ここまでアメリカと日本の債務残高のGDP比率や潜在成長力について見てきました。数字をおさらいしますと、
政府の債務残高のGDP対比
アメリカ= 106%
日本 = 232%
潜在成長力比較
アメリカ= IMF見通し2.5%+シェール革命0.3%+イノベーション?=3%程度
日本 = IMF見通し0.7%+アベノミクス?+イノベーション??=0.7%±?
両者の差は、今後も拡大の一途をたどることが見てとれます。
もう一つ押えておく必要のある数字が昨日アメリカの議会予算局から発表されましたので、見ておきましょう。それは債務残高ではなく、その原因を作っている毎年の予算収支が最近どうなっているかです。
アメリカも日本もリーマンショック後に莫大な財政支出をして経済をテコ入れしました。ピークでの財政赤字は両者とも09年で、たった1年でGDP対比9%台の赤字を作りました。問題はそのあとで、それが果たして収束に向かっているか否かです。年ごとに並べてみます。アメリカはCBO(議会予算局)、日本は財務省の公表数値です。アメリカの予算は9月末で終わるため、14年は実績の推定値です。日本の14年は来年3月末までのため、予算値です。
08年 09 10 11 12 13 14
アメリカ 3.1% 9.8 8.8 8.4 6.8 4.1 2.8
日本 4.5 9.3 8.3 8.7 9.0 9.2 7.6
08年には両者ともマイルドな赤字でしたが、それが09年に大ジャンプして11年まではともにゆっくりと減少。しかし12年からは大きな乖離が生まれました。特に注目されるのは安倍政権成立後の日本の12年13年で対GDP赤字が増加していることです。14年度は予算上は減少しているように見えますが、いつもその後の補正予算で赤字は増えてきたので、この数字は増加する可能性大です。
アメリカの予算作成は単年度主義ではなく、毎年数年後までのローリング予算を作りコントロールしますが、現状までの数字は数年前に作成された予想値の範囲内で、順調に赤字を減らしています。終わったばかりの14年度については08年の3.1%すら下回りGDP比で2.8%に低下。この面からみてもアメリカが財政に頼らずに回復している様子が見てとれます。
一方の日本は12年度13年度を見ると、ショックからの回復など全くできていないばかりか、気にもしていない様子が見てとれます。ご存知のように日本の財政は単年度主義で、年度末には余りそうな予算はすべて使い尽くし、テコ入れだと称して毎年大きな補正予算を組み無駄使いに励みます。そうしたバカげた使いこみは、これだけ累積赤字が積もり積もっても一向に変わらないのは何故でしょうか。
財務省は大本営の中にありながらも役目上そしてアリバイ作りのために財布の紐をしめようとしますが、政治家は政府内にいても外野にいてもみんなオネダリ君ばかりです。そして民間のエコノミスト達も日経新聞などと共にほとんどがオネダリ君で、みんなでオカネをバラ撒いてちょうだいと大合唱します。この図式は今後株式相場がスランプに陥れば、年度内に間違いなく再現されるでしょう。
さて、世界経済の後退懸念が出ています。IMFの世界経済見通しが一昨日発表され、今年の世界経済全体は若干の下方修正となりました。日本は0.7%も下方修正され今年の成長は0.9%の見込。他方アメリカは0.5%上方修正され2.2%とされました。IMFの見通しはしょっちゅう改定されますので、信頼性は高いとは言えませんが、方やマイナス、方やプラスの改定は両国経済の現在の位置を端的に表していることに間違いありません。その中でもNYに出張中のクロちゃんは「見込み通りの回復」と、むなしく強気発言を繰り返しています。
政府の債務残高のGDP対比
アメリカ= 106%
日本 = 232%
潜在成長力比較
アメリカ= IMF見通し2.5%+シェール革命0.3%+イノベーション?=3%程度
日本 = IMF見通し0.7%+アベノミクス?+イノベーション??=0.7%±?
両者の差は、今後も拡大の一途をたどることが見てとれます。
もう一つ押えておく必要のある数字が昨日アメリカの議会予算局から発表されましたので、見ておきましょう。それは債務残高ではなく、その原因を作っている毎年の予算収支が最近どうなっているかです。
アメリカも日本もリーマンショック後に莫大な財政支出をして経済をテコ入れしました。ピークでの財政赤字は両者とも09年で、たった1年でGDP対比9%台の赤字を作りました。問題はそのあとで、それが果たして収束に向かっているか否かです。年ごとに並べてみます。アメリカはCBO(議会予算局)、日本は財務省の公表数値です。アメリカの予算は9月末で終わるため、14年は実績の推定値です。日本の14年は来年3月末までのため、予算値です。
08年 09 10 11 12 13 14
アメリカ 3.1% 9.8 8.8 8.4 6.8 4.1 2.8
日本 4.5 9.3 8.3 8.7 9.0 9.2 7.6
08年には両者ともマイルドな赤字でしたが、それが09年に大ジャンプして11年まではともにゆっくりと減少。しかし12年からは大きな乖離が生まれました。特に注目されるのは安倍政権成立後の日本の12年13年で対GDP赤字が増加していることです。14年度は予算上は減少しているように見えますが、いつもその後の補正予算で赤字は増えてきたので、この数字は増加する可能性大です。
アメリカの予算作成は単年度主義ではなく、毎年数年後までのローリング予算を作りコントロールしますが、現状までの数字は数年前に作成された予想値の範囲内で、順調に赤字を減らしています。終わったばかりの14年度については08年の3.1%すら下回りGDP比で2.8%に低下。この面からみてもアメリカが財政に頼らずに回復している様子が見てとれます。
一方の日本は12年度13年度を見ると、ショックからの回復など全くできていないばかりか、気にもしていない様子が見てとれます。ご存知のように日本の財政は単年度主義で、年度末には余りそうな予算はすべて使い尽くし、テコ入れだと称して毎年大きな補正予算を組み無駄使いに励みます。そうしたバカげた使いこみは、これだけ累積赤字が積もり積もっても一向に変わらないのは何故でしょうか。
財務省は大本営の中にありながらも役目上そしてアリバイ作りのために財布の紐をしめようとしますが、政治家は政府内にいても外野にいてもみんなオネダリ君ばかりです。そして民間のエコノミスト達も日経新聞などと共にほとんどがオネダリ君で、みんなでオカネをバラ撒いてちょうだいと大合唱します。この図式は今後株式相場がスランプに陥れば、年度内に間違いなく再現されるでしょう。
さて、世界経済の後退懸念が出ています。IMFの世界経済見通しが一昨日発表され、今年の世界経済全体は若干の下方修正となりました。日本は0.7%も下方修正され今年の成長は0.9%の見込。他方アメリカは0.5%上方修正され2.2%とされました。IMFの見通しはしょっちゅう改定されますので、信頼性は高いとは言えませんが、方やマイナス、方やプラスの改定は両国経済の現在の位置を端的に表していることに間違いありません。その中でもNYに出張中のクロちゃんは「見込み通りの回復」と、むなしく強気発言を繰り返しています。