ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

あれぇ~!

2012年04月21日 17時41分32秒 | 雑感
男が一度はやってみたい職業と言うと、オーケストラの指揮者か、映画監督か、せめて悪代官。
オーケストラの指揮者や映画監督はかっこいいけど、なるのはなんか難しそう。
でも悪代官はかっこ悪いけど、あれなら誰だってできそう。
 
 指揮者や監督には及びもつかぬがせめてなりたや悪代官に

と、きっと誰でも思うだろう。
というのもテレビの町娘をかどわかすシーン。
いやがる町娘の帯を解き引っ張って、町娘はぐるぐる回り、「あれぇ~!」というシーン。
あれを一度はやってみたい、と誰でも思うだろう。

でもあのシーンを見るととっても奇妙な気になる。
まず「あれぇ~!」という言葉。
今では誰だってこんな言葉は使わない。
「たすけて~!」とか「きゃー!」とか言う。
もし襲われて「あれぇ~!」なんていうと襲うほうだって拍子抜けしてきっと笑い出すだろう。
ここはやっぱり「たすけて~!」とか「きゃー!」とかで決めたい。
しかし昔だって、たとえお嬢様だって、はたしてこんな言葉を使っただろうか?
やっぱり「たすけて~!」とか「きゃー!」とか言ったのではないだろうか?
もし襲われたら、「キャー」ではなく、お嬢様らしく「あれぇ~!」と言うんだよ、と教えられていたとも考えにくい。
としたら「あれぇ~!」はどうも意図的な言葉ではないかと思えてくる。

さらに不自然なのは帯を解かれてぐるぐる回るシーン。
あんなふうに簡単に人は回るものなのだろうか?
猿だったら「猿回し」というくらいだから回るかもしれないけど、人があんなに簡単に回るとは考えられない。
もしあんなに簡単に回るのなら相撲取りのマワシ、あれは危ない。
昔は女にもてる職業と言うと役者か相撲取り。
女の集団に襲われて、まわしをとられそうになって、ぐるぐる回って、たまらず股間を押さえ「あれぇ~!」と叫ぶ相撲取りがいたとは・・・どうもそれは考えにくい。
ぐるぐる回るのはきっと演技にちがいない。
事前に越前屋や越後屋と打ち合わせて、3回転半回ったら3両、4回転回ったら4両、「あれぇ~!」と叫んだら1両やるとか話ができてたのではないだろうか?
きっと襖の陰で越前屋や越後屋は採点していたのだろう。

こう考えると、フィギュアースケート、あれも変に見えてくる。
踊り子、じゃなかった選手がぐるぐる回るのを見て喜ぶ観客が悪代官に、
審査員が越前屋や越後屋に、
そして選手たちはしたたかな町娘に見えてくる。
コメント
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