オメデトウ、クロちゃん。株や為替には裏切られたけど、国債は自分も買えるので長期金利が思った以上に下げてくれましたね(笑、ごとじゃない)。
スキーツアーから戻りました。今回は今年2度目の八方尾根です。年に1・2度あるかないかの素晴らしい天候に恵まれ、とても楽しく滑ることができました。八方尾根がますます進化を遂げていることにも驚きましたが、その話は次の機会に。
昨日の市場は大荒れでした。株式やFX投資をされている方は大変ですね。株式は変動幅が大きかったため、日経平均のボラティリティ・インデックス先物に一時サーキット・ブレーカーが発動され、取引が停止されるほどでした。そして私の驚きは、長期金利の代表である10年物国債の金利がマイナスに突入したことです。しっかりした手口の分析がないので、私には推定でしかものが言えませんが、推定原因1は売り手の踏み上げ、つまり空売り筋の買い戻しです。その2、こちらが大きいとおもいますが、ベーシス・スワップの有利さを利用した海外投資家、主にヘッジファンドによる黒田プット利用の投機的買い。それに邦銀ディーラーなどの債券市場参加者が悪乗り。
「言葉が難しくて、なにがなんだかわからん。」
すみません。今度解説します。いずれにしろクロちゃんの思惑を超えた動きだと思われます。さあ、どうするクロちゃん。マイナス金利なら政府だっていよいよ図に乗って、
「国債を発行して、儲けよう!」
を合言葉にしますよ。それでも80兆円ペースを守って、大損覚悟の買い入れを続けますか?
日銀の損は政府の得。だったら、たかはしさんじゃないけれど、最後は合併で帳消しか(笑)。
さて、今回はアンケート結果についてです。
みなさんアンケートにご協力いただき、まことにありがとうございました。時々こうしたことをするのは、私にとってもみなさんにとっても勉強になり、有意義だと感じました。普段よく発言をしていただいている方が、こうした質問にどう回答されるか、とても興味がありました。また初めて発言をされた方が多くいらしたこと、とても嬉しく思っています。これを機に是非今後も発言をお願いします。
今回のアンケートは質問がとても単純で、回答しづらさがあったかもしれません。まず結果を質問とともに掲載させていただきます。
質問;もし銀行が預金金利をマイナス0.5%にしたら、あなたはどうしますか?複数回答可。
回答総数36名
1.通常より預金を取り崩して支出を増やす 4名 11%
2.預金からかなりの額の現金を引出して安全な場所にしまう 32名 89%
3.貯蓄目標額に到達するためより多くの額を預金する 2名 6%
みなさんの安全志向と合理的というべき考え方が見て取れます。1.の支出の中身は必ずしもやぶれかぶれの使っちゃえではなく、住宅投資などの安全志向のため、ほぼすべてに近い方が安全志向であると言えるでしょう。
今回のアンケートのきっかけは、ダイヤモンド誌の1月30日号に掲載された「預金に金利を課したらどうなる、個人へのムチは消費に効くか」というコラム記事がきっかけです。記事は私が尊敬するエコノミストの一人である東短リサーチの加藤出氏が書いていますが、日銀のマイナス金利の導入の直前ですので、彼はクロちゃんの動きの匂いを感じていたのかもしれません。
アンケートはオランダの大手金融機関INGが欧米15か国、13,000人を対象に行いました。日本は対象に入っていません。結果を要約して引用します。
1.通常より預金を取り崩して消費するとの回答は、9.9%にとどまった
2.預金からかなりの額を引き出して安全な場所にしまうは、33.3%もいた
3.貯蓄目標達成のためにより多くの額を預金するは、10.9%
やはり「消費には効かない」ようです。しかし逆に消費するが1割もいることと、より多く預金するが1割もいることに私は驚かされました。このブログのみなさんの結果とは大違いです。
以上を合計すると54%にしかなりません。実はこのアンケートにはその他の選択肢も含まれているようで、その詳細は記事には書かれていません。一つだけ記事にもありました。それは今回このブログで多くの方のコメントに含まれていた「他の安全な投資に回す」という選択肢です。その割合は33.2%と2.の安全な場所にしまうのとほぼ同じ割合です。両者を合わせると3分の2を占めます。
さすがにこのブログの読者のみなさんは、単純なタンス預金だけでは安心できないことを表明されていましたね。私は意図的にその選択肢を除いて回答をおねがいしました。理由は、それを含めるとこのブログにお集まりの方のほとんどの方がそこに集中してしまい、アンケートにならないと思ったからです。しかしこれは私のミスといいますか、余計な配慮でみなさんを混乱させてしまったようです。すみませんでした。私が示した3択でも「2」が9割方という結果でした。もし初めから4の安全な投資という選択肢があれば、迷われた方のほとんどがそこに票を投じたかもしれませんね。
ふたたび欧米の回答へのコメントですが、驚くのは1.の消費するが多いことでしょう。消費するが「9.9%にとどまった」と書いてありますが、我々の感覚では、使ってしまう人が10%もいるのか、という驚きです。それと3のもっと銀行に貢ぐ人が11%いるのも大きな驚きです。
日銀による今回のマイナス金利導入は個人の預金金利に直接大きな影響はありませんが、もしクロちゃんが今後マイナス金利を強化し、市中銀行がやむを得ず追従し、もし預金にマイナス金利が導入されるなら、きっと「取り付けパニック」がおこるでしょうね。
クロちゃんもこのブログのアンケート結果をよく見て政策を決めてくださいね(笑)。
みなさんの感想もお待ちしますので、是非。