河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

魅せたストップ・モーション ダフネ日本初演の初日2007.2.10

2007-02-12 21:12:00 | 音楽

1_82

駅の出口から100歩のところにある上野のホール。

そそくさとした街並みを通ることもなく直行できるのがこのホールの強みです。

今日は日本初演のオペラ初日。

客も意気込んでいる。でも、なんだか変だ。客層がいつもと異なる。若者が多い。

いつでもヴァイオリンのケースをぶら下げた学生のような連中はいるのだが今日は少し雰囲気が違う。

男の子女の子みんなプロポーションが整っている。

河童が落としたブローシャーを拾ってくれた女の子は、河童界ではいまだかつて見かけたことのない美人であった。どうも変だ。客質は悪くなさそうだ。

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100歩の後のそのような微妙なホール感覚を味わいながら、使用料金500円で担保代金5千円の8倍ビノキュラスを借り、1部千円のプログラムを2部買い、一階河童特等席へ向かった。

どうもいつものオペラの観客とは違う人種が多いなぁ、などと思いつつ開始を待つ。

初めて観る聴くオペラである。先入観なし、頭空っぽでいどむ。

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2月の3連休3連続公演の初日

2007210()17:00

東京文化会館

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リヒャルト・シュトラウス作曲

牧歌的悲劇 ダフネ 全一幕

演出・振付 大島早紀子

メインダンサー 白河直子

ダンサー 木戸柴乃 小林史佳

斉木香里 横山博子

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ダフネ/釜洞裕子

ダフネの父親ペナイオス/池田直樹

ダフネの母親ゲーア/板波利加

ロイキッポス/樋口達哉

アポロ/福井敬

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二期会合唱団

東京フィル

指揮 若杉弘

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ギリシャの神アポロの他愛無い気紛れが湖面に石を投げた後の波状のような波風を立ててしまった。愛されたダフネは月桂樹となり淡く終わる。

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暗闇の中、どんちょうが静かにあがる。

音はしばらくの間全く出てこない。

音楽は始まらない。

しかし、聴衆が目にしたものはステージ中央の椅子にたたずむメインダンサーの息を呑むような素晴らしい振付の踊り。

そうだったのか。今日の客層の半分は、早い話、コリオグラファー大島早紀子の振り付けと、メインダンサーの白河直子を観に来ていたのだ。

それでもオペララヴァー、オペラゴアーズの人間たち河童たちは知っている。一人の人間が上野のホールの全聴衆をだまらせることの意味を。

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メインダンサーの有無を言わせぬ魅力的な踊りと、4 -->


最後のケーゲル 1989-13

2007-02-11 23:00:28 | コンサート





ヘルベルト・ケーゲルは日本では最近になって発掘されはじめた。
音源と財源がない昨今のレコード会社は、セッション録音をやれるだけの力がなく、もっぱら昔の音源を衣装替えして再発を繰り返している。さらに、どこかの蔵に寝ている昔のライブ音源を、全部名演、みたいなうたい文句のもと発掘に余念がない。昔のライブ演奏が全部名演なら今頃ガタガタ言わないでほしい。大半は日常的に我々の前を通過しただけのものだ。聴衆もそれ以上のものを望んでいるわけでもない。蔵にしまってあった品質の良いものならまだしも、エアチェックのテープを音源としたCD化については、そのチープな品質のみならず、チープな考えに思い至り、まずは過去にしてこなかったことを反省するべきだ。
ライブ録音のCD化は一部の音楽評論家たちが変に推奨する部分があり、一度しかない白熱の演奏、などと買い手を戸惑わせるキャッチコピーでうまく売りさばけるようになった。
ライブ録音CD化はやりの最初のころは、みんなその美辞麗句になびき、聴く方もスタジオ録音にない新鮮さが確かにあり、商品として多少の瑕疵があっても買って聴きたい、という気がしたものだ。
最近のCDに関しては、ライブと思えぬ静かさ、などと限りなく本末転倒なことを言う評論家もいる。スタジオ・セッション録音に近づくのが理想なら、白熱のライブ、などとは言って欲しくない。この社会現象をもう少し論じてほしいものだ。

