弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

過労死の企業情報開示を求める訴訟

2009年11月19日 | 法律情報
色々な訴訟があるんだな…と思いつつ、配信された記事を読みました。

(以下引用)
過労死や過労による病気で従業員が労災認定を受けた企業名を大阪労働局が公開しなかったのは違法として、夫(当時49歳)を過労自殺で亡くした京都市伏見区の寺西笑子さん(60)が18日、開示を求める訴えを大阪地裁に起こした。原告弁護団によると「過労死」を起こした企業名の公表を求める訴訟は全国で初めて。
(引用終わり)

全文はこちらで(毎日新聞配信)


色々な考え方があるかと思いますし、やはり当事者になってみなければ分からないこともあると思います。
ただ、情報公開に関する法律に疎い私が、何となく思ったのが、「仮に企業名を公表された場合、現実に働いている人はどの様に感じるのかなぁ…」ということです。


正直、公開の拒否事由に該当するのかどうか、全く知識がありません。
従って、違法性の有無については「よく分からない」というのが実情です。
が、以前、某会社で働いていた知り合いは、新聞テレビで連日報道された某事故発生後、お客様窓口でかなりの誹謗中傷を受け、心労で倒れそうになっていたのを思い出しましたので、「公表によって、現実に働いている人たちが、言われ無き差別を受けなければいいだけど…」と思ってしまった次第です。


「企業名の公表は会社を選ぶ情報になる」とコメントが出されたと報じられています。
確かに、これはこれで真理であることは間違いないと思うのですが、それが全てではなく、一方で現実に働いている人(おそらくは発生してしまった過労死に対して何ら非難されるいわれのない従業員)が不利益を受ける場合があると言うことも忘れてはいけないような気がします。




※よろしければこちらもご覧下さい。
インターネット・電子(IT)取引、労務・労使・労働問題、フランチャイズ、債権回収を中心業務にしている弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の法律情報ページ

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