河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2784- ベートーヴェン1番、運命、阪哲朗、山響、2020.7.7

2020-07-07 23:35:02 | コンサート
2020年7月7日(火・七夕) 7pm やまぎん県民ホール

ベートーヴェン 交響曲 第1番 ハ長調 op.21 9-7-3-6

Int

ベートーヴェン 交響曲 第5番 ハ短調「運命」 op.67 7-8-5+11

阪哲朗 指揮 山形交響楽団


今年2020年の5月13日に全面オープンした新ホールにお初でうかがいました。全2001席で3階席までのいかにもオーケストラ向きのビューティフルなもの。山形駅から至近距離、広々とした作りは気持ちを落ち着かせてくれる。床など命名権を得た銀行がもっとお金をかけてもよかったのではないかと思わせるところもあるが、まずは聴いてから。

阪の創り出すベートーヴェンを中心としたいわゆるドイツ物はどれもこれも素晴らしいもので、厚い表現とオケをドライブするちから、みなぎる正面突破の演奏に屈服させられてきた。今日の演奏も食指が動く以上のものでここに吸い寄せられた。

ひとつの小節のなかに込められたナチュラルブラスセクションの4つのアタックがひとつずつ異なる強弱と色彩で生き生きと奏でられていき、それらの濃いニュアンスが果ては全インストゥルメントに自然に波及していくさまはお見事の一言に尽きる。生きて甦るベートーヴェン。
そしてソナタで彼がいつも魅せてくれる第2主題の濃さ。主主題と対をなすにふさわしい味わい深さだ。コクあり過ぎ。
それからもうひとつ、例えば運命の第2楽章を思い出してみよう。シームレスな流れがすぅーと進んでいくなか、時折、仕切り直しのように静まり改めて始まるようなこのアトモスフィア。この漂う空気感を何と言っていいのかわからない。フルヴェンの創り出した響きとよく似ている。ひとときやんだ祈りがまた始まる。そんな感じ。

バンテツの真骨頂がよく出た演奏だったように思います。両曲ともに堪能できました。
リピートあり、対向配置。
ありがとうございました。


2001席のホール、コロナウィルスの影響で席は約300席のみの販売。2、3階席はクローズで、1階席のみ。隣席もしくはその隣まで空席で、横通路より前は右サイド左サイドの席もクローズ。
前寄りの席は、やや、スピーカーの中で聴いているような豊かな音で、コンパクトな編成を思わせることはまるで無い。ザッツポイントの位置を模索しているようなところもある。バーンといくのか、遅れてズシーンと始めるのか、色々とも模索しているようにも聴こえてくる。出来立てのホール、これから少しずつホールと音の一体化が構築されていくことだろう。オーケストラ演奏志向のホールに相応しい響きが醸し出されるようになっていくことだろうと思う。
おわり


《やまぎん県民ホール×山響 ベートーヴェン交響曲スペシャル(第1回)》