ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

教育基本条例から大胆な教育改革を

2012-01-16 08:42:43 | 教育
 1月3日に拙稿「『大阪維新の会』の教育基本条例案」を書いた。
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/146368f5afd74c5a5399038bcbb6208a
 その中で、元国立市教育長で、教育改革に積極的な発言をしている石井昌浩氏の教育基本条例に関する意見を紹介した。氏は、「教育基本条例案には、先送りされ続けてきた教育委員会活性化、校長登用基準の弾力化、校長への人事権付与などの課題が提起されている」「長く続く教育荒廃の根源を断ち切り、大阪教育基本条例が本物の教育改革の先例を開くことを期待したい」と評価する。わが国の教育を改革するには、教育制度の抜本的な改革が必要であり、その際のポイントに、石井氏の挙げる教育委員会活性化、校長登用基準の弾力化、校長への人事権付与等がある。これらは、日教組に支配された教育現場と地方教育行政を変えるための要である。
 親学を振興する高橋史朗氏も、教育基本条例を指示する有識者のひとりである。高橋氏は、産経新聞1月7日の記事で、「石原慎太郎東京都知事と橋下徹大阪市長は教育の破壊的改革で一致した。大震災がもたらした破壊を建設に転じていくうえで、破壊的教育改革は日本の時代的要請である。東京・大阪連合による破壊的教育改革を首都圏から全国へと広げていく必要がある」「日本人が大事にしてきた感謝と思いやり、雄々しい『日本の』」、親心と孝心、家族の絆をしっかりと受け継ぎながら、不連続に挑戦する大胆な教育改革を断行する年にしたい」と述べた。
 学校教育制度の改革と家庭・社会における教育改革を一体のものとして、進めていくことが、日本復興のための重大な課題の一つである。東京・大阪における教育基本条例制定の動きが、教育全体の改革への機動力となることに期待したい。
 以下は、高橋氏の記事。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●産経新聞 平成24年1月7日

http://sankei.jp.msn.com/life/news/120107/edc12010708160000-n1.htm
【解答乱麻】
明星大教授・高橋史朗 心の復興と破壊的教育改革
2012.1.7 08:14

 年頭にあたり、東日本大震災を踏まえた日本の教育の課題について考えてみたい。天皇陛下は昨年一年の「ご感想」の中で、被災者の連帯感と支援活動に対して「心強い」という表現を3回使われた。
 この受けとめ方は昨年3月16日に「人々の雄々しさに深く胸を打たれた」と述べられた天皇陛下のお言葉と共通しており、次の御製にも一貫している。

 ふりつもる み雪に耐へて いろかへぬ 松ぞををしき 人もかくあれ(昭和天皇)

 しきしまの 大和心の ををしさは ことある時ぞ あらはれにける(明治天皇)

 国難に立ち向かう日本国民の雄々しさを、いかに受け継ぎ発展させていくか。明治維新や敗戦などの国難のたびに再生に転じる原動力となった「日本の心」の復興こそが今後の教育の課題である。
 台湾の李登輝元総統は『文芸春秋』昨年5月号の論文で、日本再生は指導者と教育次第だとして、「ノブレス・オブリージュ(社会的地位に応じた公的義務)」の大切さを強調した。
 役職についたら、地位に自らを合わせて、それにふさわしい器になることが求められる。マックス・ウェーバーはこれを「制度的権威(社会的地位)」と補完関係にある「人格的権威(品格)」と表現した。昨年相次いだ大臣の問題発言の背景には、この「ノブレス・オブリージュ」の欠如という問題があろう。
 ところで、石原慎太郎東京都知事と橋下徹大阪市長は教育の破壊的改革で一致した。大震災がもたらした破壊を建設に転じていくうえで、破壊的教育改革は日本の時代的要請である。東京・大阪連合による破壊的教育改革を首都圏から全国へと広げていく必要がある。
橋 下市長は自らの改革について従来の連続性(継続性と一貫性)を断ち切る「不連続への挑戦」と表現している。ガバナンスとして機能していない教育行政の仕組みを破壊的に改革することなく震災後の「復興創造」(単なる「復旧」ではない)など不可能だろう。
 東日本大震災は、家族よりも個人を優先してきた戦後の日本人に意識転換を促し、地域の絆の核となる家族の絆のぬくもりの中にこそ幸福があることに気付かせてくれた。
 石原都知事は「教育再生・東京円卓会議」に関する代表質問に対し、「親の教育力を回復し、時代を超えて共有すべき価値を家族や地域でいかに継承すべきか、議論を深めたい」と都議会で答弁したが、親を労働者として経済的支援の対象ととらえるのでなく、教育者としての「親育ち」支援が求められている。
 文部科学省も国と地方に協議会を設置して「親育ち」講座の実施など家庭教育支援の基盤形成事業に取り組んでいるが、民間の「親の学び・親育ち」支援団体のゆるやかなネットワークを構築し、行政と連携して親に教育者としての意識変革を促す国民運動を展開する必要がある。
 今年は政治も教育も大転換が求められる年となろう。GNPという経済の物差しから、GNH(日本の国民総幸福量は178カ国中90位)という幸福の物差しに転換し、日本人が大事にしてきた感謝と思いやり、雄々しい「日本の心」、親心と孝心、家族の絆をしっかりと受け継ぎながら、不連続に挑戦する大胆な教育改革を断行する年にしたい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――ー―