河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2212- Trick or Treat in Mnhttn nite (new-rev)

2016-10-29 01:40:24 | 静かな悪友S

河童
「日本人にはハロウィンなんて関係ないんじゃないか。」

静かな悪友S
「いやいや、日本人は西欧のありとあらゆるイヴェントを組み込まないと気が済まないのさ。彼らが右を向けば、右に行列をなすわけさ。その先になにがあるかわからんが、とりあえず並んでみようと。」

河童
「なんでかね。そうゆう特質なのか。河童界では理解できんな。」

S
「最近は商売便乗みたいなところもあるみたいだ。小金あまり、時間あまり、平和ボケ、無いのは、何だろう。パンプキンの中身みたいなもんだ。」

河童
「人間界だとこの前夜祭、外国かぶれした人間どもが余計な仮装をして暴れまくり地下鉄も時間によってはうようよしているな。ウィークデイの何でもない日でもおめでたいことだ。後先見ずに遊びまくりだろう、きっと。」

S
「そうだな。おめでたい。ところでアメリカあたりでもそんな騒ぎが大きかったのかね。」

河童
「どうかな。アメリカ人のすることはたまにわからないこともあるし。」

S
「河童さんが棲息していた摩天楼ではガキどもも入ってこれなかったんだろう。」

河童
「それがそうでもないんだ。ドアマンがいて、セキュリティも厳重で普段なら絶対に誰も侵入できないはずなのにだ、ドンドンとドアをたたく音がする。」

S
「それで。」

河童
「誰だ。不埒な闖入者は。といっても反応がない。誰だ誰だ。こんな21階まで上がってくる奴は。名を名乗れ。」

S
「マンハッタンでは何がおきても不思議はない。」

河童
「ドアの覗き穴から恐る恐る廊下をみても誰も視界にはいらない。それなのにドンドンたたく音だけはやまない。」

S
「なるほど。ガキども視界にはいらないはずだな。」

河童
「3~4人でドアの外でわめいている。なんかくれないとワルするぞ。ってね。はは、これは外で騒いでいる連中のガキどもが、ドアマンに言って催促にきてるんだな。というのはわかった。」

S
「でもあげるお菓子なんか部屋にないだろ。」

河童
「そうだ。毎晩飲みふけって皿にもアルコールが充満しているし、いま皿、何もない。」

S
「でも何かあげないとあの子たち帰らない。」

河童
「最後の手段さ。おかね。お小遣い気味のおかねを渡すと割とおとなしく退散するんだな。利口な子たちだよ。」

S
「毎年そんなことしてたのか。」

河童
「いや、運悪くニューヨーク・フィルの定期のない月曜とか水曜にあたると居留守を使うわけにもいかないが、それ以外は毎晩エイヴリーフィッシャーホールかメトロポリタンオペラハウスかはたまたカーネギーホールだな。だから、もぬけのからというわけさ。でも後で考えると、外からの侵入というのはやはり考えにくい。同じビルの他の住人の子供たちの悪ふざけということだったのかもしれない。」

