ほそかわ・かずひこの BLOG

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男系継承のための皇室典範改正2

2006-02-06 19:20:09 | 皇室
 私は、男系継承のために最大限の努力をすべきという考えである。男系男子による継承を安定させるためには、主に三つの方策が考えられる。旧宮家の皇籍復帰、養子制度の容認、旧皇族との婚姻の場合に限定した女性宮家の創設である。
 これらの方策を実行するための皇室典範改正案を、次に提示する。

 まず第一の旧宮家の皇籍復帰についてである。現行皇室典範では、「第二章 皇族」において、次のように定められている。

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●現行皇室典範(昭和二十二年一月十五日)

第十五条 皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。
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 この条文を改正して、元皇族は皇族に復帰できること、その際、その子孫は新たに皇族になることができることとする。また、それ以外にも皇族となる場合を列記する形に改正する。
 参考に明治時代につくられた皇室典範においても、皇籍復帰は認めていなかった。

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●皇室典範増補(明治四十年二月十一日)抜粋

第六条 皇族ノ臣籍ニ入リタル者ハ皇族ニ復スルコトヲ得ス
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 しかし、歴史的には、臣籍から皇籍に復帰した例は多くあり、宇多天皇のように復帰後、天皇になった例もある。こうした歴史に学ぶべきと思う。
 また、敗戦後、皇籍離脱を余儀なくされた11宮家は、占領軍によって皇室の弱体化が強行されたという、史上に例を見ない特殊な事情によって、臣籍降下せざるをえなかったという経緯をよく考慮すべきと思う。しかも、加藤元宮内次官の回想にあるように、昭和天皇と皇族方の間では、将来、皇族に復帰する可能性は否定されていなかったのである。

 11宮家のうち、北白川・竹田・朝香・東久邇の四家は明治天皇の皇女方を妃に迎え、さらに東久邇家は昭和天皇の第一皇女成子内親王も嫁がれている。従って、男系で歴代天皇とつながると共に、女系では明治天皇・昭和天皇の血統を、現皇族方と同等に引いておられるわけである。男系では、40数親等離れているが、この点も考慮すべきである。
 また、旧宮家の方々は、菊栄親睦会を通じて、天皇・皇族方と親しく親族としてのお付き合いをしてきていいる。この点でも、まったくの民間人とは違う。反対論は、民間人となって60年間もたっており、そういう人が皇族となることには、国民は「違和感」を感じるだろうという。しかし、民間人が后妃となった場合でさえ、皇族として国民に仰がれ、親しまれている。美智子様、雅子様、紀子様のお三方は、皇族とは縁もゆかりもない、まったくの民間人であった。それゆえ、もともと皇族だった方やその子孫が皇族となった場合に、国民が「違和感」を感じ、受け入れられないという論は、失当である。むしろ、まったくの民間人よりも、受け入れやすく、親しみやすいとも考えられる。

 皇室典範第十五条の改正にあたっては、同時に特別立法を行って、皇籍復帰の実行に関する詳細を定める必要もあると思う。すなわち、対象となる方の範囲、選任の条件、復帰後の称号、旧宮家または絶家となった直宮家の復活、経済的保障、検討の機関と手続き等の詳細である。
 皇室典範問題研究会の小堀桂一郎氏・八木秀次氏らは、この特別法の制定を提案する準備をしていると聞く。

 次に第二の方策として、皇籍復帰とともに、皇室への養子の実現も合わせて検討すべきと思う。この場合は、皇室典範第九条を改正する必要がある。

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●現行皇室典範(昭和二十二年一月十五日)

第九条  天皇及び皇族は、養子をすることができない。
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 この条文を、「養子をすることができる」と改正する。養子の対象範囲は、元皇族及びその子孫の男系男子とする。

 次に第三の方策として、旧皇族との婚姻の場合に限定した女性宮家を立てることを可能とする。これは女系継承をも可能とするためではなく、内親王・女王が旧宮家の男系男子と婚姻された場合に限る。この場合は、皇室典範第十二条を改正する必要がある。

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●現行皇室典範(昭和二十二年一月十五日)

第十二条  皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
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 この条文に第2項を加え、皇族女子は、元皇族及びその子孫の男系男子と婚姻したときは、新たに宮家を創設することとする。

 私見では、男系継承の堅持、男系男子継承の優先のために皇室典範を改正する場合のポイントは、以上の第九条、第十二条、第十五条だと思う。条文の順序に従って、これら三条の改正案をまとめて以下に示す。

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◆皇室典範改正私案

第九条 天皇及び皇族は、養子をすることができる。
2 養子の対象範囲は、元皇族及びその子孫の男系男子とする。

第十二条  皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
2 皇族女子は、元皇族及びその子孫の男系男子と婚姻したときは、新たに宮家を創設する。

第十五条 皇族以外の者及びその子孫は、以下の場合に限り、皇族となることができる。
一 女子が皇后となる場合
ニ 女子が皇族男子と婚姻する場合
三 元皇族が皇族に復帰する場合。その子孫は、その復帰に伴う場合に限り、新たに皇籍に入る。
四 元皇族の子孫が天皇及び皇族の養子となる場合
五 元皇族の子孫が内親王または女王と婚姻する場合
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 最後に皇室典範改正の目標時期について述べる。
 小泉政権は、今国会で、女系継承への移行の起きかねないような女性天皇容認、第一子優先、女性宮家創立を柱とする皇室典範の改正を行おうとしている。このような伝統否定、国柄破壊の改正案は廃案にしなければならない。そのうえで、改めて再検討を開始し、2年くらいのうちに結論を出すとよいと私は思う。
 あまり先延ばししない方がよい。敗戦後行われたGHQによる日本弱体化政策の呪縛を断ち、日本を再建するには、憲法・教育基本法・皇室典範を3点セットで、改正する必要があるからである。この3点セットの改正は、戦後日本人の最大の課題であり、現代日本に生を受けている者の責任なのである。これらの改正を成し遂げない限り、日本の真の改革は実現しない。

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