曇り。
雨が上がったばかりの清々しさを感じています。少々冷えますけれども。
春先の雨は「甘雨」と言っていましたが、 今頃雨は、もう「梅雨の走り」なのでしょうか。それとも、俗に言う「卯の花腐し」なのでしょうか。少々遅きに失するかもしれませんが、まだ五月ですものね。「ウノハナ」もまだ咲いていることですし。
乾燥地帯で数年過ごしたせいか、日本の野草を見ると、ほっとします。特に雨が降ったあとの、繁りに茂っている様を見ると、なぜかいいなあと思ってしまいます。緑はどのような形であれ、心を穏やかにしてくれます。もっとも、ガーデニングをされている方から見ると、にっくき雑草めがと言うところなのでしょうけれども。
さて、学校です。
「Cクラス」です。一昨日は『みんなの日本語』、「第18課」の四回目でした。「13課」あたりから、まだ覚えられていない「動詞」が少なからずあります。「動詞」だけ、それと必要な「助詞」をつけての復習をしていきます。月曜日は、土日と休みが続きますから、どうしても復習に時間がかかってしまいます。一昨日もそうでした。本当はもう少しカードを減らしたかったのですけれども、無理でしたね。あと一日辛抱するしかありません。で、面倒でも二度繰り返してやっていきました。忘れていると言いましても、一度は覚えたのですから、ゼロからではありませんし。思い出す程度で済みますから。やはり継続は力なりです。
そして、火曜日。月曜日よりは楽でした。復習の「動詞カード」を少し削れました。「動詞」の数が多いと、持つのもしんどいし(私)、学生にしても言う(大きな声で言ってくれますから)のもしんどい。お互いに(カードを)減らせればそれに越したことはない。
これが終わると、すぐに「テ形」の確認をします。「テ形」はもう2週間ほどもやっていますから(「1グループ」は「五十音図表」を用いての確認程度にし)、すぐに「ナイ形」の復習に入ります。「Ⅲグループ」、「Ⅱグループ」、「1グループ」の順で、「~なければなりませんか」「いいえ、~なくてもいいです」を言っていきます。時々、不意打ちで「あります」とやると、これがなかなか。5回目くらいでしたでしょうか、やっと声がそろったのは。だれかが間違えるたびに、皆ニヤニヤ。言えた人も、「ヒヤッとした」表情ですから、まあ、相身互いというようなものでしょう。
それが終わると、「辞書形」を復習し、次に「タ形」に入ります。
面白いですね。留学生が多いクラスでは、「タ形」の練習に入ると、皆、ほっとした表情を見せていたものですが、このクラスでは、つぎの「り」付きがなかなかできない。「タ形」はどうにか言えても、「~たり」ができないのです。単に「り」付きだよが、通用しないのです。別物を見るような目つきで見ています。
頭を抱えている人が数人見受けられたので、いつものように、「はい、見てください。『二課』です。簡単ですねえ」とか、「はい、言ってください。『さむい』(と言うと、彼らが一緒に、『さむくない』、『さむかった』、『さむくなかった』『さむくて』と続けてくれます)。これも大変でしたね。でも、もう大丈夫。すごいですねえ」「『~たり』もすぐにできるようになりますから、大丈夫。毎日練習しますからね」
で、ごまかし、宥め、同じ動詞で、「~たり、~たりします」を作っていきます。やっと言えるようになったので(初めてやった文型は、たいていの場合、次の時間には消えています)、「B問題」の続きをやっていきます。
次に、「~たり、~たりしたいです」とか「~たり、~たりしなければなりません」とかが出てきた時、何人かの学生がヒソヒソと何事かを話しています。わずかに含まれている日本語から推測すると、「ああ、これか」みたいなようなのです。それ以外の学生も、どこか表情が違う。「~たい」とか「~なければならない」が出てきたので、旧友にでも会ったような感覚になったのかもしれません。
このクラスは、日本にもう10年くらい住んでいたけれども、日本語を学ぶ機会がなかったという人もいれば(…耳は肥えていますし、言いたいことを言えるだけの胆力もある)日本に来たばかりで、「ひらがな」も「カタカナ」も「それっ何」程度でここに来ている人もいる。
「単語・文法説明」書は英語で、と言っていても、『みんなの日本語』の文法説明(英語)も理解できなければ、単語の意味(英語)も、多分、あやふや。
いろいろな状態の人たちがいて、ともに助け合いながら、勉強を続けているので、時には、励まし、時には煽て…、つまり「鞭」はほとんど使わぬ、「飴」ばかりの「政策」で望まなければならぬことが多いのです。
ただ、このクラスには三人の留学生が含まれているということ。特に男子学生が二人いますから、「鞭」が必要なときには、彼らに振るうということにしています。二人とも、何を言われても、「困ったちゃん」の顔で、ニコニコ。眠いときは、「先生、立って授業を受けてもいいですか」くらいのもので、「鞭」を「鞭」とも思っていない様子。気を遣うのは、彼らにではなく、頑張って学校に通っている、年の長けた人たちの方なのです。
どちらにせよ、日本で暮らすからには、日本語は必要です。ここで、難しいと諦めてしまっては、元も子もなくなる。とにかく、ゆっくりでも(復習に三分の二くらいの時間を割いています)諦めずに、苦手意識を持たずに、勉強してくれたらと思っています。
日々是好日
