曇り。
うっすらと雲がかかっています。日差しは強い。今日も夏日になるのでしょう。もっとも、朝晩はやはり4月ですね、最低気温は15度ほどにしかならないとか。
今日は、南からの風が強く吹き、雨も3時頃から降り出すとの予報が出ていました。夜のアルバイトがある学生は、特に電車を使う学生は、要注意です。「東西線」は、海の上にかかっている部分があるので、風に弱いのです。徐行だけなら、まだましですが、不通になったりしますと、もうその日のうちにうちに帰れないということにもなりかねません。そのときはそばの日本人に聞くことと言ってありますが、うまく聞けるのは二年目の学生くらい。一年目の学生は、やはり先輩と一緒のアルバイトの方が無難です。何があるかわかりませんもの。
ところで、この辺りではすっかり桜が散ってしまいました。土曜日には、風に散らされて、あちこちの道の上で、渦を巻いている花びらを見かけたのですが、もうそれも見えなくなりました。
桜の樹は蕊だけになった花をおいているだけ。この蕊も、出てきた若葉に隠れて、薄ぼんやりとして見えます。桜の樹は、ひと頃の華やかさを失い、地味なものになってしまいました。
その代わり、桜が咲いている頃には、上下で派手さを競っていた「ナノハナ(菜の花)」が、我が世の春とばかりに、燦めいて見えます。この美しさも、じきに失われてしまうのでしょうが。
そういえば、「オオアラセイトウ」の、紫の花が方々で見られるようになりました。そして、「シャガ(著莪)」が咲き、「フジ(藤)」の花も房を長くし、花をつけていくことになるのでしょう。房が少しずつ伸びてきたような気がします。気がついたときにはもう花が咲いているというのが「フジ」の特徴……私がうっかり屋だからでしょうかしらん。
さて、学校です。
13日に授業が始まり、14日には新入生に「プレイスメントテスト」を行いました。
これは彼らの国での日本語のレベルが関係してくるので、「一年間、母国で日本語を学んだ」からと言って、『みんなの日本語Ⅰ』が終わっているかというと、そういうものでもなく、また出来ていないからと言って、学習能力がないかというと、そういうものでもなく、どれだけやって来たか、あるいはそれを覚えているかということがわかるだけのものに過ぎないのです。……少々諄い言い方をしましたが、それというのも、テストが終わってからの、彼らの不安そうな顔を見たからなのです。
「漢字は100覚えました」と言っていたネパールの学生、同時に「上のクラスで速くたくさん勉強したい」とも言っていました、行徳駅に迎えに行ったときでしたが。
ところが、テストは出来ていなかったのです。先生に恵まれていなかったのでしょうね。それで一人でできるところはコツコツやった…それが漢字を覚えることだけだった…のでしょう。
「あいうえお」を埋めていくのも、ちと問題があった。「読解・文法」をやらせているとき、何度も救いを求めるようにこちらを見ていたのです。そのときは、「無視」をしたのですが、試験後、「このテストは、『出来なかったからどうだ』と言うのではなく、『今、これくらいわかっている』というのを見るためのものだから、安心しなさい」と言うと、少しわかるネパール人学生が、彼に説明をしていました。
途端に空気が緩み、ホッとしたのがわかりました。
ベトナムの学生は、だいたい『みんなの日本語』の30課くらいまではわかって(50課まで習ってきていても)来日しています。ですから、「N5」くらいのテストには余裕で合格できるのです。ところがネパールでは教員の日本語のレベルもそれほど高くないのでしょう、満足に教えてもらっていないような気がします。
もっとも、だから来日後、ずっと成績が悪いままかというと、そういうものでもなく、最初は、それこそ「あいうえお」から始めた学生でも、「追いつき追い越せ」ができる人はいるのですから、これから頑張ればいいのです。
反対に、最初、皆よりも成績がよく、高を括っているうちに、追い越され、身動きがとれなくなった人も出ているのです。
結果は、再来年の三月までに出せばいいのですから。
日々是好日
