イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「時のきざはし 現代中華SF傑作選」読了

2021年11月01日 | 2021読書
「時のきざはし 現代中華SF傑作選」読了

「三体」について調べていると中華製のSF小説というのもたくさんあるらしいということがわかってくる。もちろん、中国で発表されるいろいろなジャンルの小説のなかで、SFという分野がどれくらいのシェアを占めているのかというのは知らないが、かの国では何か思想めいた内容が入っているものでは表から裏から政府の干渉がいっぱいあるだろうから、その点、SFなら変に疑われるということもないのかもしれない。
これが2冊目の中国SF短編集である。

17人の作家たちの短編が収録されているけれども、総ページ数が475ページという、久々に分厚い本を読んだ。
いつも思うが、どうしてSF小説というのはどれもこれも長編になるのだろうか。もう、それが好きでたまらないという読者にはいくら長くてもいいのだろうが、それほどでもない僕みたいな人間にとってはちょっとまんぷく気味になってしまう。
ハードSFといわれるような、宇宙を舞台にした科学と物理法則を交えた小説は大好きだが、空想の生物が出てきたり、ホラーチックなSFというのはどうもなじめない。
この本に収録されている短編も、そういったジャンルの作品の方が多かった。

SFの本場というと、アメリカやヨーロッパだろうし、日本の作家も多数いるのだから、まずそこから読みはじめて中国のSFを語るべきなのであろうが、ハードSFだけではなくて様々なジャンルのSFが書かれるほど、中国のSF作家界も成熟してきたということなのだろうと、ちょっと偉そうに書いてみた。

ひとつひとつの作品に対する感想というと、あまりない・・。
僕はSFというと、読んだ後は、「あ~、面白かった。」か、「よくこんなストーリーを考えついたものだ。」という感嘆があればいいと思っているのだからしかたがない。

この本の解説者もそう思っているのか、作者とその作品の紹介の羅列が目立ち、中国でも様々なジャンルのSF作品が書かれているのだというのを強調していた感じだ。
SFというのは「三体」の流れで読み続けるくらいしかないので、僕のSF小説の知識はきっと中国中心になるに違いない。

ページ数のわりにはまったく文字数が少なく終わってしまった・・。
コメント
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