雨が上がったばかりの清々しさを感じています。少々冷えますけれども。
春先の雨は「甘雨」と言っていましたが、 今頃雨は、もう「梅雨の走り」なのでしょうか。それとも、俗に言う「卯の花腐し」なのでしょうか。少々遅きに失するかもしれませんが、まだ五月ですものね。「ウノハナ」もまだ咲いていることですし。
乾燥地帯で数年過ごしたせいか、日本の野草を見ると、ほっとします。特に雨が降ったあとの、繁りに茂っている様を見ると、なぜかいいなあと思ってしまいます。緑はどのような形であれ、心を穏やかにしてくれます。もっとも、ガーデニングをされている方から見ると、にっくき雑草めがと言うところなのでしょうけれども。
さて、学校です。
「Cクラス」です。一昨日は『みんなの日本語』、「第18課」の四回目でした。「13課」あたりから、まだ覚えられていない「動詞」が少なからずあります。「動詞」だけ、それと必要な「助詞」をつけての復習をしていきます。月曜日は、土日と休みが続きますから、どうしても復習に時間がかかってしまいます。一昨日もそうでした。本当はもう少しカードを減らしたかったのですけれども、無理でしたね。あと一日辛抱するしかありません。で、面倒でも二度繰り返してやっていきました。忘れていると言いましても、一度は覚えたのですから、ゼロからではありませんし。思い出す程度で済みますから。やはり継続は力なりです。
そして、火曜日。月曜日よりは楽でした。復習の「動詞カード」を少し削れました。「動詞」の数が多いと、持つのもしんどいし(私)、学生にしても言う(大きな声で言ってくれますから)のもしんどい。お互いに(カードを)減らせればそれに越したことはない。
これが終わると、すぐに「テ形」の確認をします。「テ形」はもう2週間ほどもやっていますから(「1グループ」は「五十音図表」を用いての確認程度にし)、すぐに「ナイ形」の復習に入ります。「Ⅲグループ」、「Ⅱグループ」、「1グループ」の順で、「~なければなりませんか」「いいえ、~なくてもいいです」を言っていきます。時々、不意打ちで「あります」とやると、これがなかなか。5回目くらいでしたでしょうか、やっと声がそろったのは。だれかが間違えるたびに、皆ニヤニヤ。言えた人も、「ヒヤッとした」表情ですから、まあ、相身互いというようなものでしょう。
それが終わると、「辞書形」を復習し、次に「タ形」に入ります。
面白いですね。留学生が多いクラスでは、「タ形」の練習に入ると、皆、ほっとした表情を見せていたものですが、このクラスでは、つぎの「り」付きがなかなかできない。「タ形」はどうにか言えても、「~たり」ができないのです。単に「り」付きだよが、通用しないのです。別物を見るような目つきで見ています。
頭を抱えている人が数人見受けられたので、いつものように、「はい、見てください。『二課』です。簡単ですねえ」とか、「はい、言ってください。『さむい』(と言うと、彼らが一緒に、『さむくない』、『さむかった』、『さむくなかった』『さむくて』と続けてくれます)。これも大変でしたね。でも、もう大丈夫。すごいですねえ」「『~たり』もすぐにできるようになりますから、大丈夫。毎日練習しますからね」
で、ごまかし、宥め、同じ動詞で、「~たり、~たりします」を作っていきます。やっと言えるようになったので(初めてやった文型は、たいていの場合、次の時間には消えています)、「B問題」の続きをやっていきます。
次に、「~たり、~たりしたいです」とか「~たり、~たりしなければなりません」とかが出てきた時、何人かの学生がヒソヒソと何事かを話しています。わずかに含まれている日本語から推測すると、「ああ、これか」みたいなようなのです。それ以外の学生も、どこか表情が違う。「~たい」とか「~なければならない」が出てきたので、旧友にでも会ったような感覚になったのかもしれません。
このクラスは、日本にもう10年くらい住んでいたけれども、日本語を学ぶ機会がなかったという人もいれば(…耳は肥えていますし、言いたいことを言えるだけの胆力もある)日本に来たばかりで、「ひらがな」も「カタカナ」も「それっ何」程度でここに来ている人もいる。
「単語・文法説明」書は英語で、と言っていても、『みんなの日本語』の文法説明(英語)も理解できなければ、単語の意味(英語)も、多分、あやふや。
いろいろな状態の人たちがいて、ともに助け合いながら、勉強を続けているので、時には、励まし、時には煽て…、つまり「鞭」はほとんど使わぬ、「飴」ばかりの「政策」で望まなければならぬことが多いのです。
ただ、このクラスには三人の留学生が含まれているということ。特に男子学生が二人いますから、「鞭」が必要なときには、彼らに振るうということにしています。二人とも、何を言われても、「困ったちゃん」の顔で、ニコニコ。眠いときは、「先生、立って授業を受けてもいいですか」くらいのもので、「鞭」を「鞭」とも思っていない様子。気を遣うのは、彼らにではなく、頑張って学校に通っている、年の長けた人たちの方なのです。
どちらにせよ、日本で暮らすからには、日本語は必要です。ここで、難しいと諦めてしまっては、元も子もなくなる。とにかく、ゆっくりでも(復習に三分の二くらいの時間を割いています)諦めずに、苦手意識を持たずに、勉強してくれたらと思っています。
日々是好日