河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1358- ロジャー・ノリントン、N響2012.4.21 レオノーレ2番、ベト4、ティペット1番

2012-04-26 01:05:58 | インポート

2011-2012シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから。
2011-2012シーズン
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2012年4月21日(土)3:00pm
NHKホール
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ベートーヴェン レオノーレ序曲第2番
ベートーヴェン 交響曲第4番
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ティペット 交響曲第1番
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ロジャー・ノリントン 指揮
NHK交響楽団
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ノリントンがやたらと演奏を気に入ったらしく、楽章間のオケ団員への拍手のみならず、こちらの聴衆の方をたまにみて、どう、すごいだろう。みたいなしぐさが結構多かった。昔のハインツ・ワルベルクは好々爺という感じだったが同じようなことを何度もしてましたよね。
ノリントンはベートーヴェンの4番の第1楽章を特に気に入ったように見えました。たしかに滑るような演奏で、全く弛緩しない、意図していることが全部かなったように見えました。この第1楽章の凝縮感は良かったですね。かつてのクラシカル・プレイヤーズの主がN響を完全コントロールといったところです。
この4番の予兆はたしかに有りました。もちろんレオノーレ第2番の筋肉質のような見事に引き締まったサウンド、ウィンドの音の喜び、ホルンのやや前期的なひなびた感じ、ノリントンの速くもなくインテンポでもない割と驚きに近い演奏スタイル。彼はこの曲が好きなんだろうね。3番よりもずっと。
愛着に勝る解釈はない。素晴らしい序曲でした。プレイヤーの能力を引き出す指揮者の能力も生半可じゃない。聴きごたえありました。
4番の第2楽章の倍速でようやく我に返りました。ノリントンが振っているんだと。大振りですがオーケストラが全く緩まない。むしろ、しなった弧の緊張感が心地よい。いい演奏です。
第3,4楽章ではベートーヴェンのドツキのアクセントをよく鳴らした演奏で、指揮の指示もほとんどドツキのあたりに集中している。3番と5番の間のシンフォニーではなく、5番の直前といったおもむき。すっきりするぐらい気持ちよかったですね。最終楽章の最後の音は聴衆に向かって振る。楽しそうだ。
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後半のティペットの1番。プログラム解説ではベートーヴェンとの近似性やソナタの形式感について少ししつこく述べていたが、聴けば分かるように最初から最後までフーガみたいな感じで、折り畳み傘のような音楽がずっと鳴っている。ドラマではない。単なるリピートでもない。様式の強調もない。最後のティンパニは遅れてきたドラマのようでもある。結局、いつも通りイギリスブラバン音楽の雰囲気で聴くのが一番いいのではないか。
前半、ノースコアのノリントンは、後半ティペットでは楽譜完全にらめっこ状態。愛着もほどほどなのかもしれない。
1番の生演奏なんて聴くのは初めてだと思う。聴きづらくはない。安心できる様式感でありそういう意味では裏切られることもない。前向きな気持ちで音楽に取り組むことが出来ました。
おわり

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1356- KILCHOMAN キルホーマン 現地からいただきました。

2012-04-21 20:26:05 | おみやげ

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KILCHOMAN 2006年産 若者です。
ISLAY SINGLE MALT SCOTCH WHISKY
NON CHILL FILTERED NATURAL COLOUR
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Cask Number 226/2006
CASK TYPE Bourbon
DISTILLATION DATE 2006.9.6
BOTTLE DATE 2011.9.8
SINGLE CASK RELEASE
59.3% ALC/VOL
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キルホーマン
アイラ島に2005年オープン。
スコットランド最西の蒸留所。
ヘビーピート麦芽使用。たぶんフルーティー。
刺激的なスモーキー。
希少量生産。
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(コメント)
お酒は20歳を過ぎてから。

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1354- スーク、ドヴォルザーク、ヤナーチェク、アルミンク、新日フィル2012.4.13

