ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

生命の道を歩もう~少子化8

2006-06-13 11:24:45 | 少子化
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●かつての日本と現代の危機

 生命を共有する集団の単位は、家族である。男・女・子によって構成されるのが、ここでいう家族であり、最小単位として基本家族とも呼ばれる。家族とは生命を共有する集団である。人間は家族的存在であってのみ、真に生命的存在でありうる。孤立した生命体の生命は、その個体で消滅する。
 祖先からの伝統と文化と歴史の継承も、その基礎は、生命の継承にある。子孫を産み育てることは、伝統と文化と歴史を継承する一番の基礎だからだ。家族の維持、子孫の繁栄のために、結婚・生殖・育児をし、教育をする。その教育において、伝統と文化と歴史の継承が次の世代に受け渡される。

 かつてわが国は、こうした家族的共同体を基盤として繁栄してきた。それが、独自の特色・個性・体質を持っており、それが国柄ともなっていた。日本の国体には、全体と部分、部分と部分が調和する、自然と生命の法則が見事に現れていた。すなわち日本の国家社会は、生命の原理がよく貫かれた社会だった。
 昔の日本人は、自然にある年齢になれば結婚して、子どもを生み育てていくのが当然だと思っていた。私の親の世代までは、それが普通だった。また人はこうした生き方の中で、個人としての幸福や喜びを味わってきた。

 ところが、現代の日本では、結婚をしない人、結婚をしても子供を作らない人、自分の生んだ子供を自分で育てない人が増えている。単身者の増加、晩婚化、晩産化、無子化などは、「生命の継承」に対して消極的な姿勢である。それは、生命の原理に外れていく生き方である。自分または自分たちの世代さえよければいいという考えは、生命の法則に反している。

 生命に基づく社会のあり方と日本の国柄が、今日の日本では見失われている。そのために、現代日本の複合的な危機が、劇的に深まっているというのが、私の意見である。
 
●一人一人の意思

 日本人は、生命に基礎を置いた考え方、生き方を回復しなければならない。
 いくら国が施策を講じても、最後は一人一人の判断だ。国民一人一人の意思に、日本の運命と将来がかかっている。またそれは、一人一人の人生を決める判断ともなる。心身の健康状態や家族関係等の条件の許す人は、適当な年齢で結婚し、子供を産み育てていく、そういう生き方を自然とする考え方を回復していきたいと思う。

 結婚しない女性、子供を生まない女性が増えている。女性が結婚をし、子供を育てようとしてくれないと、日本の現状は改善されない。その反面、あるデータでは、女性の9割は結婚を望んでいると言う。どの程度、信憑性があるかわからないが、私はそれが本音ではないかと思う。

 私はこの現状を変えるのは、男性次第だと思っている。男性がしっかりしないと、女性は、生命を産み育てるという独自の役割を果すことが出来ない。男性は、自分の存在についてもっと深く考え、自分の役割・使命を自覚しなければならない。
 男性が権威を失い、自信を失い、自己の生命の役割までも忘れ、怠っているところに、少子化日本の病理がある。この連載では、敗戦と民族の劣化を指摘し、自虐的歴史観、男性の権威と役割の低下、知識の高度化と女性の高学歴化、個人主義の蔓延、フェミニズムと性の快楽化が、少子化が進行する条件となっていると述べたが、男性の方は、こうした歴史的・社会的なところを学び、日本人としてのあり方を考えていただきたいと思う。
 日本男児よ、誇りを取り戻し、生命の道を歩め、と同胞諸君に申し上げたいと思う。
 国民として皇室の存続を真剣に願うことは大切である。それと次元は異なるが、諸君が先祖から受け継いだ生命の継承について考え、行動することも大切である。

 次回は脱少子化を目指して、憲法・教育等について述べる。