イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「適当論」読了

2010年09月01日 | Weblog
高田純次 「適当論」読了
高田純次の「適当日記」という本は紙本より電子書籍の方が販売部数が多いらしい。そんな時代になってきたようだ。
この本はそれより少し前に出版されたものだ。
著者が高田純次となっているが、ほとんどが精神科医の和田秀樹という人が解説というか、文章を書いている。こんなところも適当なような・・・。
この精神科医は著者?の生き方、考え方が人間としては非常に理にかなった生き方だと説いているが、本当にこんな生き方をしていれば世間から抹殺されてしまうだろう。特にサラリーマンである限りは・・・。

しかし、どんな世界でも名を成す人はどこかが違うのもこの本からもわかる。本当は全然適当な人ではないかと思う。この人は結婚して子供ができてからサラリーマンを辞めて東京乾電池に入団したらしい。その後は寝る間もなくアルバイトしながら劇団の稽古をしていたということだ。それを著者?は魔が差したと表現しているが、そうではなかったのだろうと思う。きっと何かの信念があったのだと思うと、やっぱりただの人ではなかったのだ。
普通のひとはやっぱり真似をしてはいけないのだ。

語録の中のひとつに、『現実を否定せず肯定することだ。だから、何でも面白げにやってきた。疫病神はいっこうにめげない自分を「張り合いのないやつ」と見限って、他のやつを探してどこかに行ってしまった。そうこうしてるうちに、遠くから眺めていた福の神が「変なやつ」と顔を覗きにきた。そう考えている。』というものがあったが、そんなに考えられる人というのはやっぱりうらやましいと思ってしまうのだ。



最近の新書はどうも内容が薄っぺらいというか、なんというか。この本も1時間足らずで読んでしまった。
とりあえず、フォントが大きい。行間も広いような気がする。そんな程度の内容だから電子書籍でも売れるのだろうが、なんともなさけない。新書というのは、「現代人の現代的教養を目的」としてるらしいが、なんとも薄っぺらい教養だろうと思ってしまう。
会社の部下と電車で移動中に今読んでいる本の話をしたとき、「すごく字の細かい本を読んでいるんですね。」と言われたことがある。この子は何を言っているんだろう(というか、文字だけの本などはここ数年読んでいないんだろうと思うが。)と思ったが、世間はこんなものなのだろうか。
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」もそうだったが、世の中はどんどんバカ化しているのだろう。僕も人に言えたものではないが・・・。


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