2012-04-16 21:04:24 | インポート

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2011-2012シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから。
2011-2012シーズン
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2012年4月13日(金)7:15pm
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ヨゼフ・スーク おとぎ話
ドヴォルザーク ヴァイオリン協奏曲
 ヴァイオリン、マティアス・ヴォロング
(アンコール)バッハ パルティータ第3番よりガボット
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ヤナーチェク イェヌーファ、組曲(日本初演)
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クリスティアン・アルミンク 指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
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あらためて曲の真価を知るといった趣きでいい演奏会でした。スークのおとぎ話は初めて聴くのであらためてということではありませんけれど、なにかドヴォルザークにあったものがここにもあった。力を込めて聴けばどのような曲でも必ずいいところはある(変な意味ではなく)。曲の光を探す行為。それなりにアクティブではあるつもり。
標題音楽のイメージのふくらみを感じ取ることが出来ました。アルミンクはこの音楽もそうだがどうもチェコ風なものにこなれているというか感性があっているのか、いつぞやのマルティヌーも立派なものでしたし。
2曲目のドヴォルザークは本当にあらためて曲の大きさ、オーケストラのスケールの大きさを感じました。ヴァイオリンに直接絡んでくる旋律が多くてどうもすっきり感がない曲だと思っていたんだが、今日のヴァイオリンは艶やかさとともに幅のある音、力強く輝くサウンドで、強大なオケ伴に負けていない。
オーケストラ編成もこれだけ大きければ伴奏としてのサウンドは埃っぽくなりがちだが、この日のオーケストラは非常に丁寧な演奏に終始し微妙なニュアンスを飽きることなく聴かせてくれたと思います。いわゆる味のある演奏でこの曲にあらためて光りをあててくれた演奏。気持ちのいい演奏会ですね。
19:15から始まった演奏会はここまでで時計を見ると20:30、後半のヤナーチェクは30分ほどだが、始まる前からこの曲のウエイトをなんとなく感じる。休憩時間、外に出てみると雨、錦糸町に来るときは本当に雨が多いような気がする。5月22日オープン予定のスカイツリーも雲の中。
それで後半イェヌーファ、組曲ものとしては日本初演。このオペラは昔、METで観たことがあるがなにがなんだかさっぱりわからなかった。字幕などない時代、ネットなんかあるはずもなく情報皆無。日本語のあらすじ本もなかったと思う。当日もらったプログラムをめくりながら斜め読みしてのぞむ。日本語ではないので半分も読めず、幕が上がる。
遠い記憶の底にあるのは、さざ波のように打ち寄せるオタマジャクシ、そしてハートの鼓動のリピート。柔らかくて境目がなく大海の海原のような響き。なんとなく記憶にある。
この日の組曲は全曲からのピックアップ&編曲。遠い記憶が蘇えってきた。まさしく記憶通りのものが溢れてきた。そして新発見もあった。斬新な響きがいたるところにある。こんなに新鮮で強烈な音楽だったのかと。魅力的過ぎる。
全6曲エンディングのストップの仕方が非常にユニークで、これがチェコ語と言われればそうだと納得するかもしれない。ヤナーチェクは例えばハンガリーのバルトークみたいに自国の民謡のようなものを収集してあるいたのだろうか。音楽に言葉のアクセントが再現されるのは足で稼いだ自国への愛であって、これがあるからこそいわゆる民族音楽となる。ヤナーチェクはどうだったのだろうか。この日の編曲に声はないが、声の歌まで編曲しているのだろうか、そうであれば作曲家編曲者ともども並々ならぬ自国への愛で満ち溢れている。不勉強で的外れかもしれない。とにかくそう感じました。
それからこの響きなんですが、リズムに関してはマルティヌーほどではないにしろミニマルなものを感じます。これもさかのぼればドヴォルザークとかスメタナあたりまでいってしまい結局、チェコ音楽はそのような刻み大好きの音楽であってたまたまライヒとかグラス風に後になってそう聴こえてしまうだけだ、と言われればにべもなくなっちまうが、まぁ、その方向で聴いてみると非常に面白い曲が多いですね。マルティヌーもヤナーチェクも。
関連性の有無についてはこれまた不勉強でよくわかりませんけれど、自分にとってはエルガーの交響曲第1番をブラバンの曲だと思って聴くと飽きが来ず惹きこまれていくのと同じ感覚。普段こんな聴き方をしてます。だから音楽の流れ、歴史が織りなす流れがどうであれ自分で宇宙の法則を創っちまう。これって創造とは言わず、創造のねつ造なのかな。
おわり
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1353-  レコ芸読まず開かず。