とはいってもお粗末なCD作りのセッション録音もある。ここのところユニバーサルのDGやPHILIPSからでている昔のパウル・ファン・ケンペンのCDなど、内容の充実度とは関係ないところで損をしている。継ぎはぎのよくわかるCDで興を殺ぐ箇所がある。

いずれにしてもまともなセッション・スタジオ録音がじり貧となっている現在、店頭の棚を満たすにはライブ録音CDがどうしても必要となってしまった貧弱な音楽村社会ではある。

1989年にもなにげなく通り過ぎていってしまった演奏会もかなりある。演奏の中身とは関係ない大事な出来事も今となってみれば全ては暗闇の記憶のかなただ。演奏するほう、聴くほう、何の関係もなく、それぞれの思いがそれぞれの中に刻まれるだけだ。

ケーゲルはいつもどおり演奏した。

1989年10月17日(火)19:00 サントリー・ホール

シューマン/ピアノ協奏曲
 ピアノ、アンドレアス・ピストリウス

マーラー/交響曲第4番
 ソプラノ、V.H.フライベルガー

ヘルベルト・ケーゲル 指揮 ドレスデン・フィル

この年、ドレスデン・フィルが来日し、10月7日から19日まで10公演を行った。そのうち8回目の公演となる17日に聴いてみた。
ドレスデン・フィルの音というのは、何か全体に隙間風がふいているようでもあり、濃いグレー色のチェック模様のオーバーコートの音を聴いているような、どちらかというとうらぶれたさみしさが漂うものであった。
他日の運命や田園は驚天動地の演奏のようにささやかれていてCDも出ている。今頃言うな、演奏会で聴いた次の日に言え。演奏会に行ってなくてなにかしらの音源のみで語っているなら、それでもやはり、いまさら何をか言わんや、である。手後れである。このような現象は音楽愛好家全般には受け入れられにくく、興味を持つ愛好家が50パーセント。そのうち店頭でジャケットに触る人が20パーセント。買う人が1パーセントぐらいだと思う。発掘もいいが、そのときの時代のライブをそのときに誉めたたえ、愛好家に訴えるべきだった。今頃言っても成り立つのが音楽であり、保存メディアの発達のおかげかもしれない。
この日のシューマンはどうであったかと言うと、戦後復興みたいな音の隙間から重苦しくオーソドックスにそして粘り気なく響く音楽がかなりうっとうしかった。生気がないわけではない。なんだか古い音楽が騒がしいのだ。ここまでしてバブルの日本に来る必要が本当にあったのかしら。
マーラーの4番。これこそ下手をすると隙間だらけの音楽。精神集中、充実度、がボーイングを滑らかに引き延ばしオタマジャクシの間も音で埋められ、音のニュアンスは生気をおびてくるのだ。その反対のことをケーゲルはしたかったのだろうか。
何事もなく第1,2楽章を過ぎ、第3楽章の最後の盛り上がりも空回り気味に終息し、第4楽章の繰り返されるソプラノの響きとともに最後は消滅していってしまった。
翌年の1990年、ベルリンの壁崩壊が関係あったのかどうか知る由もないが、ケーゲルはピストル自殺をした。
あのマーラーはケーゲルの精神の火が消え去った後の音だったのかもしれない。
おわり






1916年 ゾーンニング法以前のビル

2007-02-10 21:01:00 | インポート

Trinity

写真は1916年。

中央部黒い建物がトリニティー・チャーチ。

その右側の広場が、予約待ちのある墓。

トリニティーチャーチ先端部分がある方の先にある黒い二つの建物の間の隙間がウォール・ストリート。

それと直角に右がら左に走る道路がブロードウエイ。

そして左上部にクレイジーに立つ直方体ビル二個。

これがエクイタブル・ビルディング。

120ブロードウェイにある。

100ブロードウェイのとなりの40区画分。

1915年に建った。1916年のゾーニング法の前。

二つあるように見えるが下はつながっている。

直方体のあまりの圧迫感に周囲のビルは怖れおののいたようだ。

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河童も隣のビルからハイドンの驚愕をハミングしている模様。

