イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

初島釣行

2017年11月15日 | 2017釣り
場所:初島 大磯
条件:中潮 4:16満潮 10:09干潮
釣果:チヌ 43センチ以下 2匹 アイゴ、木っ端グレ 各1匹

今日は2年ぶりのフカセ釣りだ。2年もやっていないのならもうやらなくてもいいだろうというのはそのとおりで、道具がどんどん劣化してしまっていて神様は限りなく僕にフカセ釣りをやらしたがらないようだ。
3日ほど前、事前に出発の準備をしようと磯バッグを物置から引っ張り出してみたらストラップやモールがすべて劣化してしまっていてその部分が黒い粉に変身してしまっていた。もう、使えるものではない。帽子も後ろのベルトが割れてしまっている。ウキケースも表面がネチネチして、ハリスのケースに癒着してしまっていた。竿のグリップはすでに2年前からネチネチしている。おまけに普段履いている靴も底がはがれてしまった。
これらの道具はフカセ釣りを本格的に始めた15年ほど前から使っているものだ。ある種の樹脂は加水分解してボロボロになってゆくものだからそれを使った製品は劣化してゆくのは仕方がない。特に長く使わずに置いておくと余計に劣化が早くなる。だから僕の道具も劣化してしまうのは仕方がないけれども、それがいっぺんにやってくると何か違うことを想像してしまう。そういえば去年の今頃は紀州釣り用のバッカンが劣化してボロボロなっていた。どんどん僕の釣り具が劣化してゆく・・。
昭和ひとけたや二けた前半のおいやんたちがよく使っていた、いわゆる「メーカーもん」ではないのでよけいに劣化がはげしいのかもしれない。

 

そして今日の行先は初島。多分本格的にフカセ釣りができる北限だと思う。船の釣りに慣れてしまうとたくさんの荷物を持って遠距離を釣行するのがしんどくなる。それならもうやらなくてもいいだろうというのはそのとおりだがそれでも磯釣りは面白いのだ。だからなんとしても行きたくなるのだ。

場所は大磯。今年の夏に隣のかっこいい船に乗せてもらって沖から眺めた磯だ。



上の画像のちょうど右あたりの磯である。初島では一番実績のある磯らしい。



朝のうちは陸の方に向かって潮が流れている。一緒に乗った釣り人がチヌを釣り上げた。おお、魚はいるのだ!!。そして僕にも木っ端グレが釣れた。その後はエサ取りが猛威を振るい始めた。これでは釣りにならないので少し場所を移して流れている方向と反対方向の磯の際を流してみると強烈なアタリがあってチヌが釣れた。このアタリが味わいたいのでフカセ釣りがやめられないのだ。
この場所もすぐにエサ取りが増えてきたので今度は沖ノ島との間の水道を流してみた。



潮の流れは徐々に緩くなってきたがここでアイゴが釣れた。お昼前になり潮は沖向きに変わった。そこで、先にチヌを釣った場所に移動。すぐにアタリが出てチヌをもう1匹追加。うまく勘が働いた。
午後の迎えは午後2時と午後4時。一緒に乗った釣り人は午後2時に帰るというので僕も一緒に磯上がりとした。今日の客は僕たち二人だけ。別々に帰るというと渡船屋さんに申し訳ない。

ここは組合方式で松林渡船と南村渡船の2軒で運営しているらしいが、待合はそれぞれの渡船屋にある。僕は松林渡船の待合に入ったのだが、ここの大将はしゃべりは達者だが、どうだろう、御年80歳近いのではないだろうか、お歳のせいか、歩き方がよちよち歩きだ・・。今日の待合、どう見てもただの近所のおいやんがふたり。競馬がどうの、パチンコがどうのおよそ釣りには関係のない話をひとりでしゃべっている。水軒渡船もそうだが、なんともギラギラしていないところがいい雰囲気だ。そして、この人が船を運転するのかと思っていたら組合方式なので船頭は別にいると聞いて少しホッとしたわけだが、帰りの船はこの大将が運転してきた。スロットルレバーを握っている右手はプルプル震えている。大丈夫かいな?と思っていたがさすがにプロだ。桟橋に横付けする操作は最後に船尾をスライドさせてピタリと止まった。いつもちからさんに、「うまくできないね~」と言われている技だ。歳は取ってもさすがだ。僕のほうが恥ずかしい・・・。

使えなくなった磯バッグだが、これも釣り人口が減りつつあるからだろうか、それとも日本経済がデフレを脱却したのだろうか、急いで巡回した市内の釣具屋では、「メーカーもん」しか売っていない。15年くらい前はバーゲン時期になると2000円も出せばなんとか使える磯バッグが売られていたものだ。今日はいつものクーラーボックスを持って行ったが、真冬の紀南ではやはり磯バッグ必要だ。
今、しぶとく磯釣りを楽しんでいる人はマーケティング用語でいうところの、「イノベーター」というたぐいの人だろう。自分の好きなことにはお金を使うことをいとわない。お店もそんな人をターゲットにして安いものを置かない。僕は魚釣りは普通の人以上に大好きだが、イノベーターではない。どれだけお金を使わずに魚釣りを楽しめるかということを信条としている。自分で作れるものは自分で作り、竿とリール以外(グリップはネチネチしているとはいえ、僕が今日使った竿とリールは合わせて購入価格で15万円くらいはするものだ。ただ、後生大事にそれを使い続けているといのもマイノリティという証拠ではある・・。)はボロボロでもよいと思っている人種はマーケティングの中では限りなくマイノリティであるらしい。それは世間の流れに掉さす誇りある態度ではあると思うのではあるのだが・・・。

年に1回行くか行かないかのために大きな投資をするか、それともこのままフェードアウトするか、それとも田辺の釣具屋ではまだデフレ現象が続いてくれていることを願って物色してみるか、僕の人生もちょっとした曲がり角に差し掛かっているのかもしれない・・・。
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