S
「なるほどね。それはそうとお河童さんの21階のお部屋の番号はSuite何番だったんだい。」

河童
「#21BBだね。」

S
「そうか。それで、Best Boy だったのかね。Bad Boy だったのかね。」


0013- 六本木WAVE Night

2006-07-07 00:00:16 | 静かな悪友S





1999年12月25日(土)、六本木WAVEは閉店した。
日比谷線六本木駅を出て、六本木通りを渋谷方向に向かうと麻布警察があり、その先に日産のビルがありその先隣りの円筒形のビル。エレベータを4階で降りると、右側がジャズコーナー、左側がクラシックである。何度かレイアウトが変わったが、同じフロアにジャズとクラシックがあるというのは、銀座の山野楽器なども同じスタイルだ。河童はジャズとクラシックは全然違うものだと思うけど、両方好きという人は割と多い。とくにオジサン系に。フリードリッヒ・グルダはマジに取り組んでいたのだろうか。単なる息抜きではなかったのか。そんな気持であったなら別に聴きたいとも思わない。ジャズは内部から湧き出る感情である。それをしっかりと受けとめて聴くものだ。やるほうも真剣勝負でなければならない。リコのために、のような甘いメロディーから始めて、その後ジャズを通過しただけだったのでは無いだろうかと感じる。
それで、左側がクラシックコーナー。そんなに大きなスペースではないが、そんななかにモーツアルト・ハウスがある。少し間仕切りされていて、いい感じであった。そのあと確かオペラや歌のコーナーになったような記憶がある。クラシックコーナーは完全に多品種少容量のポリシーとみた。どこかのお店みたいに同じ商品をダラダラならべることもなく、コアな品が揃っていた。渋谷の東急本店通りのビルの一角にあったHMVなんかもその頃はやはりうぶだった。
12月になり閉店セールが始まった。日を追うごとにだんだん安くなっていくのである。ある日河童も悪友と禿鷹のごとく、漁りにいってみた。でもいいものはもうない。賞味期限が切れてなくて安くできないものや、売れ筋ではない初期のオペラなどがなんとなくならんでいる。これは河童の出番だ。

河童「このデニス・ブレインのセット物はなんで定価なんだ。」

店員「はい。まだ賞味期限が切れてませんので。」

河童「割引してくれたら買う。」

店員「だめです。」

河童「河童の記憶によるとこのなかの1枚は、別のシリーズでも出ていて、そっちのほうは賞味期限が切れているはずだ。だからこのボックスは丸ごと安くしても法律違反ではないはずだ。」

静かな悪友S「そうだそうだ。」

店員「。。。。」

河童「なぁ。」

店員「少々お待ちください。」

ムム

店員B「お河童様。お待たせしました。お河童様の言う通りでございました。割引対象でした。」

河童「で、5割オフだろうね。」

店員B「。。。。。。。。。。はい。そうでございます。」


こうやって河童はデニス・ブレインの12枚セットものを格安で手に入れたのだった。
1954年ルツェルンの第九でフルトヴェングラーのもと、ホルンを吹いていたブレインはフィルハーモニアのオケCDで割と聴くことができる。しかしソロの味はやはり格別である。カラヤン好みと言われる前からやわらかで滑るようなビロードの音、境目のないフレーズ。やはり素晴らしかったのであろう。しかしその夭折は車とともにあっというまにやってきてしまった。今日の割引価格は長年お世話になったWAVEへのお返しだ。
ほかにはグルックやヘンデルのオペラなど売れ筋でないものを買い、ナップサックに入れて帰った。はずだった。しかしここは六本木だった。河童の皿を潤さなければならない。河童用のアルコールで皿を洗い、五臓六腑にしみわたった頃には、CDの割引価格など意味もなくなるぐらい酩酊河童になっていた。

WAVEは、今の六本木駅からバブルヒルズビルへ通る地下通路のあたりに位置していた。
「WAVEにCDを買いに行こう」というのは合言葉であり、CD買いは口実。そのあとの1次会は河童好物の〆た鯖がうまい行きつけのおばんざいでおいしいものを食べながら買ってきたCDを見せっこするのである。バブルヒルズビルができたせいで、我らの楽しみは一つ消えてしまったような気がする。
おわり