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アルヴィドに捧げる レニングラード2 1989-12

2007-02-09 20:52:00 | コンサート
この年のレニングラード・フィルは公演数23回を数える。
テミルカーノフの棒のことは昨晩書いたので、今日はヤンソンスのこと。

アルヴィド・ヤンソンスに捧げる、とした演奏会はこんな感じ。

1989年10月25日(水) 7:00pm オーチャード・ホール

ワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
リスト/ピアノ協奏曲第1番
ベルリオーズ/幻想交響曲
(アンコール)シベリウス/悲しきワルツ

ピアノ、ワレリー・クレショフ
マリス・ヤンソンス 指揮 レニングラード・フィル

マリスは1984年に亡くなったアルヴィドの息子。
今晩の演奏会が、なぜ、アルヴィドに捧げる、となっているのかは知らない。

マリスの棒は非常に精力的で、また、手と足が横に広がる感じで、音楽を強引にひっぱっていくようにみえる。
一曲目のワーグナーはこの夜のプログラム・ビルディングとしては違和感がある。はっきりロシア物に決めてよかったのではないか。

幻想はずいぶんと強引な押しが耳だつ。
棒があまりにも精力的であり、生きた音楽が押しつぶされてしまいそうだ。
もっと柔らかい音楽が欲しいところであるが、アンコールのシベリウスでそのようなことが達成できたとしても、それは間違い。ベルリオーズそのものの中で柔軟性を発揮してほしいものだ。
結局、リストのピアノ・コンチェルトが一番良かったように思える。ピアノはわりと骨太。このオケによる伴奏はぜいたくの極み。
それにしても幻想の後に、アンコールがシベリウスの悲しきワルツでは、奇をてらい過ぎ。曲同士の結びつきもなく、違和感がある。
やはり、ベルリオーズの/ラコッチィ行進曲でよかったのではないか、と思う。
おわり





多すぎるレニングラード1 1989-11

2007-02-08 20:57:00 | 音楽

神が去った後でも、レニングラード・フィルは来日を重ねる。

クレイジーな回数であった。

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9.28群馬県民会館

9.29千葉県文化会館

10.1神奈川県民ホール

10.2聖徳学園川並記念講堂

10.4名古屋市民会館

10.5長野県民文化会館

10.6金沢市観光会館

10.7富山市公会堂

10.9神奈川県民ホール

10.10オーチャードホール

10.11オーチャードホール

10.13福岡サンパレスホール

10.14佐賀市文化会館

10.15熊本市民会館

10.16鹿児島県文化センター

10.18下関市民会館

10.19姫路市文化センター

10.20フェスティバルホール

10.21フェスティバルホール

10.22ザ・シンフォニーホール

10.24柏市民文化会館

10.25オーチャードホール

10.26オーチャードホール

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うーーん。

素晴らしい。

日本の箱もの。

どこにいってもド素晴らしいホールがあるのだ。

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約一か月で23回演奏しまくってしまったレニングラード・フィル。

今なら一度の来日で、普通6~10回程度の演奏会だろう。

一回しか演奏しなかった某団体もあった。

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この年のレニングラード・フィルに神はもういない。

ユーリー・テミルカーノフとマリス・ヤンソンスが振り分けた。

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両方の棒を一回ずつ聴いた。

最初はこれ。

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19891011()7:00pm

オーチャードホール

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ショスタコーヴィッチ/祝典序曲

チャイコフスキー/

くるみ割り人形、第2幕全曲

ムソルグスキー/展覧会の絵

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ユーリ・テミルカーノフ指揮

レニングラード・フィル

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断然素晴らしかったのが、ナッツクラッカー。

分厚いサウンドで、バレエ音楽というよりは、ほとんどシンフォニーの世界。

チャイコフスキーの堰を切った流れる音楽がとまらない。

それでも横に流さず、深く切り込んでいくレニングラードの音。

筋金入りのコントラバスはロシアのオーケストラの特徴だが、ブラスを圧倒するこのバスの音はほかのどのオーケストラからも聴くことはできない。

この曲、チャイコフスキーの数ある曲の中でも絶対必聴。

クリスマスの軽い音楽では、決して、ない。

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ショスタコの祝典序曲は、ブラバン的にはこれまた必聴。

なにしろレニングラード・フィルがやる演奏だぜ。これを聴き逃す手はない。

出だしのブラスによる三拍子のファンファーレの音色の光輝くグレーな色彩。

そして二拍子にはいるやいなや、クラリネットのほとんどサーカスのような離れ業。

これ、本当に、指、使ってるの?

