本日の日経新聞朝刊のトップは
「日経平均15年ぶり高値」というタイトルでした。
テレビのニュースなどでもしきりに明るいニュースとして流されていました。しかも日経では久々にトップにしては珍しくカラーで、アベチャンとクロちゃんが15年間の日経平均のグラフとともにお出ましになり、「日経平均は様々な危機を乗り越えた」と太字で書かれています。そして記事の小見出しは
・企業の構造改革が原動力
・攻めの経営にカジ
というものでした。株式投資をされている方には、誠にご同慶に堪えません。
しかし私の様に投資を国際スタンダードで見て数字をしっかりと追い、ちょうちん記事を書かない者にとってこのタイトルはイケてません。しっかりと水を掛けてあげます(笑)。
私に書かせると記事は以下のとおりになります。
タイトル;「日経平均、15年もかかってやっと元に戻っただけ」
小見出し;企業は10年以上何をやっていたのか
投資家にとって15年でリターンがゼロというのは許し難いことです。私の著書では「投資家は常にリスクフリー・レートを意識し、リスクを取ったらそこからナンボ上に行くのかが最低限の判断基準だ」という投資の国際スタンダードを掲げています。
それに倣い日本のリスクフリー・レートである日本国債に100万円を投資したとして結果をみてみると、
2000年1月初めの15年物金利;2.164%
単利で15年を運用した場合の元利合計;134万円(日本国債は複利運用できません)
とまあ、あの超低金利の日本国債の単利運用ですら34%も利益があるのに、「リスクを取ってゼロとは何事か」となります。ここでは日本国債のリスク議論は棚上げします。
そこでこの記事を国際スタンダードでもう一度書き直すと、
「日経平均の15年のリターンはリスクフリー比較でマイナス25%だった」
となります。(マイナス34%ではないことに注意しましょう。計算は100÷134=0.75)
何故こんなにしつこく書くかと申しますと、「リスクを取る」という意味をみなさんにしっかりと考えていただきたいのです。「リスクは取らなくても最低のリターンはある」ものなのです。この場合で言えば34%もリターンがあるのです。
そして日本においては「ハイリスク・ハイリターンなどという証券会社の謳い文句はウソだらけだ」と言うことを申し上げたいのです。
ちなみに同時期に米国債の20年物(15年物のレートはない)で15年間運用したとするとドルベースで1,000ドルが2,790ドルになり、為替は102円が119円だとさらに+16.7%になりますので、利益合計は+235%です。つまり100万円が325万円になっています。
いいですか、これは「リスクフリーですぞ」みなさん。
株価が上がったと大喜びしてる人も多いとは思いますが、
考えて見ればバブル絶頂期の半値以下といったところです。
それに対して米国株はS&P500は史上最高値。
株価でも大差がつけられているのが実情です。
債券市場もしかりです。世界一の流動性を誇る米国国債は
利回りで怪しい日本国債より上なのです。
一部報道によりますと、日本国債のリスクに関する事が
日銀の議事録が削除されたなんて報道もされてました。
クロちゃんの言動からしても、まんざら嘘でもないかと思ってしまいます。
ここまで来ると、単なるリターンを求めるだけでなく、
資産保全の為のドルと米国国債保有は大事だと思います。
林さんの著書、「証券会社が売りたがらない米国債を買え」を購入したのがきっかけで、債権投資に興味を持ちました。私が現在投資しているのは金の真似ごと投資のみですが、資産防衛の一端として今後の米債券投資を考えています。
現在、私が気になるのは①アベノミクスによる円安株高はどうなっていくのか?という点と、②米金利による為替の変動はどうなるのか?という2点です。
GPIFの資産として日本株保有率を上げ、今後も日経平均3万円台まで届かせようと政策に必死な様相が伺えますが、2015年の米金利政策如何によっては円安株高の流れから一気にまた円高へ流れる方向性も考えられますよね?
年内中に予定通り米金利が上がれば、米国債が海外投資家より更に買われて円売りとなり、アベノミクス(と、一部の富裕層)が望む円安になると思われます。その際、日本株も短期売買目的で一気に買われ、日経平均2万円越してくるかもしれません。
しかし米金利が上がらず、据え置きの状況が続けばドル不安から円買い→円高反転というシナリオも考えられますよね。そうなるとアベノミクス以前のデフレ時代に戻る可能性もある。
今年の株・為替相場はいつ、どちらに転ぶか分らない。FRBの発言は注意して聞いておくつもりですが、時代の潮流は捉えていきたいものです。
間違った認識で文章を記載しているかもしれませんが、その際はご教示宜しくお願いします。林さん、皆さん長文失礼致しました。
みなさんも関心を持つ問題提起であり疑問だと思いますので、本文にて回答をさせていただきます。