日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「日本語を介して、日本を知る…ということは、日本語のレベルが上がらなければ、知識も殖やせない…」

2014-04-21 14:49:06 | 日本語の授業
 小雨。戻り冬のような寒さです。ダウンをしまうのが…早すぎた…。

 土曜、日曜と、寒い日が続いたのに、(しかも、今朝も寒い)街では「フジ(藤)」の花が真っ盛り。街路樹の下では、「ツツジ(躑躅)」の花も真っ盛り。

 今年は、ちょっと早いような気がします。「桜前線」が、関東から東北地方に移り、多分5月の連休の頃、北海道に達するでしょうが、関東地方を出たと思ったら、あっという間に、「ハナミズキ(花水木)」やら、「フジ」やら、「ツツジ」やら、道を彩る花が満開になっています。

 本当に、ちと、はやすぎるような…。この分で行くと、駆け足で夏に至り…、夏がグッと長くなるのかも知れません。寒いのも嫌だけれども、「酷暑」も困るなあ…。

 さて、学校です。

 今年は、日本語を勉強したいという在日の方が多く、(大半の方は「日本語一年生」ですから)、初級の教室がもうパンパンになっています。

 中には、こういう学校と、市井の、週一の「日本語教室」との区別がつかずに、「えっ、ここには留学生もいるのか」と驚く人までいます。

 「…だからァ、ここはおしゃべりを楽しむのではなくてェ」とか、「おしゃべりをしながら、日本人と交流するというところではなくてェ」とか、言いたくなってしまうのですが、そこはグッと堪えて、にこやかに応対しています…(ホントかな)。

 留学生を入れると言うことは、責任も生じますから、日本語を教えていくと共に、日本の習慣や文化にも触れ(もちろん、日本語を介してですが)ていかねばならないということです。そうでなければ、「日本にいた」だけ、日本語学校の学生であれば、ただ「二年、日本にいただけ」になってしまいます。

 この「日本語を介して」ということがミソで、日本語ができなければ、結局は日本のことが何もわからぬまま「いた」ということになってしまいます。もとより、日本語ができてから後は、各自の感受性や適応力、また日本文化との相性などが、関係してくるのでしょうが。

 まあ、こう言いましても、進駐軍は(日本語ができなくても)大丈夫でしたけれどもね。また大金持ちは大丈夫でしょうけれどもね。進駐軍は「力」と「権力」で。大金持ちは、「日本語ができる者を雇う」という方法で。

 それでも、不思議なことに、異郷で暮らしていると、「どうして」とか、「なぜ」とかいう疑問を持つようになるのです、その地で生きている人々を見て。これはどこでも同じでしょう、生まれ育った地でなければ。

 「どうして、こうするのだろう」と思ったり、「なぜ、あんな顔をしたのだろう」と思ったり、そして、それが重なれば、知りたくなるのです。また判りたくなるのです。それが人間という動物なのでしょう。そう思い、またその手段を求めると言うところが。

 学校では、彼等がそう思う前に、つまり、初めて学校へ来た時に、幾つかのことを知らせておくのですが。これは「危険なこと」とか、「知っておかなければ、不愉快な思いをするであろう」とかいった類のことなのですが。

 それから、日本語のレベル、理解力に応じて、(そういうことを)増やしていきます。ただ留学生の殆どは、アルバイトをせねば生活できないので、アルバイト先でのことを聞きに来る者もいます。

 もちろん、日本語がある程度できる者であれば、説明もしてやれるのですが、そうでなければ、皆がやっているようにやれとしか言えません。

 およそ日本語学校と名のつくところでは、皆、そうやっていると思います。日本語の勉強だけをすればいいというのではないのです。

 「『初級レベル』が終わって、『中級レベル』に入ったから、こういうモノ(日本文化の一つ)を見せても大丈夫(わかる)だろう」とか、「まだ『初級レベル』だから、こういうものは、見せても判るまい。それよりも先に文法を一つでも多く勉強させておいた方が良いだろう」とか。日本語のレベルに応じて、知らせられること、見せられるモノも違ってきます。

 そうは言いましても、在日の方は違います。テレビを見たりして、その人なりの知識は留学生とは違った形で増えていきます。同じように「日本語ができるようになりたい」と言っても、目的が違うのですから、それも当然なのですが。留学生達は、「学ぶ」ためにきているのです。日本語を学び、専門学校や大学、大学院で専門的な知識、技術・技能を学び、それから、日本の会社に入るというのが目的なのです。

 まあ、学生達の国が一つではない方がいいように、目的も一つではない方が、勉強に膨らみが出ていいのかも知れません。

日々是好日
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