暑い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしですか。
ドル円相場も徐々に暑くなっていますね。今回は為替のアナリストの解説で相場の行方に影響のありそうな国際収支に関する予想数字が示されていたので、それを取り上げます。
予想数字を示したのは野村証券のチーフ為替ストラテジスト池田雄之輔氏で、昨日のモーニング・サテライトでした。示された数字を並べます。
15年予測(単位;兆円)
1.経常収支 +22.0 ・・・下記未還流分を除くと+11.0程度
うち貿易・サービス収支 +0.9
所得収支 +21.2 ・・・このうち日本への還流は10.0程度
2.投資フロー(資本収支) ▲28.5
うち M&A ▲5.4
公的年金投資 ▲8.4
投信・生保投資 ▲14.7
3.1と2の合計は▲6.5だが、真の合計数字は▲17.5程度
解説します。為替の実需という意味から重要なのは1.の経常収支と、2.の投資フローの合計です。このところ言われているのは「貿易・サービス収支が改善し、今年はトントンになりそうだ。しかし所得収支の大幅なプラスから、経常収支は22兆円のプラスとなる。」ということです。
しかし池田氏は「所得収支のうち半分くらいは海外に滞留したままで、日本に毎年還流するわけではないので、実際の経常収支はせいぜい11兆円くらいだろう」と計算しています。これは私も知らなかったことで、彼は「例えば米国債を外為会計で買っている政府は、毎年の利子3兆円を再投資に回し、還流はさせていない」と言っていました。その他の企業なども配当などを日本にすべては還流させていないと言うことなのでしょう。
一方、投資のフローではみなさんの投資分も含めこのところ海外投資が盛んですし、M&Aも超大型案件が多くなっていますので、28.5兆円にものぼる流出超です。その1.と2.の真の合計数字が17.5兆円の流出だと解説していました。数字を正確に計算するとちょっと違いますが、大勢に影響はないでしょう。
昨年後半以降、資源価格の低迷から貿易収支の赤字が大幅に縮小しています。それが経常収支の改善に貢献しているのですが、為替の実需要因はこの国際収支の統計とは10兆円も違うことを示してくれており、先行きの為替を見る際には大変参考になる分析だと思います。
こうした為替の実需要因がドル円相場の底流にあることがわかると今相場はより理解しやすいと思われます。
以上
以前、日銀出身の菅野雅昭氏が経常黒字は
全てが日本に還流する訳ではなく、黒字だから
国債消化は安泰というわけではないと雑誌で
述べていたのを思い出しました。理屈は同じだと思います。
実需のお金の流れもさることながら、
狂ってるとしか思えない異次元緩和の影響を
エコノミストやアナリストはすごく過小評価してる人が
多いような気がします。
ドンドン緩和しても大した事ない、緩和の縮小や停止なんて簡単という態度の人が多い。
これだけ前例がない重大な事をしてても過去のパターンでしか考えようとしないのには違和感を持ちます。
過去のパターンを繰り返すのは条件が同じ時だけじゃないでしょうか?
少子高齢化、政府の累積債務の金額、そして異次元緩和。
これだけ以前とは違う条件が揃っているのに、過去パターンだけで考えるのは間違いの元になるのでは?
見てるわけですが。
左から右の生活で、
ボゥッとし過ぎ。
気づけば、全部円。
来週にかけて、もし
円高になったら、思い切って全ドルの心構えです。
少し目が覚めました。
林先生、ありがとうございました。
年金は擬似国債という考え方を理解いただいたのですね。
この言葉は私が最初に考えた著書のタイトルでした。即、没でしたが
(笑)
ご質問に返答させていただきます。
>米株式↑米国債↓という理解で、米株式が好調な時期の方が、米国債が安く?購入できるという理解でよいでしょうか?
その通りですね。
株価上昇は景気が良くなることを見通している。ですので、金利は上昇する。つまり債券価格は下落するので投資しやすくなるという図式です。
またご質問があれば、いつでもどうぞ。
こんにちは。
異次元緩和でも物価が上がらないということが
話題になりがちですが、目論見とおりに物価が上がって
出口に移行できても凄いことになりそうです。
先日、モーサテでもこの方は解説しておりました。
私の頭ではどうなるか全く想像できません。
やっぱ黒ちゃんは凄いことやってしまったのだなあと
怖くなってきます。