唇の運動だけでは?

そして、グリンカのルスランとリュドミラを思い起こす全く乱れぬ弦。唖然。茫然。

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展覧会の絵は、ほぼ、爆発状態。

平然と吹きまくるブラス・セクションはそら恐ろしい。

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テミルカーノフの棒は、以前書いたときと同じような印象。

127 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -1-

128 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -2-

129 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -3-

130 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -4-

131 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -5-

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マイケル・ジャクソン 怒りの日

2007-02-07 20:49:00 | 音楽

河童国にはクラシック以外の音楽が存在しない。

そのため、たまに人間界に滝登りを行いエンタメ修行をつむ。

今回のテーマは、「ものまねエンタメをきわめる。」である。

まず観なければ話にならないということで、ここのお店に皿ごと出没してみた。

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六本木のSTAR

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夜な夜な、一晩3回ものまねショーが行われているようだ。

ワン・ステージがノンストップ45分。

ショー全体がコンピュータ制御のように思える。

そんなことはないと言っていたが、あやしい。

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非常に楽しめるショーであった。

テレビ芸能人の学芸会のようなばかくささが微塵もない。

甘えのきかないシビアな世界の、そこはかとなく、それでいて、いとおもしろき、人間界のショーであった。

観る前は45分というのは短いような、少しばかりの危惧を抱いていたのだが、実際接してみると、これだけ持続するエネルギーはやるほうも見るほうも適切な長さだと実感した。

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「天城越え」の絶唱は、曲が曲だけにやはりこのような美人が美声で歌うのが理想ではないか。

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それはそれとして、限りなく怪しい扮装のマイケル・ジャクソンの歌。

これ、なに?

河童国ではクラシックしか存在しないため、曲のタイトルが全く、わからない。

でも、この曲のハーモニー、メロディーライン。

やはり、限りなく怪しく、似ている。

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これは、ヴェルディのレクイエムの第2曲の「怒りの日」だ。

微妙にラインをぼかしているが、河童の耳をだますことはできない。

なんだか、とても新鮮に聴こえてくる。

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さっそく、河童洞窟に帰って、ネットで検索してみたが、どうもうまくヒットしない。

コピー曲だという定説、認知、がないのだろうか。

無知というのは全く困ったものだ。

あまり深い追いすると、それこそ深みにはまるので、誰か知っている人に聴くのが一番だ。

誰かおしえて。

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オペラの大家ジュゼッペ・ヴェルディの作曲したレクイエムは、聴きようによってはほとんどオペラのような曲だ。

流れ出て溢れ出るヴェルディ調(本人だ!)の太めメロディーの数々。

美しいブラスのピアニシモ・ハーモニー。

合唱もソリストも全力でことにあたらければならない。

何度聴いてもいい。

マンゾーニも死に切れたと思う。

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この曲は約90分の曲だが、第2曲怒りの日に約40分かかる。

全部で7曲であるから、怒りの日がいかにバランスを崩した曲であるかわかる。

しかし、ときとして、このようにしてまで表現しなければならないものが人にはある。

マーラーの大地の歌、しかり。

この曲はテレビのコマーシャルなどでもさかんに流れるので知っている人も多いと思う。

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それで、スター、であるが、

ジャクソンの歌をたしかめに再訪しなければならない。

それに天城越えも観たい。

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0190 東京の夏 音楽祭 1989 1989-10

2007-02-06 21:09:00 | コンサート


東京の夏 音楽祭 1989

東京の夏<音楽祭>というのは、第1回目が1985年というから20年以上続いているとは立派。
しかし、最近はどうなんだろうか。あんまりぱっとしない。
それともこちらの関心が単に薄れてしまっただけなのか。

