私にとり、子供時代の読書とは、なんだったのでしょう。

何よりも、それは私に楽しみを与えてくれました。
そして、その後に来る、青年期の読書のための基礎を、作ってくれました。

それはある時には、私に根っこを与え、ある時には翼をくれました。

この根っこと翼は、私が外に、内に橋をかけ、自分の世界を少しずつ
広げて育っていくときに、大きな助けになってくれました。

読書は私に、悲しみや喜びにつき、思い巡らす機会を、与えたくれました。

本の中には、さまざまな悲しみが描かれており、私が、自分以外の人が
どれほどに深く物を感じ、どれだけ多く傷ついているかを、
気づかされたのは、本を読むことによってでした。

そして最後にもう一つ、本への感謝をこめつつ、つけ加えます。

読書は、人生の全てが決して単純でないことを、教えてくれました。

私たちは、複雑さに耐えて、生きていかなければならないということ。

人と人との関係においても、国と国との関係においても。


*** 文中より ***

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IBBYニューデリー大会の、皇后さまによる基調講演は、収録にあたって
きたNHKは、この段階でご講演の内容を惜しみ、国内でもこれを放送
出来ないものかと、宮内庁に許可を求め、ビデオは日本語版、英語版
ともに宮内庁を通じ、全テレビ局に渡されることになりました。

放映は大きな反響を呼び、是非書物で読みたいとの要望も多く、
ここにそのご講演を、出版いたします。


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読書によって、知り得ることは、沢山あります・・・・・。