日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

近所の「しだれ桜」の先端に、幾輪かの花が…。

2024-03-26 08:38:19 | 日本語学校
曇り。…今は雨が降っています。

昨日まで、今朝は雨ということだったのに、曇りです。雨が降っていなかった…降っていると思って、ダラダラしていたのに、降っていなかった。窓を開けた時、愕然とした。…降っていない。慌てても、時すでに遅し。で、やはり連れて行ってもらうことに…。

昨日の帰り、学校近くのお宅の「枝垂れ桜」の枝の先っぽに、わずかながら、花が咲いているのを見かけ、東京の「開花宣言」はまだであるけれども、ここでは「桜の開花宣言」をしてもいいかなみたいな気分になりました。

桜が咲くと、どうしてこうも浮かれた気分になるのでしょう。これは年と共に深まってくるようで、子供の頃は桜が怖かったのにと不思議です。その頂点が、坂口安吾の『桜の森の満開の下』を読み終わった時。あれは怖かった。途中でなんとなく予想できたので、やめればよかった。でも、どこかしら怖いもの見たさ半分、結果がわからずにモヤモヤしているのはイヤだ半分で、読んでしまった。かなり後悔しましたけれども。

物心つく前なんて、「お墓」とか、「死者」とかもわからなくて、連れられていくままに霊園での花見なんてしていましたけれども、それがなんとなくわかるようになった頃、「花見」にどうして墓地へ来るのだろう(「花見」には食事や賑わいがつきものですから)と思うようになって、そこで桜のいろいろな話を聞き始め、桜に対する「畏怖」が起こった。それが不気味さにつながり、「花見」が怖くなった…。特に、夜見る桜はきれいを通り越した魔物めいたものが感じられたからでしょう。

さて、学校です。

昨日は「補講」中、いろいろなことがありました。一つ、卒業生の家族が来たこと。彼は自分でも言っていましたが、「もう二十年になる」。初期の真面目な学生のうちの一人。

彼らの国の事情とかもあまりわからなかった頃で、出過ぎた注意をしたりしていたのですが、それも過ぎ去ったこととして、子供連れで何度か来てくれています。上のお嬢さんはもう今年から高校生になるとか。しっかりした子で、小さい時から変わっていなかったですね。そして二つ下の弟君。彼も相変わらずで「我が道を行く」。まだ中学生ですから仕方が無いか。

で、休み時間に、卒業生二人と四方山話をしたあと、下のスリランカの学生が二人いるからと学生達と話してもらうべく、家族四人を下の教室に連れて行きます。

留学生とは言いながら、来てしまってから、どうしたらいいか迷う人が多いのです。特に大卒者であると、迷うようですね。来日直後は、勉強に、アルバイトにと忙しくそれどころではないのですが、半年が過ぎ、日本での生活に慣れた頃から、どうしようとなるようです。例えば、ただ車が好きで、「専門学校へ行って技術を身につける」だけでは収まらない自分がある。とはいえ、日本語においても、その他の知識においても、日本でやっていけるかというと、それは心許ない。じゃあ、どうすればいいのか…となるらしい。

高卒者であれば、車が好きだから、専門学校に行って…と簡単に決められるものを…。

その、大人同士の話を、日本で生まれ育った子供たちも聞いている。勿論、母国語で話されてしまうと、私たち同様、…わからない…のでしょうが、親やこの留学生たちの言葉に時折日本語が混じるものですから、おそらく類推しながら聞くともなく聞いている。こんなのが案外記憶に残るもので、時折、私らを見やり、ニヤリとしていたりする。

家族が帰った後、今度は(四月生用)布団十組が届き、一階の教室に置く作業を、「補講」中の学生たちに手伝ってもらい、やりました。男子二人が、さっと窓を開け、そこから布団を次々に受け取り、教師に言われたとおりに、女子二人が机や椅子の上に置いていく。ところが一人、うろうろしている男子がいましたね。状況が飲み込めないらしく、自分は何をしたらいいのかわからない状態。

この人は勉強ばかりしてきたねという感じで、こういう作業にいかにも経験が無く、完全に手持ち無沙汰…考えれば、やるべきことが見えてくるはずなのですが、状況が全く掴めないし、自分が見えないのです。かといって、知らん顔ができるような図太さはない。オロオロしていました。

で、作業が終わってから、「国(の学校)でも、したことがないでしょう。」とからかうと、隣にいた同国から来た女子。「違う。やったことがある!」。かなり年の差はあるのに、もう正体を見抜かれていますね。すると、中国人男子が助け船を出す。○○さんは本当に面白い。

「補講」中の男子三人、助け合っているのがよくわかる。

例年、スリランカ人男子や中国人男子は、こういう作業の時、さっと手伝えるものなのですが、最近の中国人男子は手伝おうと思っても、戸惑ってどうしていいかわからないと言う人が少なくはない。多分、一人っ子でいつも誰かがやってくれるているので、かつてのように手際よくサッサッという人はあまりいない。

スリランカ人は変わりませんね。数人いれば、誰かがリーダーになり、協同で、あっという間にやってのけるというのは同じです。で、この中国人男子、自分よりも数段トロいネパール人男子を見て、いかにも嬉しそう。○○さんはとても面白いですねと、彼がトロいことが嬉しくてたまらぬよう。安心できるのでしょう。トロいだけで、勉強はできるし、人柄もいいので。

と言うわけで、授業は二度中断しましたが、やるべきところは終えられました。それどころか、いろいろあって、それとは別に面白い一日となりました。

日々是好日
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