2012-04-10 02:22:38 | 本と雑誌

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レコ芸を読まなくなってから10年ぐらい経つ。読まないといっても宣伝、広告ページは割と見ていて情報を得ていた。でもここ2年ぐらいはそれも含め読まなどころか開かない。開くことが無くなってしまった。唯一、付録のCDを燃えないゴミに捨てる為に取り出す行為だけは毎月一回する。
もう、買わなければいいのかもしれないのだが、何十年もお世話になっているし、昔のレコ芸は今でいうポータルサイトと詳細情報の両方載っているそれこそ総花的な万能音楽雑誌だったのだ。情報発信と知識発信が旨くブレンドされていて影響力の大きい雑誌だった。
宇野コウホウ、三浦淳史、福永陽一郎、吉田秀和、石井観に雰囲気似ていた大木正興、思わず出を外したくなる出谷啓、畑中良輔、黒田恭一、最初から難しかった吉井亜彦、・・・・、
みんな自分の字を持っていて、音楽の中身のことだけでなく書き方のスタイルとかそういったものにも影響された時代もありましたね。途中から、なんとかあまって憎さ百倍、みたいになっちまった人もおりましたが、それもこれも今は昔。今となってみれば全て、昔の話しよ。最後の一人以外は文面も惹きつけるものがありましたね。この方の初出版の本を買って読みましたがわかりませんでした。
大木さんはメディアによく出ておりました。アナログ的な評はフルヴェンの表現に対する妙な理論形成までいっちまったこともありましたが、基本的には好きな評論家でした。60前に早すぎる旅立ちとなってしまったのは残念。
吉田さんは例の全集の第1版初稿(ブルックナーみたいな表現ですね)を第1冊目から丹念に買いむさぼるように読みました。第10冊まで。そのあと確か時間をおいて11,12,13あたりが出た記憶がありそこまでは読み続けましたが、それ以降は編集が切り貼り的な要素が大きくなり、まぁ、ご本人は悪くないとは思いますけれど、脈絡のないショートな文と、何度も同じ話が出てきて、そろそろ賞味期限かなと思って、関心が薄らいでいきました。全集自体は本棚に不死鳥のように鎮座してます。
宇野さんはいまだ現役ですが、三浦さんとは180度ぐらい違ってどちらも面白かったですね。自分の皮膚感覚を大事にする宇野、かたや欧米紙を訳しまくって情報を発信、この太平洋の海原ごとき異なるアンプリチュードの広さ、これらが一冊の本の中に並列掲載。御両名ともに妄想といったら身もふたもありませんが、とにかくおもしろかったなぁ。
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もうひとつ昔話。
河童ステューディオは57丁目にあって同じ通りに日本クラブとか東京書店とかありました。
東京書店ではレコ芸を毎月、日本から取り寄せてもらってました。レコ芸の価格は、たしか、800円台ぐらいと記憶します。東京書店には日本人向け現地向け両方の本をひょろ長い店舗の中に結構たくさんおいてあって重宝していた記憶があります。値段は例えば日本で1,000円の本だと10ドル強、つまり100円を1ドル感覚で販売していたと思います、たしか。それに8.25%のタックスが付きますので、1,000円の本は10ドル82セントです。いま10ドルで1000円の本を買えるなら80円換算で200円ほど得した気持ちになりますけれど、当時はプラザ合意の前後ですので1ドル230円ぐらいの頃なんですね、だから当時10ドルの支払いだと2300円感覚。800円のレコ芸だと8ドルで1840円。今より高い。
それでも取り寄せて買って読まなければという催眠術にかかっていたんですね、最初の頃は。でもよく考えると、エンタメの街マンハッタンに音楽雑誌は溢れておりました。
Ovation, Keynote, opera news, stereo review, New York times Sunday版、・・・・
因みにOvationにはWQXRの番組表、KeynoteにはWNCNの番組表が載っておりました。
Opera newsはメトの毎週の公演情報を乗せて週一で。オフシーズンは月一。
それからもうひとつそれますが、例の日本クラブには床屋がありました。男のヘアカットがたしか30ドルぐらい。一回だけ行ったことがありますが、高すぎでした。30ドルあれば、河童ステューディオの隣のダゴスティーノで2週間分の買いだめが出来た時代。
床屋も現地調達、「ジャスト・ア・トリム」これでチップ込で5ドル。古き良きマンハッタンかもしれないけれど、昔の現実。
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それでレコ芸を読まなくなってしまったのは、透けて見えるようになってしまったということのような気がする。
おわり