0011- 全日本吹奏楽コンクール

2006-07-05 01:19:48 | 静かな悪友S

1








河童―「最近の大会は、金賞、銀賞、銅賞みたいな順位付けになっているのか。」

静かな悪友S―「最近ではない。もうずいぶんと昔からそうなっている。」

河童―「なめんじゃねぇ。なんで一位が何校もあるんだ。」

S―「知らん。」

河童―「審査員の耳が悪くなっただけじゃねぇのか。」

S―「そうかもしれん。」

河童―「自分たちの耳を棚に上げて点数付けか。なめんじゃねぇ。」

S―「最近は中学高校ともレベルの向上が著しくて、その差が狭まっていると思う。」

河童―「なんだぁ。それじゃ審査員の耳だけが昔のままでレベルは上がっていないと言うことじゃねぇか。」

S―「そうかもしれん。たしかに高校野球や春高バレーで金賞4校、銀賞3校みたいな話しは無いな。」

河童―「なんで完膚なきまで白黒つけないんだ。どうせ審査員なんてろくでもねぇ連中がやってるんだろ。」

S―「よくわからんが、毎年ころころよく変わってるようだな。オケの団員とかも審査をしたりしてるみたいだ。その辺からあらためないとだめなんだろうね。」

河童―「なさけねぇ団体だな。その昔ははっきりと一位、二位、三位、四位、五位、六位、七位、八位、、、、、となっていたはずだ。」

S―「昔は五位ぐらいまでの学校は、音楽に少し詳しい連中はみんな知っていたし。」

河童―「あたりめぇだ。全国大会に出れば部活の年間予算もたんまりもらえたんだ。」

S―「そうなんだ。」

河童―「俺はきいたことがあるぞ。その昔エルザの行進で全国大会三位にはいった学校があったな。例のY校だ。」

S―「おっ。その名前聞いたことがあるぞ。」

河童―「あたっりめぇだろう。弱音系がきれいで定評のあった高校だ。いまどき、弱音が美しいとか、流れるような音楽に特徴がある、などといった学校なんかあるもんか。ただ技術的にうまいだけじゃねぇのか。」

S―「かもな。それでその高校は三位どまりだったのか。」

河童―「ちょっとまて、エルザのときは七位で、翌年カリニコフで三位だったかな。ジャンニーニだったかな。ちょっと皿が乾きすぎだ。その翌年ずにのって、パルジファル!をやったら弱音過ぎて途中で落ちてしまい、全国までいけなかったようだ。」

S―「なるほど。それはそれでなんとなくありそうな話しだなぁ。昔から時間の流れに乗っていなかっただけなんだろう、審査員が。その年だけ聴けばいいみたいな。どっかの音楽評論家みたいだなぁ。」

河童―「わぅぅ」

S―「なんだその声は。」

河童―「河童が意見に同意したときの声だ。」

S「結局、文化の平板化だと思う。」

河童―「なんだそれ。」

S―「つまりだな。便利文化に感化されて育ってしまうと上位互換性しかなくなってしまうんだ。」

河童―「なんだそれ。パソコンみてぇだな。」

S―「つまりだな。どんな辺鄙なところに旅に出ても、寝るときはクーラーにベット。トイレは水洗洋式ウォシュレットでなければならなくなるのだ。観光のときだけ、すごい景色だな、とか言っている。一回楽してしまうとそれ以下での生活様式は出来なくなるわけだ。」

河童―「音楽と水洗便所が関係あるのか。」

S―「つまりだな、一度うまくなって技術が上位互換性レベルまであがってしまうと特色がなくなってしまうんだ。地域的な特色がなくなってきて、どこのオケもただ単にうまいだけ。そしてどこへ行っても同じレベルの演奏となってしまう。つまり文化の平板化だ。」

河童―「そしたら審査員もある程度しょうがないんじゃないのか。まて、このせりふ最初と逆のことしゃべってるな。自分でも変に納得してしまったな。」

S―「いやいや、そうじゃないんだ。いまどきの審査員は聴く経験を持っていないんではないかと思う。文化の平板化というならば、その平板の地球の上の音楽を普段から聴きまくってなければならないと思うんだ。そういう意味では耳が悪いだけではなく、経験が少なすぎるんだ。吹奏楽だけ聴いていてもだめだな。」

河童―「そりゃそうだ。昔、高校の定期演奏会でベートーベンの運命の第3、4楽章とかやってたクレイジーな高校があったな。」

S―「それも例のY校なんだろう。」

河童―「わぅぅ」

S―「ほら。でもそうやって、やる方は腕を磨き、聴く方は耳と皿を磨いたんだな。」

河童「わぅぅ」