ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

ヤマブキ

2012年04月29日 06時38分45秒 | 田舎暮らし
桜が終る頃ヤマブキが鮮やかに咲く。
自然の中では黄色は赤よりも目立つ。
それで鎌などの農具には黄色いテープを巻いておくといい。
うっかり畑に忘れてきても、目立つので探しやすい。

ところでヤマブキ、
フキでもないのにどうしてフキというのかというと、
食用になるフキではなく、枝が風に吹かれて揺られやすいので「山振き」と言うらしい。
しかしこれってなんか苦しい。
柳だって、風に吹かれて揺られやすい。
でもまあ名前なんてこんなもの。
深く考えることもあるまい。

ヤマブキというと決まって大田道灌の故事を思い出す人も多いだろう。
雨が降ったので近くの民家に立ち寄って蓑を貸してくれと頼む。
するとそこの娘さんがヤマブキの花を一枝差し出した。
大田道灌は怒って帰っていった。
ところがあとで知った、それは・・・

 七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき

という歌を踏まえて、蓑がないことを伝えたかったということを。
そして自分の詩心のなさを深く恥じてその後歌の道に励んだ・・・という。
この話、民家の娘さんが特別詩心があったわけではなく、
当事、普通にはやっていたしゃれではなかったか。
大阪風の乗りではなかったか。
・・・という気がする。
ところが太田道灌も関東の人間なのでこののりが理解できなかった。
関西だったらここは駄洒落のひとつも言い返すところ、ここで怒るのは野暮というものだ。

それともこの民家の娘さん、本当はとってもけちで蓑を貸すのが惜しくなったのかも知れない。
それで機転をきかせて、ヤマブキの花でごまかそうと思ったのだろう。
しかしたまたまヤマブキが咲いてたからいいようなものの、
もし他の季節だったらどうするつもりだったのだろう?

ヤマブキの季節も終った。
コメント
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