うっすらと雲がかかっています。日差しは強い。今日も夏日になるのでしょう。もっとも、朝晩はやはり4月ですね、最低気温は15度ほどにしかならないとか。
今日は、南からの風が強く吹き、雨も3時頃から降り出すとの予報が出ていました。夜のアルバイトがある学生は、特に電車を使う学生は、要注意です。「東西線」は、海の上にかかっている部分があるので、風に弱いのです。徐行だけなら、まだましですが、不通になったりしますと、もうその日のうちにうちに帰れないということにもなりかねません。そのときはそばの日本人に聞くことと言ってありますが、うまく聞けるのは二年目の学生くらい。一年目の学生は、やはり先輩と一緒のアルバイトの方が無難です。何があるかわかりませんもの。
ところで、この辺りではすっかり桜が散ってしまいました。土曜日には、風に散らされて、あちこちの道の上で、渦を巻いている花びらを見かけたのですが、もうそれも見えなくなりました。
桜の樹は蕊だけになった花をおいているだけ。この蕊も、出てきた若葉に隠れて、薄ぼんやりとして見えます。桜の樹は、ひと頃の華やかさを失い、地味なものになってしまいました。
その代わり、桜が咲いている頃には、上下で派手さを競っていた「ナノハナ(菜の花)」が、我が世の春とばかりに、燦めいて見えます。この美しさも、じきに失われてしまうのでしょうが。
そういえば、「オオアラセイトウ」の、紫の花が方々で見られるようになりました。そして、「シャガ(著莪)」が咲き、「フジ(藤)」の花も房を長くし、花をつけていくことになるのでしょう。房が少しずつ伸びてきたような気がします。気がついたときにはもう花が咲いているというのが「フジ」の特徴……私がうっかり屋だからでしょうかしらん。
さて、学校です。
13日に授業が始まり、14日には新入生に「プレイスメントテスト」を行いました。
これは彼らの国での日本語のレベルが関係してくるので、「一年間、母国で日本語を学んだ」からと言って、『みんなの日本語Ⅰ』が終わっているかというと、そういうものでもなく、また出来ていないからと言って、学習能力がないかというと、そういうものでもなく、どれだけやって来たか、あるいはそれを覚えているかということがわかるだけのものに過ぎないのです。……少々諄い言い方をしましたが、それというのも、テストが終わってからの、彼らの不安そうな顔を見たからなのです。
「漢字は100覚えました」と言っていたネパールの学生、同時に「上のクラスで速くたくさん勉強したい」とも言っていました、行徳駅に迎えに行ったときでしたが。
ところが、テストは出来ていなかったのです。先生に恵まれていなかったのでしょうね。それで一人でできるところはコツコツやった…それが漢字を覚えることだけだった…のでしょう。
「あいうえお」を埋めていくのも、ちと問題があった。「読解・文法」をやらせているとき、何度も救いを求めるようにこちらを見ていたのです。そのときは、「無視」をしたのですが、試験後、「このテストは、『出来なかったからどうだ』と言うのではなく、『今、これくらいわかっている』というのを見るためのものだから、安心しなさい」と言うと、少しわかるネパール人学生が、彼に説明をしていました。
途端に空気が緩み、ホッとしたのがわかりました。
ベトナムの学生は、だいたい『みんなの日本語』の30課くらいまではわかって(50課まで習ってきていても)来日しています。ですから、「N5」くらいのテストには余裕で合格できるのです。ところがネパールでは教員の日本語のレベルもそれほど高くないのでしょう、満足に教えてもらっていないような気がします。
もっとも、だから来日後、ずっと成績が悪いままかというと、そういうものでもなく、最初は、それこそ「あいうえお」から始めた学生でも、「追いつき追い越せ」ができる人はいるのですから、これから頑張ればいいのです。
反対に、最初、皆よりも成績がよく、高を括っているうちに、追い越され、身動きがとれなくなった人も出ているのです。
結果は、再来年の三月までに出せばいいのですから。
日々是好日