1989年は第5回になる。

第5回<東京の夏>音楽祭1989
7月11日(火)~26日(水)
ドイツ浪漫主義
その展開と反逆
ベルリンの夜明け

演奏会13回
バレエ1回
シンポジウム&レクチュア11回

副題3行はものものしすぎて時代遅れの感が無きにしも非ずだが、それでも大きな問題意識に取り組む姿勢は素晴らしい。
また、シンポジウムやレクチュアが多すぎるのも日本的で、何とも言えずいい。
初日が、
エリアフ・インバル指揮ベルリン放送交響楽団のマーラーの第7番。3日目が同じ組み合わせで、ワーグナーのトリスタン前奏曲と愛の死とブルックナーの3番。
初日のことは昨日書いた。

この音楽祭。わりとすごい。

7.11ベルリン放送交響楽団
7.12ブランティスSQ
7.13ベルリン放送交響楽団
7.14レクチュア「維納・伯林/二都物語」マーラーとR.シュトラウス
7.14レクチュア&コンサート ベートーヴェン後期のロマン性について
7.15レクチュア ドイツ・ロマン主義と現代詩
7.15シャトル・コンサート ロマン主義への憧憬と反逆
7.15シャトル・コンサート もう一つの流れ
7.16レクチュア ワーグナーのオペラ演出
7.16シンポジウム ドイツ浪漫主義
7.16シンポジウム マーラーの位置
7.17ブランティスSQ
7.18藤川真弓ヴァイオリン協奏曲の夕べ
7.20レクチュア・コンサート ドイツ・ロマン主義運動におけるオペラ
7.21バレエ トリアディック・バレエ
7.22レクチュア ワーグナーとフランス象徴派
7.22レクチュア&コンサート 怪奇幻想 E.T.A.ホフマンのロマン主義的世界
7.23レクチュア ドイツ・ロマン主義における‘夜’
7.23レクチュア&コンサート ヘルダーリン変貌 ヘルダーリンの詩と音楽
7.25木村俊光バリトン・リサイタル
7.26リヒャルト・シュトラウス頌

このものものしさ!


初日のマーラー7番に行ったときにプログラムをいただいた。
90ページ弱でこれもかなりのボリューム。全日程のプログラムのほか、充実した曲目解説、それに興味深いお話なども載っておりその充実度は普通ではない。
いまさらでなんだが、このコンサートが今あれば、すぐ行くかもしれない。

7.15ロマン主義への憧憬と反逆
ツェムリンスキー/幻想曲集OP9
ウェーベルン/6つの歌OP14
ベルク/私の眼を閉じさせて
    第1作、第2作
シェーンベルク/弦楽四重奏曲第2番

魅力的なプログラムだ。
シェーンベルクの曲にはソプラノがはいる。
弦楽合奏版が多彩な音楽をより楽しめる。
おわり




0189- インバル ベルリン 夜の歌1989-9

2007-02-05 20:45:00 | コンサート・オペラ





当時唐突な組み合わせでやってきて、マーラーの7番と翌々日ブルックナーの3番を振っていった人がいる。

1989年7月11日(火) 7:00pm サントリー・ホール

マーラー 交響曲第7番 夜の歌

エリアフ・インバル 指揮 ベルリン放送交響楽団

エリアフ・インバルが一番輝いていたのは、1974年から1990年にかけて常任指揮者をしていたフランクフルト放送交響楽団の時代であったと思う。
1970年代の、今となってみればガラクタかもしれない現代音楽(時代音楽)などを一生懸命振っていた当時の活力。合わせてマーラーから現代に至る系譜の音楽も精力的に振っていた。
フランクフルトの録音は当時から音質抜群でNHK-FMでよく流れていた。今の今でも貴重な録音があり、テープがあればまた聴きたいものだ。
そのインバルが、この年なぜかベルリン放送交響楽団と<東京の夏>音楽祭のオープニングにあわせてやってきた。

ベルリン放送交響楽団は、それまでに聴いたことがあるかどうかすぐには思い出せないが、このときの音というのは、黒く青くそして骨組みが太くそれでいて先まで見通せるような、建築中のビルの鉄骨の間から先が見えるような、そんな音であったと思う。これは、指揮者のマーラーの譜読みが、そうなっていたからかもしれない。インバルはマーラーのスペシャリストとして名高くなってしまっていたので、聴く方もある一定のイメージがあったのかもしれない。

