日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「開花宣言」が出た…を、誤解して、花見に行ってしまった。がっかりしたようです。

2017-04-13 14:48:27 | 日本語学校
2017/04/13

晴れ。

春の天気は秋のお天気と同じで油断ができません。

昨日も、朝のうちは、きれいな雲が見えていたのに、お昼を過ぎますと、だんだんお空が怪しくなっていき、ちょうど、ネパールからの二人の新入生が、食事のために在校生の部屋へ行こうとしていたとき、パラパラと雨粒が落ちてきました。

大事には至らなかったのですが、きっと驚いたでしょうね。彼らの国は雨季と乾季、その二つですもの。降るならザァーッとではないのかしらん。今日、「Aクラス」の学生に確かめてみましょう。人は生まれた国の風土から、なかなか逃れられないものらしく、少しでも違うと慌ててしまうようなのです。…まあ、私だけがそうなのかもしれませんけれども。

昨日、寮へ行って、先に来ていた学生達が落ち着いたかどうかを確かめてきたのですが、そのときに、二年生が、「『千鳥ヶ淵』に花見に行ってきた。ボートにも乗った」というのです。「でも、サクラは咲いていなかった…。先生が、そのころ、開花すると言っていたのに…」。

聞くと、3月28日に行ってきた…。そりゃあ、「開花宣言」が出たというのと、「満開」とは違う。「この頃、『開花宣言が出るだろう』と、言われていますよ」と言ったのを、「花がたくさん咲くだろう」と捉えた。本当に、正確さに欠けた言い方でした。「『開花宣言』というのは、一つの樹に五つくらいの花がついたときに出るものなのだ」と付け加えるべきでした。

それから、彼はこんな事も言っていました。「サクラは日本じゃなくて、ネパールが原産地だと言われているけれども、ネパールのサクラはこんなに花が咲かない。きれいじゃない(彼の気持ちでは、本当にネパールと同じ花なの?)」。

日本では、幾世代にも亘って、サクラの品種改良をやってきた。それでやっと、このように種類も増え、花数も多いのができるようになったのだ。 …に類するようなことを言ったのでしたが、果たしてわかったかしらん。

そういう、「花のようなものにまで、必死になって品種改良を重ねて」ということがイメージできないかもしれません。草木のみならず、動植物全てにわたってなされていることなのですが。

それから、昨日の夕方、羽田に着いた学生を寮に連れて行く途中、近くの公園に寄ろう。あそこはサクラがまだ咲いているだろうから」と言うと、「夜にサクラを見るのですか」と驚いていました。夜、花を見て愉しむという習慣がないのかもしれません。

公園の脇を通ったとき、いくつかのグループがシートを敷いて盛り上がっていたのですが、それを不思議そうに見ていました。そんな彼らも、日本で専門学校や大学に行き、日本の会社で働くようになったら、当然のことのように、日本人と一緒に花見を愉しみ、夜桜を愉しみ、そこで酒を飲んだり、ごちそうを食べたりするようになることでしょう。

それぞれの国には、それぞれのものを、愉しむやり方がそれぞれあるのでしょう。

日々是好日
コメント
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