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スキー場ロッジの巻き返しなるか

2016年01月09日 | 旅行

   スキーから戻りました。尾瀬岩鞍の予定を石打丸山に変更したのですが、石打でもすそ野はまだ雪不足だったので、リフトを乗り継いで隣のガーラ湯沢でスキーを楽しみました。このあたりのスキー場は乗り継いで移動できるのが便利ですね。ガーラは他のスキー場よりゴンドラ一つ分、高い場所からスキー場が始まるので雪質が上々でした。平日にしてはスキー客は多めでしたが、リフトを待つほどではなく、十分に楽しむことができました。

  驚いたのは宿泊した石打のスキーロッジです。お値段以上の出来栄えにびっくりでした。1泊2食1万円ポッキリですが、夕食はフルコース。本当にフルコースなんです。では「あざみ亭」のディナーの紹介です。その日のメニューは食前酒から始まり、

前菜;スープを含む4品

主菜;タラのムニエルにエビのグリルを添えて

とあるのですが、エビが大きな車エビで、頭からしっぽまでたべられ、添え物とはいいがたいメイン料理

お口直しはシャーベット

主菜;ビーフシチュー

それが終わると3種ものデザートが出てきて、それらの上に飴細工でネットがかぶせてありました。コーヒーもとても美味しい淹れたてのエスプレッソをいくらでもどうぞと出してくれます。しめて10コースのフルフルコースです。

  でも実はみんながあきれるほど驚いたのは自慢の自家製パンです。初めからドギーバッグが用意されていたのですが、なんとロールパンだけで5種類が5人全員分X2つずつくらい、それに小ぶりの山パンが半ダースも焼きたてで来るんです。全部で50ケ以上出てきました。

  「スキーをしているとお腹が空くでしょうから、どうぞ持ち帰って明日食べてください」と薦めるのですが、普通の食事であればロールが2個ずつくらいのはずが50個。しかも前菜から10コースもの料理が出てきたので、とても食べきれませんでした。パンは何種類か家まで持ち帰り、おいしくいただきました。スキーロッジも工夫を重ねてスキー人口の減少に対処しているんですね。ありがとうございました。


  では、年明けから早々混乱する金融市場のことです。旅行中もニュースはチェックしていたのですが、ここまで下落するとは驚きの新年のスタートですね。株式市場に為替市場、商品相場とすべてが全面安。いや、もとい、「除く米国債!」。

  NYダウは1週間で1,078ドル安、日経平均も毎日下げて1,284安。きのうの上海が下げ止まったにも関わらず、そしてアメリカの雇用統計数値が超強い数字だったのにNYが下げたのは、ちょっと不気味です。

  それもこれも、おおもとは中国への懸念、そしていわゆる地政学的リスク。「予測できない指導者」のいる北朝鮮、サウジなど。イアン・ブレーマー氏が今年の10大リスクを披露するそばから市場を混乱に陥れています。

  しかし我々は株式市場や為替市場より、サウジとイランが衝突寸前でも原油価格が上がらないことに注目しましょう。昨年から指摘しているとおり、依然として地政学的リスクが原油の採掘や輸送にダメージを与えるまでには至っていないことをしっかり見ておくことが大事だと思います。つまり原油価格の下落で慌てているのは株式市場や為替市場であって、実態経済はそれが恵みの雨になることを知っていて、密かにほくそえんでいるのです。

  中国政府の株式市場への介入について私は夏の暴落の時に、「稚拙だ」と切って捨てました。今回のサーキット・ブレーカーも同じです。日本を含め他市場でもサーキット・ブレーカーはあるのですが、発動要件はもっとゆるいもので、よほど深刻な大暴落でないと発動しません。

  例えばNY市場が完全停止になるにはダウがおよそ30%も暴落する必要があり、7%の上海市場とは雲泥の差です。またNYのブレーカーの発動要件は四半期ごとに微調整されます。昨日、中国はブレーカーの発動をやめましたが、上海市場はとたんに上昇しました。いかに政策が稚拙だったかの証左です。もちろん暴落には別の需給要因があり、ブレーカーの停止だけで落ち着くものではありません。中国政府もオールマイティ幻想から目覚め、少しは勉強したことでしょう。そして中国政府は為替操作も実は同様にもっとお勉強の必要があります。


  日本では国会が再開され、論戦が始まっています。論戦の細かい点を追うのは私の役目ではありませんので高みの見物といきます。私、そしてみなさんの関心が高いと思われるのは、「日本はこのままアベチャンと進んでいって大丈夫なのか」という点でしょう。

  アベチャンは、相変わらず財界・大企業寄りの政策を連発し続けています。法人税減税、労働者の非正規化を推進するとしか思えない新派遣法、原発再稼働、日銀を手先として使う円安の推進と物価の引き上げ。いったいどこまで庶民を苦しめるのでしょうか。

   大企業が利益を上げればやがて中小企業にもそれが回り、庶民の懐も潤うはずというトリクルダウンの考え方は、成熟してしまった資本主義社会には通用しない政策で、格差の拡大が日本経済の足を引っ張っています。それを政府日銀は理解せず、金融財政政策も大企業の要望に沿ったものになっています。

  このブログではそうした政府日銀の目先の政策論争に惑わされず、日本経済の将来を長い目で見ていきます。

コメント (7)
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