弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

交通事故案件の処理

2012年10月29日 | 経験談・感じたこと
弁護士業界では、次なる有望市場として「交通事故紛争」が注目を浴びています。


たしかに、加害者のバックには損害保険会社がついていることが多いので、回収困難・回収不能ということは心配する必要はありません。
また、損害賠償額の算定はある程度形式化されていますので、少し慣れれば弁護士以外の方でも算定することができ、画一的かつ大量処理はある程度可能な分野ではないかと思います。



弁護士間の競争に身を置く私としても、弁護士としての営業は意識していますので、交通事故案件というのは一種魅力があります。

ただ、約7年間のイソ弁時代、毎日毎日朝から晩まで損害保険会社側の弁護士として交通事故案件を対処してきましたので、しばらくは控えたいなぁ…と考えが今でもあります。
(あまりの大量処理であったため、嫌な思い出という側面もありますので…)

このため、どうも交通事故「市場」に打って出る気持ちがわき上がってきません。




といいつつも、私が過去損保側代理人として、交通事故案件を処理していたことを知っている方はいますので、時々ご紹介という形で交通事故案件を対処することがあります。

現在も、知人のご親族が重篤な被害にあわれて案件対応を行っているのですが、形式的に損害賠償額を算定した場合ものすごく高額になることが予想される案件です。
その意味で、弁護士報酬も相当なものになりそうな感じです。
(依頼者からは、遠慮することなく報酬請求して欲しいと言っては頂いているものの、私が定めている報酬基準に当てはめてしまうと、正直引いてしまう金額になってしまいます。)

これはこれで、経営者発想で考えれば「おいしい」案件なのかもしれません。。。




ところで、最近、交通事故案件について積極的に宣伝広告をしつつも、後遺障害非該当案件は受任しないあるいは後遺障害14級程度であれば受任しない法律事務所があるという噂を聞きました。

弁護士業界も市場原理に委ねられていますので、上記のような「経営方針」も直ちに非難されるべきではないと思いますし、経営的な発想で言えばあり得る対応かなとも思います。



ただ、何だか交通事故案件が「一発当てたらでかい」案件であるという風潮が生じてきているのではないかと思うと、少し気がかりです。

まぁ、こんなこと言っていると、あっという間に市場の荒波に飲み込まれてしまい、弁護士市場から駆逐されてしまいそうですが…。







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