マーラーの7番。
一番最初に耳にしたのはクーベリックの棒によるレコード。そして初ナマは1977年のミヒャエル・ギーレン指揮N響、このときは連日聴いた。
昔は、6番は日本人は演奏不可能みたいな雰囲気があり、演奏は出来たかもしれないがあまり聴けたしろものではなかったということだろう。7番はどうであったのだろうか。出来上がった造型があまりにも、変、であったためかなかなか演奏される機会がなかった。日本では。
最初に聴いたときは、思うように長調になってくれない第1楽章にやきもきしたものの、第5楽章ですっきりさわやか、トランペットをはじめとするブラスがフォルテッシモからピアニッシモに変幻自在な強弱のなか見事なエンディングをむかえる大変に魅力的な曲であった。
最近聴いた生ですごかったのがバレンボイム指揮のベルリン・シュターツカペレのもの(2005.2.20)。超へヴィーで宇宙の底に沈んでしまいそうな演奏であった。それでいて妖しく艶やかであった。

また、トンデモCDもある。
オットー・クレンペラーの超スローな第5楽章。
タイミングが第5楽章だけで24分10秒。これがいかにスローなものか、聴きこんでいる人はすぐにわかるはず。アクセルとブレーキが同時進行する第5楽章冒頭のティンパニを聴くと、クレンペラーの頭の中を覗き込んでいるみたいな錯覚に陥る。

それで、インバルの夜の歌は大変に鮮やかなもので骨太の演奏にいたく感動したわけだが、インバルのマーラーで思い出した演奏会がある。
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1977年6月18日(土)7:00pm
東京文化会館
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モーツァルト交響曲第40番
マーラー交響曲第1番
エリアフ・インバル指揮
日本フィル

このときの1番も素晴らしかった。
線はやや細めながら、次第に熱くなる演奏が印象的。
この日の演奏、たしかCDで出たような気もするが定かではない。
1936年生まれの指揮者だからこれからも日本で棒を振る機会もあるはずだ。
おわり


幻影のシンガー・タワー

2007-02-04 16:22:04 | NY pics



幻影のシンガー・タワー

建設1908年
消滅1968年
47階
186.5メートル
住所:149ブロードウエイ
建築家:アーネスト・フラッグ

1908-1909年 世界最高記録
メトロポリタン・ライフ・インシュアランス・カンパニー・タワーにぬかれる。

12階建ての上に塔をのせている。
塔の部分は狭く19.5平方メートル。
シンガーミシンのビル。



ブロードウエイとリバティストリートがクロスしているコーナーに屹立。
今はリバティー・プラザ。
少し、(世界貿易センタービル)のほうに傾斜している感じ。


「建設開始から1年8か月で完成。
1908年5月1日に完成。
1200人の労働者により完成。

ケルン大聖堂1248年建設開始し、1889年に完成。
クフ王の大ピラミッド毎年10万人で30年間かかった。」

(シンガー・ビル建設史)

おわり


OCNブログ

2007-02-04 00:35:22 | 音楽

OCNの工事が終わり携帯対応できるようになりました。

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ロシア・ソビエト? ボリショイ・オペラ4 1989-8

2007-02-02 22:01:00 | 音楽

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1989年のボリショイ・オペラは、お祭りの一環で来日した。

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「ロシア・ソビエト芸術祭」

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これは、19895月~11月、に日本国内で行われたもの。

参加グループ・演奏家はこんな感じ。

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モスクワ・ソロイスツ合奏団

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ボリショイ・オペラ

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ワディム・レーピン(ヴァイオリン)

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ペルミ・バレエ

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レニングラード・マールイ・ドラマ劇場

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レニングラード・フィル

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ワレリー・クレショフ

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モスクワ・ヴィルトーソ室内管弦楽団

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リリヤ・ジルベルシュタイン(ピアノ)

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エフゲニー・キーシン(ピアノ)

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芸術祭というといかにもすごいような感じがするが、この出演団体・演奏家をいまあらためて見てみると、

