ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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複利運用って、できるの?

2011年03月29日 | 資産運用 
できます。

ただし米国債なら。残念ながら、日本国債はできません。

 R氏のように、金利は全部使って楽しむ、という人には関係がないのですが、例えば将来の満期まで複利でしっかりと運用したい場合、どうしたらできるのでしょうか。国債の金利は日米ともに半年毎にもらえます。1年分の金利を半分ずつもらうのです。でもたとえば100万円を投資して、年間金利6.5万円の半分、3.25万円をもらっても、それでは投資できないし、最初の6.5%の金利は発行した時の金利で、今はもっと低くなっています。ちなみに30年債の今の米国債金利は4.5%くらいです。3.25万円で買えたとしてもそれでは6.5%での複利運用にはなりません。

 そこで登場するのが、割引債です。アメリカの国債は、証券会社が元本と金利であるクーポンを別々にはがしてしまい、別売りしているのです。その原理はちょっと難しいので後に回します。米国債は元本だけの国債を安く買えるのです。どれくらい安いかといいますと、例えば1万ドル分の国債が1,470ドルで買えます。30年持っていて償還を迎えると、毎年6.5%の想定で金利が複利でついてくるので、丁度1万ドルになる値段がこの1,470ドルです。
 今一度確認しますと、1,470ドルで元本だけの米国債を買って、30年間保有すると満期で1万ドルになって返ってきます。6.6倍です。それが6.5%で複利運用した結果の数値です。けっこうすごいリターンでしょう。もちろんその間に金利はもらえません。金利に相当するクーポンを最初に剥がされているからです。
 こんなになるのか、みなさんご自身で昨日紹介したJAのサイトで確認してみてください。

こちらです;http://www.jabankosaka.or.jp/pb/pb/kinyukeisan/HUKU1.asp

確認方法は、サイトの数値欄に以下のように入れてください。
『元金147万円を金利が年6.5%の6ヶ月複利で複利運用すると、30年後にはいくらいになるか?』

こうインプットすると、約1001万円になると出てきます。 JAさんはドルを扱わないようですので、円とドルを読み替えてください(笑)

じゃ、私は何故1,470ドルを投資すれば1万ドルになるとわかったのか?

答え「いろいろ試行錯誤した!」

残念でした(笑)、違います。

 別のアメリカのサイトで計算しました。

URL  https://powertools.fidelity.com/fixedincome/startPrice.do

一部の方はご存知の、あの名門投信会社フィデリティのサイトです。このサイトでの計算方法を説明すると、それだけで1ヶ月くらいかかってしまうので、すみませんが省略します。

今日のまとめ;米国債なら、複利で運用することができる。
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