2002年7月20日(土) 3pm よこすか芸術劇場
2002年7月27日(土) 3pm 東京文化会館
2002年7月28日(日) 1pm 東京文化会館 ●
2002年8月3日(土) 3pm 東京文化会館
2002年8月4日(日) 1pm 東京文化会館
東京二期会オペラ劇場 プレゼンツ
二期会創立50周年記念公演
ベルギー王立歌劇場モネ劇場提携公演
ワーグナー 作曲
クルト・ホレス プロダクション
ニュルンベルクのマイスタージンガー 全3幕・字幕付き原語上演
キャスト
ザックス 黒田博(Br)
ポーグナー 長谷川顕(Bs)
ベックメッサー 萩原潤(Br)
ヴァルター 田中誠(T)
コートナー 青戸知(Br)
ダーフィット 小貫岩男(T)
エーファ 林正子(S)
マクダレーネ 堪山貴子(MS)
夜警 甲斐栄次郎(Br)
他
二期会合唱団
クラウス・ペーター・フロール、東京フィルハーモニー交響楽団
(duration)
ActⅠ 1:22´
ActⅡ 58´
ActⅢ 2:04´
●
当時の短い感想を書き留めたものがありますので、ほぼそのまま掲載しておきます。以下、
〇
リピーターになりそう。
7月28日(日)、二期会マイスターを観てきました。コーラス、指揮者、オケ、歌手、この順番でおしなべて好演を見せてくれました。
前回の公演が1981年ということですから、ふた昔前ですね。この大作を昔は観ただけでラッキーだったのかもしれませんが、今回のイベントは一家言ある人たちをも満足させてくれたのではないでしょうか。規則だらけの現状と規制緩和の対峙と言う今の日本に妙にマッチした演出が興味を倍加させてくれました。また、字幕の効果も異常に絶大でした。20年前に字幕があったかどうかわかりませんが、第2幕でタイミングを逃さず笑い声を漏らす事が出来るというのは字幕の効用以外の何物でもありません。
コーラスは二期会の誇りと矜持を感じさせてくれるのに十分な見事さでした。特に第3幕では日本刀のような強靭な合唱が聴きものでした。
指揮に関しては、このような曲を身につけている人そのものが人材不足なのでしょうが、かなりふけてしまったフロールが、その見た目とは全く違うコントロールのきいた棒で楽しませてくれました。
オケはしまっている、というよりはちょっと硬い感じがあります。オケピットの底から湧いてくる感じがなく、アタックを叩きつける感じ。これは指揮者のせいもあると思いますが、回数を重ねるとこなれてくる質のものです。
また、第1,2幕では歌手ともども大波小波がなくダイナミックレンジの無い緩急"不"自在の演奏でしたが、第3幕になるとにわかに活気づき始め、過去の事例としてのトリスタンが流れてくるあたりから、あふれ出るニュアンスと響きの充実感を感じることが出来ました。
歌手については、この歌手はどうだとか、という固有名詞レベルで語れるところまではいかないと思いますが、概ね力演だと思います。声が前面に出てこず、そういう意味では歌手/コーラスともにステージのかなり手前の方に配置した演出は功を奏したものの、まだホールを鳴らすような歌い手はいない。それでも、日本人だから心配、みたいな呪縛はもうそろそろ過去のものになりつつあるのでしょう。見栄えにおいても、昨今の日本人プロレスラーのマッチョ型大型化に時代の反映を感じることが出来るのと同様にこのオペラ界においても、その時代のトレンドを如実に感じさせてくれます。
ただ、ヒゲはよくないなぁ。顔の輪郭がわかってしまう。威厳を感じさせてくれる前に頭のサイズを感じさせる。ウェストポーチが日本人の短足を証明しているのと同じだ。ヒゲのない清潔感あふれたマイスターもあるのではないか!
モネプロダクションについては不勉強なのでよくわかりませんが、第1幕において審査員が上横一列に配置されるあたり権力/規則の意図強調は明白だとは思いますが、So what? という疑問は否めません。見た目的には、むしろゼッフレルリ演出のボエーム第2幕における舞台の二重構造、トスカ第3幕における舞台の上下移動、など見た目的二重構造を思い起こさせるだけです。
あと、東京文化会館はそれなりに奥行きのあるステージだと思いますが、歌手/コーラスをこれだけ、「前方に押し込めた」配置も珍しいのではないでしょうか。もともとの演出なのか、それとも声が通るように前に持ってきたのかよくわかりませんが、この酷暑にちょっとむさくるしい感じが無きにしも非ず、です。
それにしても、第3幕入場場面における一糸乱れぬ動き/整列の極度な見事さは、やはり国民性というものでしょう。先般のワールドカップチケット問題も日本人がやれば何の憂いも無かったのに、ということがよくわかります。
天井から足が4本出てくるのだけは意味不明でしたが。。。。
最後に、オールジャパニーズということであれば、演出も指揮者もジャパニーズでやって欲しかったという気持ちはあります。そうすれば演奏中に多少の地震が発生しても、誰一人憂いも無く演奏し続け、歌い続け、聴き続ける、でしょうから。指揮者が逃げたら演奏になりませんからね。(フロールがそうだと言っているわけではありませんが。)
みなさんは今回のマイスターどのように感じられましたか。私はリピートしたいと考えております。8月3日か4日ですね。
このように、ホールも盛況で、活気に満ち、イイ盛り上がりだったら毎年恒例行事でやればどうなんでしょうね。歌い手だけではなくて、みんな育つと思うんですけど。また、価格も相応ですし、土日にやるというのも良心的だと思います。企画としては大成功だと思います。
おわり
〇
以上、実に簡単におもて面だけを語ってしまっている感想でした。
おしまい
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