今なら、普通、

である。

年間の来日団体・演奏家をみてみると今ならロシアからこれだけきても、誰も何も驚かない。

それに、これの何倍、何十倍の人たちが全世界から毎年日本にきて演奏している。日本は超一大市場であり、金払いもすごい。

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ところで、このお祭り。

「ロシア・ソビエト芸術祭」

ソ連解体前と解体後が混ざったようなタイトル。

しかし、崩壊は1991年。

だから、1989年はソ連崩壊前。

崩壊を予感したような芸術祭の命名、今読めばそのように見える。

もちろんそれは誤り。

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崩壊前のロシアの正式名は、

「ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国」

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ウクライナなら、

「ウクライナ・ソビエト社会主義共和国」

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だから、略して、

「ロシア・ソビエト芸術祭」

としたのだと思う。

崩壊解体後は、「ロシア」となったので、早い話が、1989年時点のロシアの芸術家が大挙して来日したということだ。

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ボリショイ・オペラは12回公演をしたわけだが、指揮者の顔ぶれがそれなりにすごい。

エフゲニー・スヴェトラーノフ

ウラディミール・フェドセーエフ

マルク・エルムレル

アレクサンドル・ラザレフ

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ボリショイ・オペラが日本でロシア物を出すということは、それだけの自負と矜持を自覚していたということだ。

この顔ぶれなら、いい出し物となるのは当然なのかもしれない。

もちろん、歌い手もすごく、ネステレンコ以下、ダブルキャスト、トリプルキャストでロシア総動員で頑張った。

指揮者も含めのような配置はロシア特有の日常的システムなのかもしれない。

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これと対極にあったのが、

ダニエル・バレンボイム指揮

ベルリン・シュターツカペレ

たとえば2002年の歴史的公演。

20日あまりで、リング3回、他演奏会4回、の計16回公演。

棒はバレンボイムだけ、というすさまじさ。

バレンボイム リングのDAT

おわり

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エフゲニー・オネーギン ボリショイ・オペラ3 1989-7

2007-02-01 22:08:00 | 音楽

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1989年ボリショイの3本目は、室内楽的美しさを持つこの劇。

7141516日の三日間連続で上演された。

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チャイコフスキー作曲

叙情劇

エフゲニー・オネーギン

37

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エフゲニー・オネーギン/

ユーリー・マズローク

 イーゴリ・モローゾフ

レンスキー/

 アルカージー・ミシェンキン

 アレクサンドル・フェージン

タチヤーナ/

 マクワーラ・カスラシヴィーリ

 ガリーナ・ボリーソワ

オリガ/

ガリーナ・ボリーソワ

 タチヤーナ・エラーストワ

クレーミン公爵/

 エフゲニー・ネステレンコ

 ゲオルギー・セレズニューフ

.

マルク・エルムレル指揮

ボリショイ歌劇場

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チャイコフスキーのひたすら流れ続ける美しいメロディーの数々。

室内楽的な装いのオペラでありながら、時折、縦に盛り上がる音楽のダイナミック・レンジが印象的。

1幕第2場のタチアーナの部屋での静かな音楽。

チャイコフスキーの静かさが身にしみる。

2幕第2場の決闘の場さえ美しい。

メト座の河童は、オペラ・ゴアーズのおばさんが、この場面になるといつも前もって、耳に手をあてピストルの音をふさいでいたのが印象的だったのを覚えている。わざとらしさがなく、この人たちはこのオペラをいったい何十回観たのだろうかとうらやましくなったものだ。

3幕のグレーミン公爵は、歌い得く、というか効果的というか。

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バブル期のNHKは、この公演も生中継した。

1989716()

この日の公演も丸ごとDAT化したが、いまのところ河童蔵で行方不明になっている模様。

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静かに燃えるこのオペラはこのCDで聴きたい。

ジェームズ・レヴァイン指揮

ドレスデン・シュターツカペレ

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メトロポリタン・オペラの主が1987年頃収録したCD。ドレスデンというのがなかなか渋い。音楽の出来上がりもシックなたたずまいでよい。

ただし、このCDなかなか見かけない。初期盤はグレーっぽい紙ボックス・ケースにはいっている。

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オペラのストーリーを独自の観点から書いているサイトがあります。

「すずめの部屋」で検索すればでます。少し長い文章ですが非常に知恵がつきます。

おわり

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