河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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ヴォツェック ウィーン6 1989-20

2007-02-27 22:46:00 | オペラ







1989年ウィーン国立歌劇場来日公演で、ヴォツェックは3回だけ上演された。

1989年11月12、15、18日  NHKホール

アルバン・ベルク 作曲 ヴォツェック

ヴォツェック/フランツ・グルントヘーバー
尉手長/ウィリアム・カクラン
アンドレス/ヘルムート・ヴィルトハーバー
大尉/ハインツ・ツェドニク
医者/オーゲ・ハウグランド
白痴/ペーター・イェロシッツ
マリー/ドュニャ・ヴェイゾヴィッチ
マルグリード/アンナ・ゴンダ
マリーの子供/ヴィクトル・レーネル

アドルフ・ドレーゼン 演出
クラウディオ・アバド 指揮 ウィーン国立歌劇場

3幕物でヘビーとは言っても演奏時間だけ見ると、
第1幕35分ぐらい
第2幕35分ぐらい
第3幕25分ぐらい

音の難解さが時間を長く感じさせるのだろう。
一気にやるか、休憩を一回にすれば全部で2時間もかからない。比較的短いオペラだ。
メト座の河童はベーレンスのマリー、レヴァインの棒で2回観たことがあるだけだ。これはいつか書くと思う。
メトでの上演回数も回数もかなり少なく、おそらくいまだ二ケタ台、50回ぐらいではないだろうか。
ヴォツェックはオペラではあるのだが、音楽劇、劇としてみると理解がしやすいかもしれない。CDで音だけというのは、以前舞台を見たことがある人にとってはその舞台のイメージが湧くが、観たことのない人にとってはふくらますのがなかなか困難だ。今ならDVDを見ながら聴くことができる。
舞台設定はリアルであるため、比較的理解しやすいし、目があまりきょろきょろすることもない。
このオペラ、思い出すのが難しい。消化不良のような感じであるが、マリーが死んでも続くオペラの緊張感と、むなしい子供。独特のストーリー展開がその緊張の糸を緩めない。
最終的にはベルクの傑作に打ちのめされる。
アバドのヴォツェックは同じような配役同じオケで1987年録音の目のさめるCDがある。

1989年のウィーン国立歌劇場来日公演は都合4演目上演された。
パルジファル
ランスへの旅
魔笛
ヴォツェック

こうやってみると4演目であるが、それなりに多彩であり、指揮者も3人ということで万全であった。これらを聴くとオペラの幅がひろがると思ったものだ。
今はこの時代と異なりオペラが比較的ブレークしており、国内でも常時いろいろなオペラを観ることができる。良い環境になりつつある。
初台の新国立劇場はオペラ専門ホールであるが、常設のオケや指揮者がいるわけではなく、また出し物もポツポツといった感じで、パッチワーク的要素があり、また一つずつの出し物がイベント性を帯びておりレパートリーというにはいまだ遠いものだ。
日本のオペラの出し物は世界の3大オペラハウスような路線を目指すのか、それともなにか独自なシステムを確立していくのか楽しみではある。

このときのウィーン国立歌劇場来日公演では、4演目以外にガラ・コンサート1回。ウィーン・フィルとして2回の演奏会をもった。これらについては聴いていないのでなんとも言えない。
それにしても1989年~1990年、またその先1,2年は来日演奏団体の公演ラッシュだった。全部聴くのは不可能であったが、アウトラインは聴いているので、このあとまた少しずつ話を先にすすめることにする。
おわり