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明けましておめでとうございます & Puffinさんのコロナ解説

2022年01月08日 | コロナショック

 新年早々、東京の雪には驚かされました。

  雪の積もった関東のみなさんは、無事でしたか。転倒などのけが人は250人を超えたそうです。特に東京人は弱いですね。

  私は年末年始の主夫から解放され、昨日まで志賀高原でスキーに行っていました。関東に雪が降った日は快晴のコンディションに恵まれ、よい景色を含め楽しく滑ることができました。スキーの往復は車、スキー場のゴンドラは仲間のみで乗車、ホテルなどでも十分な対策が取られていましたので、感染リスクは比較的低いと思われます。

  新年早々Puffinさんから最新のコロナに関する解説をコメント欄にいただきました。現状やウイルスの今後のトレンド予想など貴重な情報ですので、この本文にて再掲させていただきます。

 Puffinさん、ありがとうございます。

引用

2022-01-06 15:23:38

新年あけましておめでとうございます。

すっかりご無沙汰しております。
62歳になったのに、その齢で敢えて転職活動していたため、忙しくてなかなか時間が取れませんでした。

新年早々、オミクロン株の爆発的感染が広がりつつあるようです。
私、一応医療機関で働いておりますが、急性期病院の手術部門の為、実は全然仕事に変化はなく(多少手術が減ったくらい)、新型コロナの問題はどちらかというと第三者的立場で眺めてきました。

初期型のアルファ株よりも感染力・毒性ともに高いデルタ株の第5波襲来の時は、ちょっとひやりとはしました。
しかし、ウイルスの特性として最終的には感染力がより高く、その一方で毒性が低い変異型こそが最終形態である、との感染症学のドグマがある限り、心穏やかにみていました。

同じ感染症でも、ウイルスと細菌(バクテリア)とでは、とても大きな違いがあります。
ウイルスは無生物、細菌は生物です。生物には自己増殖機能を有するため、至適環境下では放っといてもその数は増えていくのに対して、ウイルスのような無生物は宿主となる生きた細胞内に侵入して、ウイルス本体であるDNA若しくはRNA遺伝子の複製を乗っ取った細胞に作らせて増えていきます。
つまり、毒性が強くてせっかく獲得した宿主を殺してしまうようなウイルスは、進化の競争の中では自己を十分に増やすことで残る事は出来ないのです。
無治療なら致死率ほぼ100%のエボラ出血熱やマールブルク熱、狂犬病等が、人類を破滅に導くような脅威ではないのは、こうした理由によります。

オミクロン株は、恐らく発生源とみられている南アフリカの状況を見る限り、感染力は強い一方、その毒性はそれまで猛威を振るっていたデルタ株よりもかなり劣ります。
南アでは、殆どの感染者がデルタ株からオミクロン株に置き換わりました。先程の原理が、正に実現したのです。

元々、コロナウイルスは、約百年間にわたって子供の感冒の約1/3を占めている感染症です。たいていの人は免疫力が最強の子供の頃に感染し、抗体が免疫記憶細胞に記憶され、高齢になっても重症化しません。
新型コロナでは、高齢者や合併症を持つ人たちなどのハイリスク層が、当然小児期に感染していないため、このような事態を招きました。
感染力が強い一方、弱毒化した変異株の登場は、ワクチンを打ってない人を含む万人に、感染治癒後に免疫力を与えます。
約百年前に全世界で猛威を振るった「スペイン風邪」、今でいうインフルエンザの変異株は、ワクチンも人工肺(ECMO)もなかった時代にもかかわらず、約2年間で姿を忽然と消しました。
新型コロナが発生したとみられるのが、2019年11月とみられています。今、ちょうどその2年がたとうとしている時に登場したオミクロン株、これが新型コロナの最終型となって、新型→旧型コロナとなるのではないか、と思えてなりません。

日本は死亡者数が同様の医学・生活レベルの他の先進国群と比して1/100と少ないのが世界の医学会の中でも不思議とされていました。なお、新規感染者数は検査検体数が少ないので参考になりません。
ノーベル医学・生理学賞を受賞している京大の山中伸弥教授は、これを「Factor X」と名付けましたが、どうやら感染初期に細胞性免疫細胞を呼び集め役目をするHLA(ヒト白血球抗原)が関与していることがわかってきました。
HLA-A24と分類されるタンパク質抗原を、実に60%の日本人が生まれつき保有しております。新型コロナに感染すると、このタンパク抗原に新型コロナのRNAの一部が表示され、感染症の際に真っ先に駆け付ける役目のキラーT細胞にこの情報が伝達されて、瞬く間に初期段階でウイルスの増殖を防いでいるのです。重症化まで行くのは、残り4割の中でも更に高齢者や重篤な合併症を持つ人に限られるため、日本人では圧倒的に死者が少ない、と考えられています。
このHLAは人種間での保有率に大きなばらつきがあり、白人では10から20%、アフリカ系黒人に至ってはほぼゼロ、とされています。
先進国ではなくて人の移動が限られていたアフリカは感染の始まりも遅く、いよいよこれからか、というタイミングで偶然にも毒性の低いオミクロン株が南アフリカで発生したのは、天恵なのかもしれません。

第1波から第5波までの流行を見てみると、その発生からピーク、そして収束までの期間が次第に短くなってきています。その段でいうと、日本におけるオミクロン株のピークは、1月下旬から2月中旬にかけて、と思われます。
科学的に感染を防御できることのエビデンスが無い「ロックダウン」や「緊急事態宣言」など、経済を破壊して自殺者を増やすだけのFlawed Policyを取ることなく、皆様もコロナ第6波を無事通り過ごしてしまうことを願ってやみません。

 

引用終わり

 

 

  

 

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2 コメント

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Unknown (さとうきび)
2022-01-08 12:59:05
林様、あけましておめでとうございます。
著書、ブログ、拝読いたしておりますが、初めてコメントさせて頂きます。
2011年に先生の著書と出会い、投資資金の全てを長期米国債に転換し、お陰様で投資に関してはストレスフリーな生き方が出来ております。
その後、長期にわたる米国の低金利政策により米国債に追加投資するチャンスが全くなかったところですが、テーパリング開始でいよいよ米国債の金利上昇が始まりました。一方で、各国の金融緩和のし過ぎによる金余り、米国の成熟国家化などもあり、個人的には、今後10年待っても米国10年債が3%を超えるような利回りになるのは難しいのではないかと考えております。
この辺り、林様は今回のテーパリング、利上げ局面の展開をどう見てらっしゃいますでしょうか?
是非ご意見をお聞かせ頂けますと幸いです。
返信する
さとうきびさん (林 敬一)
2022-01-09 10:17:14
初めまして。

私の著書とブログをお読みいただき、ありがとうございます。

そしてすぐに米国債に投資されたとのこと。よかったですね。

今後の金利動向にについてのご質問ですが、少しお時間をいただき、回答を差し上げたいと思います。
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