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1352- 「指揮者マーラー」、「日本の作曲家と吹奏楽の世界」

2012-04-07 17:03:29 | 本と雑誌

華金のお昼にランチの後、本屋さんで久しぶりに音楽関係2冊買いました。
「指揮者マーラー」それに「日本の作曲家と吹奏楽の世界」、ちょっと立ち読みして中身を覗いてみましたが、力作と感じ買ってみました。本腰を入れて読むのはこれからとなります。

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「指揮者マーラー」中川右介著
書き下ろしの著で、縦書き久しぶりに読むような気がします。一番先に目をひくのが後書きにある、カラヤンは実働62年で約3400回棒を振った、マーラーは実働がその半分ぐらいなのに2400回ぐらい振っている、と。
なにやら4桁オーダーなのでとんでもないような気がしますが、絶対数としてはカラヤンもマーラーもそれほど異常に多かったとは思いません。カラヤン以上に指揮が好きだったような気はします。それを踏まえてのブレークした作曲作品があるわけですからやっぱりすごかったんだろうなと。
とりあえず興味のある後半の方のメト、ニューヨーク・フィルのあたりから読み始めてます。
以前ニューヨーク・フィルのマーラー作品自主制作盤のぶあつい解説を勝手に訳してメモしておいたことがあって、それと一緒に読んでます。ここらへん昔、ブログにも断片をアップしてありますので合わせて読んでもらえればと思います。
これからじっくりと腰を落ち着けて読んでみます。

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「日本の作曲家と吹奏楽の世界」福田滋著
バンド・ジャーナルに掲載していたものをまとめたもののようですけれど、面白いタイトルの本ですね。でもなんとなく気持ちわかります。だいたい切っても切れない縁のようなものを感じますし。
日本人作曲家一人ずつだいたい4ページさいて紹介。白黒ですが写真がかなり掲載されていてこれをみているだけでも全然、飽きない。プロフィール欄にも写真が載っていてわかりやすい。折りたたみの座椅子の右側に置いていたいですね。
日本の作曲家の作品はもっともっと掘り起こしてほしいですね。いい作品がたくさんあります。例えば、最近はあまりぱっとしませんが柴田南雄の作品で、合唱もの邦楽ものはちょっと横に置いといて、ブラス系だと「金管六重奏のためのエッセイ」これなんかすごい作品ですね。輝かしい作品で、何をおいても閃きを感じる、努力より天才、みたいな作品だと思いますね。
現存する作曲家は恒例サントリー夏の現代音楽フェスでもよく見れますから時代を共有していることを実感できます。あとはソフト、それにコンサートの企画ですね。工房的な演奏会やホールが通年であればファン層も広がると思いますが、なかなか簡単ではない。ひところはやった現代音楽ですけれど、もろに風にあたったような作品も多数ありますから、それはそれで面白いのですが、やっぱりひいてしまう人の方が多いのも事実。CDの企画も簡単ではないでしょう。なにしろ音にしなければ話にならないわけで、そのためには演奏者が必要。昔の音源掘りおこしに視点がいってしまうのも残念ながらいたしかたないところもあります。
この本のすごいところは、作曲者本人、関係者に直に足を運んでいろいろと聞きだしているところ。興味は尽きませんね。おすすめです。
おわり

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